生成AIの件でテレビ局の取材を受けました | よしぞう日誌

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漫画家・イラストレーター因幡よしぞうのブログ
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先日、とあるテレビ局(在京キー局)のニュース番組スタッフから生成AIについてイラストレーターの意見を聞きたいので取材させて欲しいと連絡があった。

 

僕の話などニュースのネタにならないからと一旦は断ったんだけど…それでもいいから話を聞かせて欲しいと言われ、Zoomを使ってのオンライン取材を受けた。

僕はマンガ・イラストレーターをしているので生成AI問題は他人事ではなく、言いたいこともあったのでそれならばと思っていることを言っておいた。

僕の意見としては…

生成AI自体は世界中の大企業が莫大な予算をつぎ込んで開発しているので今更無くすことなどできないけれど、クリエイターを守るためにせめて最低限の規制だけはして欲しい。

 

具体的には…

 

・生成AIで出力したものについては著作権を認めない

 

・既存の作家の作風にわざと似せて(その作家の作品を集中的に取り込ませて)制作するのは著作権違反とする。

 

後、少なくないクリエイターの方が無断学習に反対の声をあげているけど、無断学習を合法として開発されたものを(法の不遡及が法治国家の基本だし)今更使用するなと言えないだろうし…

文化庁が見解を出した「今後、学習禁止タグを付けたものを取り込むのは禁止」が、精一杯ではないだろうか。

 

ちなみに「人間も既存の絵を学習して(取り込んで)絵を描いているのだからAIと同じだ!」というのがAI推進派の無断学習に対する見解だけど……絵描きの立場からしたら「人間は例え既存の絵を学習したとしても全くそっくりにはしないし、しかも学習にはかなりの労力がいるのでAIとは違う」と思ってしまう。

 

だけど現状は国や文化庁などは学習に関してはAIも人間と同じという考えを基にしているようです。

そして著作権侵害かどうかは出力したモノで判断するというのが現在の生成AIに対する法規制となります。

 

出力したモノが既存の創作物(作者)の権利を侵害した場合は著作権侵害となるので一応は納得いく法的措置を取ってはいますが、無断学習されたデータを元に出力しているのでこれに納得いかない人もいるみたいです。

 

さらに絵柄やアイデアには著作権が認められていないので〝似てる〟だけでは著作権侵害に問えません。そこを利用して悪質なAIユーザーの中には既存の作家の作品を取り込んで似たような作品を量産するという事件(後記します)も起きているので、生成AIに対する反発が強まっているのではと思います。

 

無断学習の部分は先程述べた理由で今更変えるのは(日本一国の問題でも無いし)かなり難しい、というか無理だとは思いますが、この「作風を似せる行為」は文化庁も「著作権侵害になるのでは?」という見解をだしているので早急に法制化して欲しいですね。

 

そして生成AIでの出力物に著作権を認めてしまうと短時間でいくらでも出力できてしまうのでこれは絶対に認めてはダメだと思う。

日本の現行法では「簡単な指示(プロンプト)で製作されたものには著作権を認めない」となっているので、じゃあ「長文の指示(プロンプト)なら著作権が認められる」と勝手に解釈している人もいたので、ここは欧米と同じく「生成AIで出力されたものに対しては著作権を認めない」として欲しい。

ちなみに中国では生成AIで出力されたものに著作権を認める判決が出たので、欧米に倣うか中国に倣うかという感じですね。

 

現状は出力されたモノに対してどう判断するか? になるので最低限この「著作権を認めない」と「作風を似せるのを禁止」さえ法制化してくれればかなりの部分クリエイターを守れると思う。

 

理想は将棋界みたいに研究でのAI使用はOKだけれど本番(対局)での使用は禁止、みたいに分けられたらいいんだけどね…

 

みたいなことをテレビ局の人にペラペラ喋ってたのですが…

 

僕が「取引先の一つから今後はこの作業はAIで製作する」と言われたことや「お仕事量は昨年より減った」ことなどを話したら、それをカメラの前で喋ってくれませんか? と言われたw

