山根神楽団さん続いてます。

塵倫が終わったあと、衣装の試着タイムがあったのですが、
ワタクシは着用より、見たい方。
 
神楽衣装を着るだけなら、言えば三葛で出来るのですが、上等な衣装の細部をじっくり見る機会はあまりないのです。
そして古い細川神楽衣裳店の衣装は石見では割と目にする機会があるんですが、玉屋の衣装とかその他閉店してしまった店のものはあまり見る機会がないので、こういうチャンスに遭遇すると、何時もは濁ってる目もキラキラしてしまうんです←
 
しかしあれ、山根神楽団さん、幕もたくさん持ってらっしゃるなあ。

 
そうそう、カメラですね。
職場に電話したら、休日出勤してた人がいたので、職場に寄って持ってきました。
 
小野田のイオンモールから近いんだ、職場。
隣地区ですもんね。
 
 
近場で神楽って、サイコー!
 
みけねこ商店さんも大蛇見に来られたっぽいです。
 
 
 
さて、お次は八岐大蛇です。
 
 広島の旧舞の大蛇。
まずは、七番目の姫が大蛇に食われる「姫取り」から。
姫取りが出来るってのは、余裕があるってことなんですよねえ。
 
ガッソがざんばらで、直面の須佐之男。

やっぱり、須佐は石見の眉がつりまくってて髭面の面が良いよねって思うんですけど、こちらは、まだ完全に神じゃなくて荒ぶるものの須佐だから面をつけないって話でしたっけ?
 
前に、下前さんがそんな事を話してらしたなあ。
そうそう。
 
親子の嘆き。
石見と口上がかなり違っていたのが興味深かったです。
 
須佐之男に、八岐大蛇の被害状況を訴える足名椎。
田んぼに水を引いた云々って言ってました。
(ホント、メモ取っておけって思うワタクシ)
 
老夫婦が酒を醸しております。
 
このたくりの使い方ですよ。
たくりが須佐之男に渡されたら、もう爺婆の子供ではなく、須佐の妻になったということ。
 
須佐之男、八塩折の酒で大蛇をおびき寄せております。
 
大蛇大集合
総力、総力
 
威嚇ポーズ!
 
うわ、蛇が降りてきおったぞ!
八頭出てきたし!!!
 
ぼおおおお
 
石見と構成が異なるので、撮りどころがイマイチでふらついてしまい、全部変な大蛇の集合写真みたいな感じになってしまった件。
 
戦いを撮るのも難しかったですよう。
 
大団円です
 
いやあ、楽しかった。
大蛇は石見でしょ!もう絶対石見の浜田から西!って思うんですけど、
こういう大蛇見てしまうと、江の川沿いもいいやんね!って思ったり。
 
 
 
 
終了後、ステージでみけねこ商店さんが蛇胴を背負ってらっしゃいましたので、声をかけることができました。
陣羽織とか鬼着は着る機会はあっても、蛇胴背負う機会はあまりないですもんね。
 
歴史のある団体さんだろうに、
(お茶目だけど)
太っ腹ですわ。
 
太っ腹というと、山根神楽団さんが広交の観光バスを貸し切ってやって来られてたのには心底感心しました。

広交に関してはイオンがお金を持っているんでしょうけど、観光バスで来るほどの人数がいるってことにですよ。

 

こちらは普段、益田方面の社中さんのネタですか?って仕様のオンボロバス移動を見ているので、余計そういう気持ちになったのでした。

 

こういうの見ちゃうと、広島市だけでも島根県の人口より多いって現実が、そのままパイの多寡に直結していて、かつ潤沢な資金源になっているんだなというのが実感として理解されるんですよ。

 

そしてあれ、元々十二神祇舞を保持していても高田舞新舞に乗り換えてしまう気持ちもよくわかりますわ。

今は、大八車で村々を回る時代じゃなくて、自動車であっという間に遠距離移動出来る時代。

神楽団体を招聘しようと思えば、150km先からでも簡単に呼ぶことができる時代ですよ。

 

そういう現代において、神楽団体が広島で活動する限り、派手で自由自在な高田舞新舞勢とのシェア争いに参戦しなきゃならないのはしんどいだろうなあと思うんですよ。

 

ちょっと考えただけでも、劇的でストーリーがわかりやすくて、演出も派手な舞である高田新舞を見た子供たちは「ああいう舞がしたい」というでしょうし、そういう声を聞いたり、実際新舞団体に子供が行ってしまったのを見て大人の心が折れてしまいそうになったり、実際折れてしまうというのは、ホントよくわかります。

 

山根神楽団さんの、ここに来ての団員募集発言も、旧舞の窮状と地元の超高齢化と過疎化限界集落化ってバックがあるんだというのも想像できます。

 

