渡辺よしてる です。

また細川内閣のお話です。



細川総理はイメージ作りに気を配っていました。

内閣が発足すると新閣僚の記念撮影をします。

よく階段で写真を撮っているのを思い出しませんか?

しかし、細川内閣は総理官邸の芝生の上で、樹木をバックに行いました。

初めての記者会見も官邸の廊下を歩かずに外に出て会見場に向かいました。

なぜか?

斜めからカメラで撮影される際は、いつも左の横顔が写るように仕向けていました。官邸の廊下を通っていくと、記者会見場に入るときにに右の横顔が撮られることになるんです。なので、左の横顔が撮影されるように、屋外から入ったんです。

他にも会議やパーティーなど、自分の場所とカメラマンの位置を計算して左の横顔が写るように工夫をしていたんです。

さらに、細川総理はプロンプターを記者会見で使いました。

プロンプターとは、作ってある原稿を透明のパネルに映し出す装置です。

アメリカの大統領などが使用しています。


パネルはマジックミラーの様になっていて、話している側には見えますが、反対側の人には見えません。

このプロンプターを使うと、手元の原稿を見る必要がないので、聴衆やテレビの向こうの視聴者には、総理が真正面を向いて自分たちに語り掛けている印象を持つことができるのです。

アメリカでは演説などごく普通に使われている道具ですが、日本の政治に初めて持ち込んだのは細川総理でした。


こんな新しいことに取り組んだ総理でしたが、佐川急便からの資金問題で、1994年4月に、総理を辞任します。わずか8か月でした。



ではこの辺で。


渡辺よしてる