1級フードアナリストの、吉崎あいです。


「東のアンコウ 西のフグ」と並び称されるほど味に評判があり、
茨城県を代表する冬の味覚、あんこう鍋。

その元となった郷土料理、あんこうのどぶ汁鍋を食べてきました!

あんこうのシーズンは11月~3月で、
特に美味しいものが楽しめる時期は、
12月~2月頃の肝が肥大する頃と言われているので、まさに旬の鍋です!


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今回どぶ汁をいただいたお店は、
茨城県の大洗駅からタクシーで5分程のところにある、味ごよみ宮田さん。

和の風情ある佇まいです。


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私が案内されたテーブル席のほうは、
和食器が飾られていたりと、
お家へ遊びに行ったかのような、可愛らしく落ち着ける空間。


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今回いただいた地酒は、
「郷乃誉(さとのほまれ)」純米大吟醸です。

メロンのような優しくかおる吟醸香、
そして口当たりなめらかで、ほんのりとお米の旨みが味わえる、丸みのあるお味。


お通しは、大洗で漁れたバイ貝です。

写真だとわかりにくいかもしれませんが、
お通しでこの大きさのバイ貝は贅沢!


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こちらは、あん肝焼き。
あん肝の入った酢味噌かポン酢味噌をつけていただきます。

焼き方にこだわりがあるようで、しっとりぷりぷりな食感。。

脂っこさはなく、あっさりとした旨みが感じられます。


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そしてメインの、あんこうのどぶ汁鍋!

あんこうは10kg以上の大きいもののほうが、本来の旨みや食感が楽しめるのですが、
今回使用されたあんこうは、12~13kgと大きめのものです!


まず先にお店の方が、叩いたあん肝をフライパンで炒めてくれます。


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本来のどぶ汁は、あんこうからでる水分で調理しますが、
あんこうは鱗のない深海魚なのでとてもぬめりがあり、
そのぬめりが臭みやあくにつながります。

そのため味ごよみ宮田さんでは、
臭みやあくを取り除き、炒めたあん肝を入れることによって、
どぶ汁の濃厚さはそのままに楽しめるよう作られているのです。


こちらは調理前の鍋の写真。

具は旬の野菜と、あんこうの肝・ひれ・卵巣・身・胃袋・えら・皮、
この7つの部位を入れるため、
「7つ道具」と呼ばれています。


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そして先に炒めたあん肝を入れ、
調理されたどぶ汁鍋はこちらです。

「どぶ汁」の名前の由来は諸説ありますが、
汁がどぶの色のように濁ることと、
先に書いたように、元のどぶ汁は臭みがあったため、
その色と臭みから「どぶ汁」と呼ばれていたという説があるとうかがいました。


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いただいてみると、
濃厚なのでそれぞれの具にしっかりと旨みが染み込んでいます!!

そして7つ道具の様々な食感があるので、
飽きることなく楽しめます。

私が特に気に入ったのは、皮と肝!

皮はプリプリだけれど柔らかく、独特な食感!
肝はしっとりと滑らかな舌触り。。

また、どぶ汁には「あら」も入っているのですが、
そのあらに付いている部分もとってもぷるっぷるなゼラチン質で美味!

あんこうはこのゼラチン質も豊富なので、あらも入れるそうです!


そして最後は、この旨みたっぷり濃厚な汁に卵とご飯を加え、
おじやにしていただきました。


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恐らくあんこうの見た目から、食べることを躊躇している方もいるかと思いますが、
ぜひ食べていただきたいと思う郷土料理です!

特に日本酒好きの方は、
濃厚などぶ汁はお酒が進むので、
大満足の宴になることかと思います!笑



【味ごよみ 宮田】

茨城県東茨城郡大洗町大貫町256-488

029-267-0045