古塔つみのトレパク問題 | よしぞう日誌

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漫画家・イラストレーター因幡よしぞうのブログ
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創作裏話、前回からの続きなら価格破壊のお話について書かなきゃいけないところだけど、前回からかなり間が空いてるから無理に続きを書かなくてもいいか(※)ということで今回は古塔つみさんというイラストレーターのトレパクの件について書いてみます。

 

※今後はこの漫イラ話はその時に書きたい(言いたい)ことを書いていくスタイルにします。

 

 

  古塔つみトレパク問題

 

さて今回のトレパク問題ですが、これは古塔つみさんというイラストレーターがネットで見つけた写真などを無断でトレースして自身の作品として報酬を得ていたということが発覚し、非難されています。

 

僕も元ネタとの比較を見たんだけどポーズが完全に一致して言い逃れできないレベルでした。

古塔さん自身は「再構築」だと話してるみたいですが、無断で使用してる時点で完全に著作権を侵害していると思います。

 

結果として古塔つみさんのイラストは使用停止になり、イラストレーター人生は絶たれた感じです。

 

こういうのはプロとしては絶対にやってはいけないことなのですが、古塔さんの場合は少し同情する部分もあります。

 

というのも古塔さんはアマチュア時代にインスタグラムで趣味の範囲内としてネットの画像を元にして描いたイラストを発表してたらしいのですが、それが人気出てプロのイラストレーターとして活動を始めたので、人気が出た描き方を変更できなかったという部分があると思います。

 

写真を元にしなくては描けないのならギャラが発生した時点でモデルを雇って自分で写真を撮って、それを資料にすればよかったんですけどね…。

モデルに支払ったギャラは経費で落とせるんだし。

 

性別を偽ってたという話もあるのであまり表には出たくなかったのかもしれません。

そして元々は趣味の範囲で描いてたので、そういう著作権的な部分に疎かった部分もあると思います。

 

 

  ネットでも大炎上

 

古塔さんのトレパク問題は発覚すると同時にネットで大炎上しました。

こういう話はネット民は好きですからねw

 

YouTube動画でも検証動画が多数公開されて「パクリだっ!」 「パクリだっ!」って騒いでましたが…

ただその動画を公開してるチャンネルをよく見てみると、無断で使用したと思われる画像(動画)を使って作られた動画が何本もあったので、いわゆる〝おまゆう〟(お前が言うな!)状態でしたw

 

こういう指摘をすると「これぐらいならいいんだよ」と反論されそうですが、その考えは古塔さんと同じです。

古塔さんも多分「これくらいならいい」と判断して(特に最初は趣味の範囲内だったし)描いてたと思うのです。

 

問題になって無いだけで、YouTubeチャンネルでは無断で画像(動画)を使って動画を作って公開してる著作権侵害チャンネルは無数にあるし、その他SNSなどでも無断使用は頻繁に見られますからね。

 

ただこの著作権の問題は少しややこしい部分があるのも確かです。

 

 

  絵描きと模写

 

ほとんどの絵描きは(絵描き以外もそうだけど)写真や他の作品を模写することから始めます。

学ぶとは〝真似ぶ〟という意味もあることから分かるように、最初は誰しも真似をすることから学んでいくのはどの分野でもごく自然なこと。

 

僕だって昔は他の漫画家さんの絵を模写したり雑誌の写真を模写したりしてました。

 

通常は、模写期を経てオリジナル構築期に入り、自分の作風がある程度できたら売り込みしてプロにというパターンですが、プロになるのが早い場合(模写期にプロになった場合)は参考にした作家さんに絵柄が似てる場合がありますが、それはよくあることです。

 

僕も模写期は水谷なおきさんや士郎正宗さんの漫画を1ページまるまる模写したりして練習してたので、当時の絵柄はかなり似てましたw

その後、自分でいろいろ考えて絵柄を練ってきたので〝自分の絵柄〟としてだいぶ確立してきたと自負してます。

 

