です。






あかいらか長谷川が、




戦国時代を描いた小説を、




紹介します。






小説を読み終えると、




やたらと次の小説を、




読みたくなります。






なので、




その勢いのまま、




1冊読み終えました。






今回紹介する小説はこちら。





まぼろしの城 (講談社文庫)まぼろしの城 (講談社文庫)
池波 正太郎

講談社 1983-01
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場面は、




戦国時代の沼田城。






現在の群馬県沼田市にあるお城です。






主人公は、




その沼田城主である、




沼田万鬼斎(ばんきさい)と、




その庶子沼田平八郎です。






万鬼斎は、




顕泰(あきやす)といい、




平八郎は、




景義(かげよし)といいます。






小説は、




沼田氏が主人公なのですが、




万鬼斎の側室である、




ゆのみと、




ゆのみの父親である、




金子新左衛門も、




キーパーソンとして盛り上げます。






万鬼斎は、




義父である新左衛門を、




側近として重宝するのですが、




野望強かな新左衛門は、




万鬼斎に様々な讒言をします。






その結果、




新左衛門にとって不必要な人物は、




粛清されることになりました。






当時、




万鬼斎は既に隠居し、




家督を平八郎でなく、




その兄である、




弥七郎朝憲(やしちろうとものり)に、




譲っていました。






それをおもしろく思わなかった新左衛門は、




万鬼斎に讒言し、




朝憲の重臣、




和田十兵衛光政を追放し、




さらに、




万鬼斎と謀って、




朝憲自身も暗殺してしまいます。






しかし、




求心力を失った万鬼斎は、




逆に家臣に追放され、




庶子景義とともに、




会津の葦名盛氏の下へ、




亡命することになりました。






主君を失った沼田城は、




その後、




上杉家、北条家、武田家の、




争奪の的となり、




武田家の重臣、




真田安房守昌幸の手に、




落ちることになりました。






ちなみに昌幸は、




真田幸村の父です。






会津で亡命の身になった景義ですが、




沼田城に戻ることを、




諦めてはいませんでした。






景義は盛氏の手添えで、




上野国金山城の、




由良国繁(ゆらくにしげ)の下に移りました。






金山城は、




群馬県太田市にあるお城です。






そこで景義は、




由良氏の力を借りて、




沼田城奪還を試みます。






相手は、




戦の鬼真田昌幸。






真っ向から立ち向かう、




猛将沼田景義。






この物語、




どんな結末が待っているのか。






いやはや、




とても良い小説でした。






読む前はてっきり、




沼田万鬼斎バンザイ小説、




かと思ったのですが、




全然そんなこともなく、




むしろその逆でした。






万鬼斎、




何やってんだという、




ぼくの大好きなパターンでした。






さらに、




物語の中心に、




金子新左衛門とゆのみを、




もってくるという、




何とも想像力を掻き立てられる展開に、




なっていました。






裏表紙には、




「沼田万鬼斎とその一族の凄絶な滅亡」と、




書いてあるのですが、




判官贔屓とは少し違うのですが、




負けた方を描く小説が、




ぼくは好きです。






しかも、




この小説の終わり方といったら、




もう最高です。






そこでそう終わるの感が、




逆に気持ちいいです。






ページ数は300ページに満たないですし、




内容も非常に読みやすいので、




比較的スムーズに読めると思います。






厩橋城(前橋城)とか名胡桃城とか、




薄根川とか川場村とか、




群馬用語がたくさん出てきます。






地元の方は、




是非読んでみてください。










またね。




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