それ考えると、十二神祇舞にありながら、スピードとか高さとかアクロバット的要素を強調されている阿刀神楽団さんの方向性ってのもそうしないとシェア取られちゃうって

ホント思うんですよねえ。


よくわかります。

あそこで戦ってるから、あの錬度なんだって。

 

 

そして、数年前まではまだ聞いてたんですけど、最近はもう、高田新舞系方面は、石見神楽系の広島神楽って仰いませんものね。


高田舞でも阿須那系の神楽というルーツじゃなくて「梶矢手」って称してる団体もあるじゃないですか。

それについて物申しているのは、その称されている梶矢神楽団さんだけでしょ?

 

まあ、今、阿須那系であっても、江の川沿いの島根県の団体は化粧で舞う広島の高田舞を逆輸入してますから、そう言っちゃっても問題ないって判断なんでしょうねえ。

俺ら石見からはもう離れたんだ、広島の神楽なんだって話で押す戦略なんだろうなって思ってます。

 

観光協会方面も、広島や世界の宮島にやってきた内外の観光客を広島県内に囲い込むのがミッション。

石見まで行かなくても、端正な神楽も、素朴な神楽も、そしてスペクタクルな神楽もここ広島で見られますよ!

って言える。

広島市の街中公演で見たら、次はそれぞれの地元に行ってみて下さいねって、そういうことなんですよ。


 

石見の人々はのんびりしているので、広島に経済戦争を仕掛けられているってのを全然理解できていないんですよねえ。

 

そればかりか、広島に追従すればおこぼれが貰える位の意識で、自分ところの舞を変えていく団体もどんどん出てくる訳

他所が成功(ばんばん公演の招聘かかって、若い子もどんどん入ってくるので人員潤沢で上手い子同士を競わせることすらできて、練習もガッツリできて、裏方にも事欠かないとか)してるからって

 

ほらね。

 

 

まあ、ここでそれを言ってもね。

ワタクシはほとんど滅びかけているトコロでやってるもんだから、吼えるだけで何にもならないんですけどね。

 

何せこちら、バックが高齢化著しい限界集落で、祭り本体すら満足に出せなくなっているような状態。

 

営業というと、元々、現在同じ行政区になっている益田市には交通事情から元々足がかりがない。

そして、人が少ないため大蛇が出せないので元々のシマの吉賀方面にも出て行けなくなってしまった。

 

人が少なくて手をこまねいているうちに、元々のシマでは広島の団体や石見海岸方面の生きのいい団体を招聘するようになったので、これから大蛇を出せるようになっても、もう呼んで貰えるかどうか。


華やかな、競演大会でいい成績が取れる、大ホールで開催される大会に呼んで見栄えがするきちんと整った神楽がいいという価値観が出来ちゃったところに、これから一間四方の天蓋の下で舞う三葛神楽の営業をかけるのは難しいだろうなというのが本音。

 

いやもう、百戦錬磨の広島方面に出て来られたら、太刀打ちできませんよね。

あちらさん、練習量も人数も資金源も違う。多分、情熱の熱量も違う。

神楽好きの皆さんがいいって仰るのもよくわかるんです。

 

舞う側だって、誰もが「どうせ自分がやるなら、注目度の高い、出番の多い、洗練された、驚かしのある、流行の舞がやりたい」って思うだろうから。

泥舟よりも大船に乗りたいと思うだろうし。

若い子は特にそうでしょう。

 

勝てるところは、広島方面は出演料をダンピングしないので資金力の乏しい地区は呼べないところ。


あと、こちらは儀式舞がきっちり舞えるところかな。

神事としての神楽が勤められるところ。


じゃあ、神迎え出してって言われたら、4人舞はあるけど厳しいって言わざるを得ない←柴清目頑張ろうよ!

鐘馗は面がふよふよになっている←あれ何とかしなきゃ

 

 

こちら、やっと人が何とかどうにかって状況にあって、大蛇2頭やり繰りするのに八調子経験者の若い衆と定年越えた人がタッグを組まなきゃならないという状況の団体が、広島呼んじゃえる地区に出て行って大丈夫な訳がない。

客観的に見てそう。

 

そう、こちらはこちらで、色々解決していかなければならない問題もあるんですけど。

でも、戦わないと滅びてしまうんですよ。

 

 

ワタクシがアホウ呼ばわりされるのもよくわかります。

まあ、ワタクシはいいんだ、アホウだから。

 

 

楽しかったけど、神楽の草刈場になっている地元で、考えるとちょっと辛くなってしまった、イオン小野田での神楽鑑賞でした。


今度は、益田の団体も呼んでください、イオンさん。