お送りします。


あかいらか長谷川が、

戦国時代を描いた小説を、

紹介する企画です。


最近、

スピーディーに読むことができて、

気持ちが良いです。


さてそれは良いとして、

今日紹介するのはこちらです。

国盗り物語〈第3巻〉織田信長〈前編〉 (新潮文庫)
国盗り物語〈第3巻〉織田信長〈前編〉 (新潮文庫)司馬 遼太郎

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先日紹介した1,2巻は、

主人公が斎藤道三ですが、

3,4巻の主人公は、

織田信長ということになっています。


しかし、

司馬さんもこの巻の後半で、

やや自虐的?に触れていますが、

3巻の主人公は、

ほとんど明智光秀です。


「あれ、おれ信長のこと書いてないね。」

みたいに触れている箇所の、

司馬さんがかわいいです。


まあでも、

明智光秀が主人公だからといって、

物語の筋が逸れているわけではありません。


斎藤道三が描いた理想を、

婿の織田信長と甥の明智光秀が、

現実にしていくというのが、

この小説の肝だからです。


こういう仕組みを、

歴史小説の中に入れると、

わざとらしさが妙に浮かび上がってきて、

ムズムズすることがほとんどなのですが、

司馬さんのものは、

ムズムズするような非現実的な要素が少ないので、

スッと消化できます。


場面は、

信長と濃姫の婚約から、

信長による美濃制圧までが、

描かれています。


年号で言えば、

1548年(天文17年)から、

1567年(永禄10年)までです。


この間信長は、

濃姫と結婚し、尾張を統一し、

桶狭間の戦いで今川義元を討ち、

美濃を制圧するのですが、

そういったことよりも、

明智光秀の流浪の旅が、

細かく描かれています。


光秀の主君である斎藤道三が、

道三自身の息子である、

一色(斎藤)義竜によって殺されると、

光秀は城を捨て流浪の旅へ出ます。


そして、

ひょんなことから、

実力を喪失した室町幕府の、

再興に携わることになります。


そういった、

細かく史料に残ってない、

光秀の浪人時代が大半を占めています。


個人的に、

判官贔屓のせいか、

織田信長より明智光秀の方が好きです。


どこか涼しい風の吹く武将が好きです。


江戸時代の伝記のせいなのか、

明智光秀は奸臣の代表として固定化され、

良いイメージは持たれていないことが多いですが、

その出世の仕方といったら、

秀吉に劣らないほどの登り竜です。


ぼくに歴史小説を書く力があるとしたら、

主人公として描きたい武将のうちの一人です。


本能寺の変の黒幕は、

光秀でなくあの武将で、

ハートウォーミング寄りの、

バッドエンドで終わらせたいです。


まあきっと、

好きな武将って、

自分が演じてみたい人物かもしれません。


4巻も楽しみです。





またね。


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