初心者EWI吹きに問い合わせの多い筆頭項目ですね〜。
「ローラー」である事から「スライドさせて使う」とイメージしてしまう人が多いのが理由のようです。
今回はそこを解説したいと思います!
※EWI USBのみ挙動が違うので注意(後述)
【指を置く位置】
まず構えの基本形として、EWIのオクターブローラーはふたつのローラーの谷間に親指を置くようにします。
これは単に「自分がいまいるオクターブを安定した状態で固定できる」ようになるからです。
【ローラーの挙動】
そしてローラーの挙動は以下の通りです。
●触っているふたつのうち反応しているのは上のローラー。
●正確には「いくつ触っていたとしても反応するのは一番上のローラー」である。
●ひとつしかローラーを触っていなければ当然そのローラーのオクターブになる。
【ボタンと台座式奏法】
上記を踏まえた上で、ローラーを「ローラー」とは思わず、下のローラーを台座、上のローラーを「ボタン」として思い描いてください。
谷間に置いた上のローラー(ボタン)を押したり離したりしてオクターブ操作する感じです。
その際「下のローラー」は意識せず、上のローラーを「触っている」「離している」とだけ意識します。
下のローラーに対して意識が不要な理由は【挙動】で説明した通り、下のローラーをいくつ触っていようと上のローラーが離れていれば「下のローラーのオクターブ」になるし、上のローラーを触っていれば「上のローラーのオクターブ」になるからです。
動画を見れば分かる通り、下のローラーは円の動きを持つ「台座」としてコロのように使い「上のローラーを離しやすく」しているだけです。
指の置き方にも注目してください。上のローラーを押したり離したりをするため、親指が少し上を向いていますよね?
「ローラーの谷間に置く」ばかりに気を取られてしまうと横を向いてしまいやすいので注意しましょう。
ローラーを「スライド」させて使用するのは動画後半のオクターブの激しい跳躍の時だけですが、これも基本は「上のローラー」に意識を向けて高速に動かしているだけでやってる事は同じです。
【スライド式奏法】
よくローラーを「転がすものだから指をスライドさせれば良いだろう」と谷間と谷間をスライドされる方がいます(常時ふたつのローラーを触っている状態)。これは前述した「ボタンと台座」に照らし合わせてみれば間違いとなりますが、実は正確にはこれも間違いではありません(変な文章w)。
実はこの時も「スライドさせているつもり」ですが、「ボタンと台座」と同じ考え方なんです。
動画を見てください。「スライドさせている」ように見えていますよね?
ですが、実は上のローラーを離してオクターブ下げた時、ひとつ下のローラーの谷間に移動したように見えて、谷間の下のローラーには触れていないんです。触れたとしてもごく微かに程度(※USBの方はここ覚えておいてください後述します)。
つまりスライドしている見せかけだけで、その実「指を横に向けたボタンと台座方式」をやっているだけなんです。
なお、ガッツリ谷間と谷間をスライドさせると指を動かす量が多くなるためピロ音が発生しやすくなりますが、オクターブ変更のタイミングがしっかり合っていればそれでも良いです(※USBの方はここ覚えておいてください後述します)。
但しこちらの方が当然ハードルは上がります。
【まとめ】
●「上のローラー」をボタンと思う。
●意識するのは上のローラーだけ。
●スライドさせるのは大きく跳躍する時だけ。
この3項目だけ意識して練習すればオクターブローラーなんて息をするのと同じように操作出来るようになりますよ!
【EWI USBの特殊事情】
(※基本理論は他EWIと同じですので、今までの解説を良く読んで理解しておいてください)
EWI USBはローラーが4つしかありません。そして少ないオクターブローラーで音域を稼ぐため、以下のようなオクターブ方式になっています。
最低オクターブと最高オクターブだけはローラーをひとつ触る事で範囲を広げるようになっています。
そして、この仕組みのせいなのか
こんな事になってます。
ようするにこの4箇所だけは「押したり離したり」が使えないんです。
よって他のEWIと違って【スライド式奏法】にある緑色部分の
>触れたとしてもごく微かに程度
ここはなるべく触るようにする。
そして、
>オクターブ変更のタイミング
をよりシビアに行うというのを、ちょっとだけ心がけましょう。
まぁ、長々解説してきた親指の動きを少しだけ「エイヤっ!」ってするだけだと思うので絶望したらダメですよー!w
【余談】
EWIのオクターブローラーを考えついたナイル・スタイナー氏ほんと天才だと思います。
これだけ広大な音域を上から下まで「同じ形状=同じ操作」で行えるお陰で、どんな音域でもまごつかずに操作出来るんですからねぇ。
多少苦手意識があっても、そこを乗り越えさえしちゃえばどの音域でも自由にコントロール出来るようになるメリットは計り知れないので、頑張って慣れてしまいましょう!