よこ笛草紙-12, 13 | コロリンの御伽草子-2

コロリンの御伽草子-2

ブログの説明を入力します。古典の御伽草子と
花や鳥の写真などをアップします
よろしくお願いします。

御伽草子・よこ笛艸帋 

イメージ 1

(・・・此こひの 道とこそ申)
侍る。中かはの あふせはしらせ給は
ずとも。一筆は やすき御事
なれば。御返事あそばし給へ
かしと。こま/\と 申侍りけれ
ば。横笛 思ひよらずとて。みや
まぎの 文たがへたるにや とて

 うづみびの したにこがるゝと
   聞からに 消なん後ぞ
  さびしからまし

と あそばし。引結びて。よに恥
かしげに出したる有様。誠に
美さ。何に たとへん 方もなし。殿の
恋けるも。断(ことわ)りと こそ思ひけれ


中かはの あふせ=中川の逢瀬、源氏物語・帚木で光源氏が方違えのため、
  京都の京極にあった中川のほとりの紀伊守の家に行き、
  空蝉に会ったところから、恋人に会うこと。
みやまぎ=深山木、深山の誰も知らない木、人違いかしら??と・・・
文たがへたるにや=「文違える」と「踏み違える」
うづみびの・・・=埋み火のように恋い焦がれてお聞きしましたが、
  恋の火が消えた後はきっと淋しいことでしょうね。
断(ことわ)り=理り、道理

乳母、してやったり!
横笛、満更でもなく
「人違いですよ」と言いながら、
文を書き、恥じらいながら差し出す。
う~~~ん、良い情景です。
コロリン師匠おにぎり