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周南新春能・能楽キャラバンに

行って参りました。

番組は以下。

前半は大槻文蔵先生

後半は静と知盛です。

結構な人出でした。

開場45分前に到着したのですが、全席自由席だけあって既に長蛇の列。

徳山毛利の御膝元に加えて企業城下町だけあって周南市の皆さんさすがハイソやわ。
ワタクシの在所辺りじゃこんなんないぜ。
っていう雰囲気でした。

お着物の方もそれなりにいらしてました。
ワタクシは能楽キャラバンですが、ほとんどの方が新春能気分だったのでしょう。

大半が中高年の女性とその連れでしたけど。
ワタクシより上の年代だと、女友だちで誘い合って観劇や展覧会、ヨクワカラナイけど娯楽ってそういうモノって行動様式ってありましたけど、それがまだ生きてる感じかな。

でも、列に並んでいるうちにふつふつと疑問が。

周囲の人達が手元に出してたチケットのほとんどが、ワタクシみたいにローチケのチケットでなく写真つきの美術館のチケット的なものだったので、チケット購入は周南市文化会館や図書館等で直接か、もしかしたら山口市や防府から大挙してやって来ているのかもだけど、駐車場がそこまで埋まってなかったので、やっぱりお客さんは地元周南市や下松市民だよね。

と思ってると、列を離れて和装の先生方?に挨拶に行ってる人達がそれなりにいて、これは名士の方々かしら?
一方で「能とかほとんど見た事がないけど」なんて声も聞こえてくる・・・奥様、アナタ方ですよ。

更に、今回の公演の問い合わせ先が上田観正会(兵庫県)で、子どもチケットが周南市文化会館と瓦照園(神戸)の取り扱い。
それ考えるとローチケやチケぴでないなら地元民の直接購入は周南市文化会館とか図書館とか蔦屋だよねえ。
下松は周南市の他市に含めないので、概ねスターピアまで行った時に買ってるのか?
それならわかるけど・・・

他市はアスピラート、井筒屋。

茶道や華道つながりの地元ハイソな奥様方でチケットさばいたりしたって人数たかが知れてるでしょ?
(ハイソでない妹の池之坊つながりを想像してみる)

うーんうん
わからん←
企業・・・・・・
協賛テレビ局KRYとかか。
(スターピアに行った時に)

そして、
福岡だと人口の分母が多いし能楽堂もあるから、大濠公園能楽堂があっという間に埋まるのはわかるのよ。
徳山の分母で1800名収容の周南市文化会館の一階、オーケストラピット含めて一階の固定席約1000席の8割くらいが埋まってるっていうから驚きだ!って思うんです。
※言うちゃルネッサながとの狂言600席は友の会でもチケットが取れない。でもあれは野村万作・野村萬斎親子を見に行ってる奥様方だと思うので、

まあチケット3000円だし。
珍しいもの見たさってのも絶対にあるよね。

→前半隣席だった付き添いと思しき男性は、後半は席に戻って来られませんでしたけどね。


それで。
ワタクシ、ホールで狂言は経験ありますけど、ホール能は初めてなんですよ。
それで、ホールにどう能舞台を作るのかと思って見たら、屋根以外は全部セットで持ち運び能舞台、なんですよ。
目付け柱が30cmくらい、ワキ柱も80cmくらいの高さだったので、見所はどこでもそれなりに見える、角度はそんなに言わないねっていう。

これはこれでありだなと思いました。

ワタクシはワキ柱の前、7列目に配置。


先ずは大森先生の解説。
旅をする話でした。

舞囃子の絵馬は、装束つきでなかったので、中の人の岩戸部分が良く見れて非常にようございました。

大阪の大槻文蔵氏が天照大神役。
東京の津田和忠氏が天細女命役(女神)で
京都の大江信行氏が手力男命役(男神)。
(ホントの役名はカッコ内)

