お送りします。
あかいらか長谷川が、
戦国時代を描いた小説を、
紹介する企画でございます。
読者の方からは、
無駄にパケット料金がかかると、
大好評です。
今回紹介する小説はこちら。
忍びの国 (新潮文庫) | |
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映画化される、
『のぼうの城』の著者、
和田竜さんの小説です。
場面は、
1579年天正伊賀の乱、
織田信雄vs伊賀忍者軍の、
大合戦です。
主人公は、
誰だったんでしょうか。
挙げるとしたら、
伊賀の忍者数人、
といったところでしょうか。
『のぼうの城』とは違って、
主人公という人は、
いなかったように思います。
売り出し方が、
織田信雄vs伊賀忍者衆、
だったので、
単純に、
多勢に無勢の中、
伊賀忍者が忍術を使って、
信雄軍を翻弄する、
みたいな展開を、
予想したのですが、
結構違いました。
一つの大きなテーマに、
伊賀忍者衆の心の動きが、
あったように思います。
てっきり、
伊賀忍者衆は、
一枚岩で戦うのだろうと、
勝手に思っていましたが、
そうはならない展開になっています。
同士討ち、裏切り、逃散などが、
描かれていて、
いい意味で違和感がありました。
また伊賀忍者衆の心の動きだけでなく、
織田信雄とその重臣たちの動きも、
しっかり描かれています。
個人的に、
信雄の描き方が好きでした。
ボンボン武将の苦悩の描き方が、
とても好きでした。
忍者を扱う小説だと、
非現実過ぎることが、
多々あるのですが、
この小説は、
そのリアリティを失わずに、
物語が展開されています。
クライマックスは、
もちろん天正伊賀の乱です。
とてもスリリングな展開に、
なっていくのですが、
ここら辺で気づき始めるかもしれません。
あれ、これ、のぼうの城と同じだな、と。
同じ人が書いているから、
同じ展開になるのは納得なのですが、
戦闘シーン描き方とかの、
戦闘での武将の心情とか関係性とか、
何かその似てるんですよね。
まあ、そりゃ似るか。
『のぼうの城』と同じように、
登場人物の一人一人が、
軽快に描かれています。
小説で描かれていることが、
頭の中で映像化されるようで、
読む人それぞれが、
この役はこの役者だなと、
演出家目線で読むことができる、
そんな小説です。
読んだ際には、
独自に配役をしてみると、
一層楽しめるかもしれません。
またね。
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