戦国漫遊記です。
歴史バカの長谷川が行った、お城や古戦場などをご紹介します。
今回ご紹介するのは、『館山(たてやま)城』です!
(小さく写り込んでいます)
館山と言えば、
出身地などは関係なく、ただ同じ名前ということで、
ヤクルトの館山投手が、「館山市スポーツ大使」を務めていることでおなじみ、
というわけでもないのですが、
歴史的に言うと、”里見”さんという戦国武将でおなじみです。
何となく聞いたことがあるのではないかと思いますが、
「南総里見八犬伝(なんそうさとみはっけんでん)」という物語の舞台は、
ここ館山なんです。
そういうこともあって、
お城の模擬天守は八犬伝の博物館になっています。
(入口付近に、八犬伝のあらすじ)
「八犬伝 知っていはいるが よく知らない」とはよく言ったもの、
ではないのですが、八犬伝のこと、よく知らないと思います。
何でも、江戸時代に大ヒットした小説でして、
作者の滝沢馬琴が全98巻、106冊を28年の歳月をかけて書き上げたそうです。
すごい・・・!
後半書いている時、前半忘れてしまいそうだ・・・。
【1分でわかる八犬伝】
里見さん、家臣に裏切られる。
↓
その家臣を討つ。そして、その妻”玉梓(たまずさ)”を助けようかと思ったが心変わりして殺してしまう。
↓
玉梓の遺言「里見家を呪ってやる・・・」
↓
時は過ぎ、館山に敵が攻めてきた。
↓
敗北寸前の里見さんは自分の飼い犬に「敵の首をとったら娘をやるのになぁ・・・」とつぶやく。
↓
すると、犬が敵の首を取ってきた!
↓
約束通り、里見さん、娘を犬に連れて行かれてしまった・・・。
↓
何と、その犬は玉梓の呪いの化身だったのだ!
↓
里見さんの家臣は、姫を取り返しに行き、犬に向かって発砲。
↓
見事犬に命中!そして、姫にも命中!
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何とか命をつないだ姫だったが、犬との体の関係を疑われた姫は、懐妊していないことを証明するために切腹。
↓
その時、八個の玉が空高く飛んで行き散らばった。
↓
家臣は、里見家を救うという八個の玉を持つ”八犬士(はっけんし)”を探しに行くのであった・・・
1分じゃ無理でした。
許して。
とにかく、そういった物語のモデルとなった館山城なんですが、
意外に意外、なかなか小高い丘の上に位置します。
何で意外かっていうと、
里見さんは水軍を得意としていた武将なので、
もう少し水辺に出やすいようなお城かな、と思ってたんですよね。
城全体が公園として整備されているのですが、
なかなかの坂道が続きまして、
頂上に着いた時は、
登る前に麓から天守を眺め、
「八犬伝の舞台となった館山城を、発見でん!」と、
言っていた人とは別の人格になっていました。
そんな疲れ果てた別人格には、素敵な景色が待っていました。
良い景色ですねー。
この眺めだったら、しっかりと海を見張れますね。
ここまで来て、納得の水軍の城でした。
館山は、東京湾の入口に位置しまして、
貿易や戦略の重要な拠点だったため、
里見さんは、豊臣秀吉や徳川家康に目をつけらて、大変だったんです。
結局、江戸幕府の汚職事件に関係したと言いがかりをつけられて、
里見さんは、伯耆国倉吉(現在の鳥取県倉吉市)に飛ばされて、
その後すぐに改易(クビ)になっているんですよね。
クビになる原因は、
殿様が亡くなった時にお世継ぎがいなかったかららしいんですが、
その時に、殿様の後を追って、殉死をした名も無き家臣たちがいたそうです。
その家臣たちのお墓が館山城の敷地内にあります。
その数、8人・・・。
そして、8人の戒名(かいみょう)には、
すべて「賢」という字が含まれているんです・・・!
館山の人々はこの8人を、「八賢士(はっけんし)」と呼び、
八犬伝の主要キャラである、「八犬士」のモデルとなったそうです!
歴史のおもしろさ、ここに発見!
ははは。
またね。