GWは奈良に獅子舞を見に行って来ましたよ。
クラファンの狛犬祭なんですけど。
こちらは三輪坐恵比須神社の石の狛犬さん達
主役の木製の狛犬さん達は
写真撮ってなかった←をい
詳細は菊田さんのブログにて。
以下、ワタクシの獅子舞への関心ごとと個人の事情なので、特に神楽に関心のない方々は読み飛ばして吉です。
神楽をやっている人は座学として以下のような知識を前提として舞ってます。
◆神楽には宮中神楽と里神楽がある。宮中関係の儀式以外で、民間にて舞われるのは里神楽である。我々が舞っているのは里神楽である。
では、その里神楽とはどういうものがあるか。
この辺の分類には諸説ありワタクシはここで断定書きできない感じなのですが、大体以下の通り。
里神楽はざっくり大きく分けて
・巫女舞(直面の儀式舞)
・獅子舞(獅子頭をつけて舞う)
・能舞(面掛けまたは直面で物語を舞う)
に分類される。
一方で、神楽の流れ的には
・伊勢流(獅子舞と曲芸)
・出雲流(儀式舞と能舞)
・岩戸神楽(儀式舞と能舞)
・祭文(五郎みたいな)
・催馬楽(よくわからないんだけれども、神楽歌がない?)
みたいなおおまかな流れがあるという理解。
石見神楽で舞われているのは儀式舞と能舞で、能舞の題材は日本神話や日本の伝承と農耕に関連する盤古神話世界。
儀式舞は主に東西南北中央を清め鎮める系。
十二神祇はより抽象的な祓い舞いだけれども、題材は盤古神話(五郎)と天岩戸開き。
あと、恵比須舞。
長門の神楽も十二神祇舞に近い感じで、盤古と岩戸と恵比須。
だいたいこんな感じです。
◆把握している神楽と獅子舞
それで自分は、出雲、石見、安芸十二神祇、周防、長門、豊前、高千帆の【能舞】【岩戸系】の流れは確認しておりはするものの、伊勢太神楽や獅子舞はこれまで系統立てて見た事がございません。
これまでも神楽を語るなら獅子舞も外しちゃいけないとは思っていたものの、こちらで獅子舞という文化はほとんどないので、意識的になっていないと見られないもの、ちょっとお祭りに行っても獅子舞を目にするということはほぼありません。
自分が知っている限り、山口県西部には獅子舞はほぼないような。
山口に一つ(小鯖代神楽をホールで見た。赤いお獅子だった)あり。
他に、徳地にもある模様です。
あとは正月に石見神楽丸茂社中さんの中の人が美都温泉で獅子舞を出しているのを見たくらいでして、宮奉納のきちんとした獅子舞は未経験。
そうそう、菊田さんが西宮で獅子舞を始められたというのがありまして、鹿児島の長田神社でもお囃子なしで奉納されてましたが、儀式舞が獅子頭を頭に載せている?みたいな感じでいまいち獅子舞として認識できていませんでした。
そういう自分の獅子舞認識はというと、
獅子舞は二人一組で、獅子頭をかぶった人が前に一人いる。その後ろに後ろ足の人が一人いて獅子の胴体を模した布をかぶっている。
囃子は篠笛と持ち運びの太鼓。
舞いは、多分足は反閇を踏んでいる。上は獅子の動作を現した舞。
お獅子の顎がかちかちいう。
みたいなイメージしかないので、一人舞の時点で獅子舞と言われても混乱していました。
そんでもって太神楽。
太神楽っていうと、昭和生まれなら海老一染之助染太郎師匠[お染ブラザーズ]というユニットでご存知かと思いますが、ワタクシなどは傘の上で色んなものを回す芸人さんくらいの認識でした。
石見系の神楽に曲芸は基本ありませんが、強いて言えば天蓋引きが曲芸か?って感じです。
実際は、折敷舞や剣舞(刀を何本も持ってでんぐり返ったり飛び跳ねたりする)を持っている団体もあり、それらが曲芸と言えば曲芸・・・それらはいわゆる曲芸か?って言われたら微妙な感じがします。
この↑段は、神楽やってない人にはどうでもいい話↑
と、色々前置きを書きましたが、要は、
自分は獅子舞の存在は神楽として認識していて、見た目こんなものだと知ってはいるけれど、動いている獅子舞を自分の神楽舞認識の目で見たことがない
という状態。
もっと簡単に言うと[ワタクシは獅子舞ってのをちゃんと見た事がないので、良くわかっていない。でも見ておいた方がいいし見たい。]って事なんですけどね。
それが!
件の狛犬祭での獅子舞奉納のクラファンですよ。
前年やった「総舞わし」を今年もやるためのクラファンなので、今年も当然総舞わし。
総って頭につくくらいだから、主なところは全部舞うんだろうと思われます。
獅子舞と太神楽はセット。
→太神楽も見られる
獅子舞奉納は、豊来家玉之助・韓園講、西宮神社獅子舞保存会(兵庫県)や桃俣獅子舞保存会(奈良県)っていう団体さんがされる。
こんなお誂えの機会なんてそうそうないし。
行くしかないやんか。
行くか。
ということで、GWですし、奈良まで行ってきたのでした。
お祭りは出店も出ていて境内は賑やか。
(写真はない)
さて、こういうのは最初が肝心。
獅子舞っていうと角付けとかあるのだろうから、ご祝儀は渡すものでしょう。
しかしワタクシは獅子舞の無い地域の人ですので、獅子舞のご祝儀をどうするのか?ってのを知りません。
→どうするかなあと思ったのですが、考えてもご祝儀のタイミングとか全然知らない話なので、じゃあ事前に石見式に花を打っておけ。
多少間違っていても[石見方式しか知らないので]と言っておけば多分大丈夫〜
(段々図々しくなる)
というので、楽屋前にいらした玉之助師匠と思われる男性に御花をお渡ししようとしました。
そうすると、師匠は受け取られずに奥に向かって
「獅子舞〜、簡単にこうじん舞(?)を舞ってあげて」
と呼びかけられました。
「幣とすず持って来て」
とも。
本番前の裏でバタバタしているところに大丈夫なのか?ワタクシが出演前だったらぶーぶー言うタイミングだよこれ!と思ったのですが、ちょっと待っているとお獅子とお囃子さんが出てこられて、上がり小口のところでミニ獅子舞が始まりました。
かなり賑やかなお囃子です。
うわ、祭典の時間が押しているのにおおごとにしてしまった!
と思ったんですが、始まった獅子舞は止められません。
ということで今回、祭典の前に突然獅子舞を舞って貰っていたのはワタクシでございます。
はっきり言って、どういう顔をして立っていればいいのかわかりませんでした。
石見では、花を打ったら社中さん(人気がある社中だと特に)が記念品の手ぬぐいを下さったりする方向なので、まさか舞が出てくるとは思いもよらずでびっくりしてました。
と、最初からやらかしておりました。
11時から狛犬祭の祭典。
祭典後、一旦解散でお昼。
午後から和太鼓演奏と獅子舞。午後の奉納の前に獅子舞の先触れ(正確にはなんていうんだろう)が行われます。
石見神楽で言う呼び太鼓みたいな役割で、お囃子隊を引き連れてお獅子が練り歩くという感じ。
ごっつ楽しそう。
長くなったので、2回に分けます。
続く。