 

しかも僕は大阪住みなのにわざわざ東京から大阪まで取材に来るというw

 

いやいや、僕にそこまでの価値は無いですよと断ったんだけど、「それでもいいので!」とかなり食い下がられましたw

なんとか断ったんだけど、翌日も「オンラインで顔はモザイク入れますので」と再び連絡が来たけど、正直今はまだ底辺イラストレーターなのであまり表に出たくは無いのですw

これが売れてたら顔を出して堂々と意見を言ってたかもですがw

 

なのでテレビカメラの取材は申し訳ないけどお断りさせてもらいましたw

 

でもその数日後、今度ははじめの一歩の森川ジョージ先生が✖ペケ(旧:Twitter)で生成AIの件でかなり揉めてました。

 

発端はとある漫画家さん(イラストレーターさんかも?)が、森川先生に「AIで無断取り込みされて(上に書いた)自分の作風そっくりの作品をAIで作られている。どうしたらいいですか?」と相談されたことから始まったんだけど…

 

森川先生のAIへの見解が気に入らないと反AI主義の人が噛みついてかなり揉めてました。

 

が、実は僕も反AI主義の人に絡まれたことがあるんですよねw^^;

 

ペケで個人で小説書いてる人(アマチュア)が自分の小説の導絵にAIイラストを使うことをつぶやいていてので……

 

「小説の導絵にAIイラストを使っても(法的に)全く問題ないですよ。売れたらちゃんとしたイラストレーターに頼めばいいんだし」

 

と、自分の希望(売れたらイラストレーターに依頼してね)を付けてペケったら僕に対して…

 

「他人の絵を無断で使ってるAIを使っていいなんて何言ってんだお前!」

「AIイラスト使ってイラストレーターが依頼を受けてくれると思ってるのか!」

「こいつ何言ってんだ?」

「泥棒! 泥棒!(※)」

※AIには無断学習された作品が入っていることからAIを使うだけで盗作(泥棒)と同じだと考える人もいます。

 

といきなり誹謗中傷してこられて本当に困りましたw^^;

反AIの根本の考えは「クリエイターを守りたい」というものなので、僕的には非常に有難いんだけど…

ただちょっとでも生成AIを擁護する反応を見たら攻撃的なリプを送りつけるという行為は止めた方がいいと思う。

※てか内容によっては名誉棄損罪や侮辱罪に問われます。

 

森川先生も「お前口が悪いぞ!!」ってかなり怒ってたしねw

 

この問題は本当にややこしいので簡単には解決できないかもだけど…

 

ちなみに僕はさっき述べたように生成AIの影響でお仕事が減った部分もあるし…

元々はこのイラストのようにリアル系な絵を推し進めてたんだけど…

生成AIはリアルな絵は最も得意とするテイストなので推すのを止めました。

だって手で描くのは何日もかかるのに、AIだと数分でしょw

太刀打ちできないよw^^;

 

という感じでAIの影響を受けてるけど……でも生成AIに負けを認めたわけではなく、対抗措置も考えてます

 

まずイラスト的には「リアル系」や「今風のモノ」はAIの出力物に埋もれてしまうので、それは捨てて…

とにかく「個性的な作品」を推し進めようと考えてます。

写真が出現した時に印象派が台頭してきた感じと似てるねw

 

そしてやはり自身のIPを構築するのが一番だと思う!

Youtubeの運営もその考えから始めましたw

まだまだ駆け出しのチャンネルですがどうぞよろしくお願いいたします。

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ちなみに先日公開したこの姪っ子ハラスメント動画:姪っ子さんと僕

 

公開当初はあまり動かなかったですが、少しずつジワッて今公開されてる動画の中では一番再生数が多くなりました。

見てくださった方、本当に有り難うございます!

 

今後もがんばりますのでどうかよろしくお願いいたします。

 

 

因幡よしぞうは漫画家・イラストレーターです。

 

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