資金計画 | 読書は心の栄養

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主に自分の最近読んだ本の忘備録

家を建てる際にネックになってくるのが資金計画

 

マンションの場合、トータルでいくらになるのか、いつ払うのかがはっきりしています。

しかし、戸建ての場合は異なります。

 

特に、今回のように土地を購入して、そこで家を建てるケースの場合、

  • 土地の前金
  • 土地の支払
  • 土地の登記
  • ハウスメーカーへの契約金
  • ハウスメーカーへの前金
  • ハウスメーカーへの残金調整分事前支払
  • ハウスメーカーへの残金+ローン契約
  • 保険

など、支払タイミングが少なくともこれだけ発生してきます。

 

さらにやっかいなのが、家の値段がはっきりしないこと

自分好みの家を建てるわけだから当たり前なのですが、

フローリングにしたい、壁紙はこれ、照明はこれ、ドアはこれ、キッチンは・・・とやっているとトータルコストの変動が非常に大きいです。

 

全部終わってみて、自分で支払えない額になっていると困りますので、資金管理は重要です。

これをハウスメーカー側がやってくれると大変助かるのですが、少なくともうちの営業担当のかたはやってくれそうになかったので、自分でやりました。

 

私はExcelを持っているのでExcelをつかっていましたが、

ExcelがなくてもGoogleなどに無料の表計算ソフトがあるので、それを使うといいでしょう

 

まずは支払い金額の管理から

 

ハウスメーカーと契約をすると、現在の見積もりの内訳をもらいます。

 

それを下の画面の左部分に載せていきます。

左部分はかかる費用の明細で、ハウスメーカーからもらう項目をそのまま載せていきます。

次に、各項目をいつ支払う必要があるのか、営業担当に聞きましょう。およそで大丈夫。何月ごろ、というものでいいです。ただし、細かく何度も確認しましょう。これは非常に重要です。

なぜならこの情報はハウスメーカーにとってはあまり重要ではないが、私たちにとっては重要な項目だからです。ハウスメーカーは設計内容については非常に熱心ですが、ことこうした支払い計画については不明瞭なことが多いです。

しつこいと思われても、何度も確認しましょう人生で最大といってもいい買い物ですし、彼らにそれを答える義務は当然発生します。

 

(画像の黒塗り部分は金額だったり、時期だったりしています)

 

それに基づいて、画面右側に支払い項目別にグループ分けして、支払日を記入します。

たとえば、土地代+土地の諸費用はそのまま全額払うのではありません。

土地代が1000万円だとすると、100万円ほどを事前契約時に前金として払い、実際に土地を受け渡してもらうときに残金900万円を支払います。

ので、左側と右側の項目がマッチしないのですが、合計金額はマッチしなくてはなりません。

 

 

これで、おおよそいくらの支払いがいつ必要になるのかがわかってきます。

マンションや、建売住宅を購入する場合はこれで十分でしょう。

支払いは一括で行えますから。

 

注文住宅の場合は、支払いタイミングが多いので、その都度資金がショートしないようにコントロールする必要があります

不測の支出が生まれてもいいように(これがそこそこの頻度で発生します)しなければなりません。

 

次に行うのは、この支払が自分に可能かをシミュレーションします。

通常家を買おうとする人は毎月ある程度貯金できていると思います。

そうすると、

現在の貯金額

毎月の貯金積立額

ローン額

が「自分の資金の増加分」となり、

先ほどの資金表に並べた各項目

が「自分の資金の減少分」となります。

 

これを並べたのが下の図です。

A列にはおよその支払いタイミングを書いています。

B列は先ほど入力した支払いタイミングから、該当支払日に発生する項目を足し合わせたものが書かれています。

C列は自分の貯金額や積立額から、およそその時点で銀行にある額を書きます。

D列はC列の値ーB列の値を引いた、支払い後の残金の予想額がでてきます。

これがマイナスになると当然ながらアウトですし、自分が譲れないライン(たとえば100万円は手元にないとダメ、と思っていれば、100万円を下回ればアウト)を下回ってもアウトです。

J列はローン金額(これは通常最後のタイミングで自分の資金を増加させてくれるはず)

 

このシートで大切なのは、

自分の資金が不足しないか

家以外のものを買うタイミングとしてはいつが適切か

がわかってくるのです。

 

このようなシートを使って、どこまで自分の家にお金をかけることが可能なのかを見ていきましょう。

調子に乗っていくと、あとで大幅に計画を後退させることになり、後味の悪い結果となるでしょう。

カツカツにすると、あとで支払えなくなり、余計な出費が出てくる可能性がありますので、必ず余裕資金を残しておきましょう。

 

 

 

これを作らないと、最後になるまでお金足りるかな、と思い続けることになります。

逆にこれを作っておくと、ほしい設備が出てきたときにそれを支払うことができるのかどうかをチェックすることが容易になってきます。

 

私はプロジェクトマネージャーという仕事柄、仕事で得た知識を生かしてこうした資料を作って自分で管理していました。

ぜひこれから家を建てようという方がいたらぜひおすすめです。

この観点においては、ハウスメーカーが助けてくれることはないのではないでしょうか。

 

本当はこれをハウスメーカーから積極的に行ってもらったほうが会社としてもいいはずなのです。

こうした資金が間に合うのか、という不安は大金持ちでもない限りほぼすべての方に共通する悩みです。

このような管理をしていないと、どこにどれだけ金をかけていいのか不安を抱えながら顧客は自分の希望を口にしていきます。

もし、この点をハウスメーカーが解消してくれるなら、

家の設計はスムーズに行き、顧客が家に払える(払うつもりのある)額のぎりぎりまで設備を増やしていくでしょう。

でも、こうした管理がまったくできていない場合、顧客は常に不安があるので、現実的な人間であればあるほど要望を極小化していくことになり、ハウスメーカーの利益は減りますし、クライアントの満足度も小さくなります。

もっと言えば、こうした情報を会社が得ることができれば、顧客管理上他社よりも相当優位に立ち、囲い込みに成功していくはずです。