比較的お若いのが大江信行氏。

錚々たる面々です。
この舞囃子だけでも3000円の価値ありで、大槻文蔵先生の立ち姿から扇の角度から端々まで美しい訳ですよ。

ただ、ワタクシは素人なので、絵馬の一番の見せ所をやってるんだろうなってのはわかるんですが、謡が聞き取れないので何処をやってるのかわからない。
そもそもホール音響のせいか、囃子が立ちすぎて謡がよく聞こえない←

でも、だいたい推測にて、あと二人出てきたからここは岩戸開きだな、じゃあ今の大槻文蔵氏の舞は天照大神。
後で出てきたのは児屋根太玉・・・いや違う、柴持ってるから片方は手力男なんじゃなかろうか、お囃子が激しいので宇津女と手力男多分。
最後で、そうだー

みたいな見方になってしまいました。
後で思い出すと確かにそういう流れで納得の舞だなってわかりましたけど、リアルタイムで追っかけられず。

予習不足には違いないんですけどね。

能楽公演、予習大事。


そうそう、大槻文蔵氏は昭和17年(1942年)生。
津田和忠氏も昭和29年(1954年)生で、そう考えるとシテ方で謡や舞を習うってのは一生の趣味に出来るんじゃないかと思う訳です。
年齢なりの舞があるので。
舞がないお稽古もあるみたいで。
ずっとアマチュア地謡で発表会でも、忙しい大人ならありだよね。

ウチの若い衆に
「自転車は70歳になっても乗れる。飽きたらランもあるし、何となればスイムも加えてトライアスロン。オリンピックディスタンスなら楽勝。」

最近は
「園芸もいいよ。サボテンは30歳から始めて、今金鯱を実生したら60歳ごろに花が咲くよ。そんなに気が長くなくても、サボテンの種類次第では実生から3年で花が咲くのもあるので、そこから色々育ててもいいし。サボテンのトゲが辛ければアガベでもメセンでも。観葉植物はちょっとと思うなら果樹でも。いい趣味だと思わない?」
などと言ってるけど、
舞を習うのも良いと思うの。

石見神楽も良いけど、通うの遠いし、田舎の集まりでサラリーマンだと色々気づく事もあるからメンタル強くないと難しいし←どれもね

習うで思い出したけど、
今回の大鼓は白坂保行氏で、白坂信行氏の弟さんでした。
この辺だとどこに行っても白坂兄弟の名前を見るので、大鼓やってる人は少ないんだなあと思って。
でも30歳から大鼓始められるものなんだろうか?
謡やってたら出来るだろうけど。
ワタクシが石見神楽で締太鼓叩いてるのとは訳が違うんだわ。

そうそう、地謡に大槻裕一さんがいた!
装束も良いけど裃も凛々しかったですね。

地謡ではあのおっちゃんいい声出してそうだなあとか、後でちょっと聞いてみたくなるところもあり。


困りどころは、ワタクシは黙って見てると喉の奥がイガイガして咳がしたくなるんです。
元々気管支が弱いんですが、コロナにかかって以降良くならなくて。
これあると能とか見に行きにくいんですよね。
水分補給って訳にもいかないので、冬場は困るんだなあ。


舞囃子の次は狂言清水。
狂言は笑っても良いので、咳も出ません。

狂言を知ってる人達は、狂言回しがおかしな事を言い出したり妙な仕草をしたりといった笑いどころできちんと笑うので、狂言の笑いどころで狂言が好きだったり能公演好きでリピーターの観客がどのくらいいるかってのが把握できるのですが、まあ動員でない程度にはリピーターがいるんだなという感じでした。

吉本花月みたいに笑いに来てる訳じゃないので爆笑はしませんが、観客が笑う狂言は客席にいて安心感があって良いですね。
(席がとれないルネッサ狂言は、宇部とか下関ってよく聞くけど周南辺からも来てるのかな。)


老練な太郎冠者、良いよね。
何てか、サボる事に賭けてる経験値だけは高い爺さん従者って実際居たら困るけど、やらかしが可笑しいんですよね。
最後にバレてからのバックレ逃亡、最高だよ!っていう。

上手いとか声が良いとか当たり前なので。
狂言は直面なので、中の人のキャラクターも効いてくるなり。
配役がとても良かったです。

って、清水は面かけてますけどね←

→後半に続く