戦国瓦版です。


あかいらか長谷川が、

戦国時代を始めとした歴史小説をご紹介します。


今回ご紹介するのは、

地元熊谷の作家、森村誠一さんが書いたこちらの歴史小説。

平家物語〈第1巻〉 (小学館文庫)
平家物語〈第1巻〉 (小学館文庫)森村 誠一

小学館 2000-09
売り上げランキング : 504852


Amazonで詳しく見る
by G-Tools

1冊1000ページ、全3巻の超長編小説です。


いくら歴史好きとは言え、

重厚濃厚な歴史小説でございます。


第1巻は、

白河上皇の院政から、平清盛の全盛期までで、

時代で言うと、11世紀末から、12世紀後半までです。


2巻に入ると、

以仁王(もちひとおう)の挙兵など、源氏が反旗を翻していくので、

ざっくり言うと、

平家がトップに登りつめて、とことん驕っていくまでの物語です。


始めの方に、

天皇家と平家と源氏の略図があるのですが、

それを取り巻く藤原氏がやたらめったら出てきまして、

とりあえず、脳内大混乱を起こします。


単純に藤原氏と言っても、

本家や分家など様々出てきて、もうひっちゃかめっちゃかです。


読みつつ、メモ魔になることをオススメします。


終始二局に分かれて対立するので、相関図的なものを作ると良いと思います。


とにかく、たくさんの登場人物が物語を盛り上げます。


その中で、平清盛が勢力を拡大していくわけですが、

僕がこの小説で好きなのは、

誰か一人が歴史を作っていったというわけでなく、

いろんな人が絡み合って、結局こんなんになっちゃいました、

という少し冷めたというか、とても客観的な視点で描かれている点です。


巨人よりロッテの戦い方が好きなのと同じです。


たまたま清盛が4番になりましたよ、というような印象なんですよね。


院政→保元の乱→平治の乱→鹿ケ谷の陰謀→治承三年の政変

と、怒涛のような出来事が続くのですが、

一人の人物の視点からだけでなく、あらゆる人物の視点から描かれているのですが、

あっという間の出来事に感じます。


ある人物が権力を持って、

それに不満を持ったある人物が次に権力を持って、

さらにそれに不満を持ったある人物が権力を持って、

まったく懲りないですよ、人間は。


自分も現代社会のその一角を担っているにも関わらず、

自分がまるで神になったかのように、

栄枯盛衰を客観的に笑ってしまいます。


だから歴史は繰り返すんでしょうね。


「藤原信頼、バカだな~w」とか思いながら、

自分もそんなことやってるんでしょうね。


1000年も前の出来事に共感できる部分が、また面白いところですよ。


「歴史上の人物はスゴイ人!」と学校で教えられますが、

スゴイと全く共感ができないんですよね。


共感できないということは、参考にしようがないんですよね。


「院政を行った後白河天皇は源平勢力を巧みに操り、朝廷の権力を維持した。」

よりも、

「後白河天皇は大好きな歌(今様)を歌いすぎて、喉を3度つぶしたことがある。オールもしたかもね」

の方が、やっぱり共感できて興味が湧きますもんね。


そういった、どこか共感する箇所が見られるところが、

この小説の面白みだと思います。


現在、2巻を熟読中です。


源氏が平家に噛み付こうとしております。


何で勝者って驕っちゃうんでしょうね。


平家も、重盛が生きてたら少しは結果が変わったのかしら。


よし、読むぞ!





またね。