戦国瓦版です。


あかいらか長谷川が、

戦国時代を始めとした歴史小説をご紹介します。


今回紹介する小説はこちら。

黒谷夜話 (JP文庫)
黒谷夜話 (JP文庫)中里介山 浄土宗

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ずいぶんと前に書かれた小説のようです。


大正13年のものと書いてありました。


大正13年というと、1924年ですね。


ラジオ放送開始、治安維持法公布の前年ですね。


受験の時、覚えさせられましたね、この二つ。


とにかく、ずいぶんと前の作品です。


普通の本屋には置いてないのですが、わざわざ取り寄せました。


なぜかと言えば、

主人公が熊谷次郎直実だからです。


地元熊谷市の英雄で、駅前には直実の銅像が建っています。


地元の偉人を知らないというのは、恥ずかしいことだな、

と最近ぼくの中で勝手に思うようになって、

それで少し勉強しようと思ったのです。


直実は、

”人間50年~♪”でお馴染みの、幸若舞「敦盛」のモデルとなった、

平敦盛を討ち取った人物として有名です。


息子と同じほど若い、敦盛を討ち取った後、

虚しさや儚さに苛まれ、法然の開いた浄土宗に傾倒していきます。


そして、さまざまなお寺を開いたそうです。


この小説は、坂東武者直実ではなく、

源平合戦後の出家を志した直実が描かれています。


途中から、天野四郎や楽光房などの人物が出てくるのですが、

直実に絡んできそうで、全然絡んでこなくて、

そして、そのまま最後までいってしまうので、ちょっとよくわからなかったです。


最後、ぐちゃっと終わってしまいました。


黒谷の上人こと、法然上人とも、

ぐわっと、直実は絡んでなかったようにも思いました。


この小説の好きなところは、

渡る世間ばりに、いやそれ以上に、台詞が長いことです。


ある人物の台詞は、2ページにも渡っていました。


寡黙な直実みたいな設定だったのに、

いつの間にか直実が300文字くらいしゃべってる時もありました。


映像で撮るとしたら、

話している二人と、その周りの風景を色々切り取って撮れそうです。


話を聞いている人が、どんな反応なのか気になって仕方がありませんでした。


さて、

この小説は、浄土宗の教えを基に描かれた小説のようですから、

その知識があれば、もっと踏み込んだところまで読めるのかもしれませんね。


もうちょっと違うのもの読みたいなと、

ネットで直実の書籍を調べていたら、

もう一つ小説を見つけて、早速取り寄せました。


そちらも、楽しみです。






またね。

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