この〝誰かの絵柄に似てる〟のをパクリとしてるYouTube動画(※)も見かけましたが、これはパクリでは無いと思います。

※しかもそのチャンネル自体、例によって無断使用と思われる画像(動画)を使ってたので〝おまゆう〟チャンネルでしたがw

 

古塔さんの場合はこの模写期の絵、てかトレースした絵に人気が出てしまったのがある意味災難だったと思います。

 

 

  著作権の問題

 

アマチュア時代は模写して画力を上げていくというのは王道の練習方法なのでどしどしやっていけばいい。

ただプロとして活動を考えてる場合は著作権というのも考えなければならないけどね。

※僕は法律に詳しいわけではないただの素人なので、あくまでも個人的な意見として聞いてください。

 

基本的には他人の写真やイラストには著作権があるので、トレースでは無く模写する場合でも構図が同じならアウトです。

ちなみに有名な漫画家さんで購入した写真集を資料として使ったということで裁判沙汰になってたことがあります。

漫画家さんが属する出版社側は「資料としての使用」という部分で争ってました…裁判の結果は知りませんがw

 

そして他の漫画のキャラクターを無断で使うのも基本的にはアウトです。

なので同人誌は基本的にはアウトなんだけど、これはファン活動の範囲内ならということで黙認されてるみたいです。

ただしポケモンのキャラを使って18禁同人誌を作ってた人が訴えられて逮捕された事件もあったので、作品の品格を落とすようなモノは控えた方がよさそうです。

 

ディズニーは著作権にうるさいので、こちらはファン活動でも止めた方がいいですw

日本の漫画なら(同人出身の作家さんも多いので)作品をリスペクトしたファン活動の範囲内なら大丈夫っぽいですが…。

 

ちなみに写真を模写したものをネットで公開するのは(古塔さんのプロになる前の状態)個人的にはそれ程問題無いと思います。

著作権的には少し問題ありそうだけど、商用での利用では無いし、訴えられたりしたケースは聞いたこと無いので…。

ただ自分の作品として発表するのは古塔さんの例から趣味の範囲でも少し問題あるかと思います。

 

そういや僕も〇十年前に雑誌の写真を模写して描いたXJapanのイラストを前に「昔描いたイラスト発見!」と言いながらTwitterで公開したなw^^;

アマチュア時代の趣味イラストなのでそれ程問題無いと思うけど一応削除しておきますw

 

  古塔さんの問題まとめ

古塔さんの場合はやはり趣味の範囲でやってた〝写真を元にした作品〟が人気出て、素人のままプロになってしまったというのが一番の問題点だと思います。

 

プロを意識してなかったので、著作権のこともそれ程意識してなかったのでしょう。

 

ただやはりプロになった時点で考えを変えなければいけなかったと思います。

 

リアル系な絵柄なので作画資料としての写真が必要なのはわかりますが、それなら自分でモデルを雇うなりして用意すればよかったのです。

作画資料を用意するのも創作の範囲内だし、作品制作に必要なものなのでかかった費用は経費として落とせるし…。

 

ちなみに僕はアマチュアの貧乏な学生時代からマール社の背景資料などコツコツ買い揃えてましたw

現在は経費にできるとはいっても使いすぎると収入減になるので吟味しながら購入してますがw

 

古塔さんのイラスト、色使いとか流石と思うような部分があるので、著作権について勉強してから再度出直してほしいですね。

 

 

 

 

◆Youtubeの話も少ししましたが僕もYouTubeチャンネルを運営していて、そこでオリジナルの漫画・アニメ動画を公開しておりますのでよろしければ見てください。

 

【浪速のキミコさん】~宇宙人VS大阪のオバちゃん~

 

 

【ジャングルもんぐ】~怪魚を求めてがろ君と釣り~

 

 

 

因幡よしぞうはマンガ・イラストレーターです。

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