またまた放置でした(汗)
リペアEです。
今回はちょいと珍しい楽器の紹介です。
国産のアルトサックスの先駆け
「TANABE GRACE」
(タナベグレース)
この楽器は、田辺管楽器製作所という1896年(明治29年)に
創設されたとっても歴史のあるアルトサックスです。
残念ながら1955年(昭和30年)にメーカーは無くなっておりますが
一説では「国産サックスを初めて作った」メーカーとも・・
今回持ち込まれた個体は、ビンテージによくある
低音側のキーが反対側にレイアウトされている個体では無く
通常の個体でした。もしかしたらモデル後期かも知れません。
「祖父が昔使用していたアルトサックスを孫が吹きたい」
との事で、今回かなーりお疲れの状態から目を覚まして頂きました。
長年グッスリお休みになられていたので
それなりに・・・なかなか・・・でした
殆どのタンポは紛失(全て交換するから良いのですが)
コルクもカッチカチ、キーは曲がりまくり、固着しまくり
スムーズに分解も出来ず
ローラーの中も真っ赤でした
変形しているキーが多いので、位置や角度を確かめて
正常な位置に戻してから作業は進みます。
そうして、少しづつ元気になってきました。
元気になりました~
仮に最終モデル(1955年製) だとしても66歳!
大・大・大先輩です!
現代の楽器と比較するとネックがとっても短いので
いつもの間隔で現代のマウスピースを入れると言う事聞いてくれません
かなーり抜いた状態で吹かないと(汗)
それにしても・・・
世代を超えた楽器、音が蘇るって夢があるなぁと感動したリペアEでした。