「マザーグース」より

「わたしが子どもであったころ
 わたしは知恵をもっていた
 それはずいぶん前のこと
 それから毎日 日がすぎて
 だけどかしこくなりゃしない
 これからどんなに生きたとしても
 もし、死ぬ時になったとしても
 わたしはかしこくならないだろう
 長く生きれば生きるだけ
 わたしは馬鹿になっていく


 わたしが子どもであったころ
 わたしは知恵をもっていた
 むかしむかし子どもの日
 たくさんのこと知っていた
 それから毎日 日がすぎて
 それから毎晩 時がたち
 だけどかしこくなりゃしない
 たとえどんなに生きたとしても
 もし、死ぬ時になったとしても
 わたしはかしこくならないだろう
 長く生きれば生きるだけ
 時がすぎればすぎるだけ
 わたしは馬鹿になっていく 」


マザーグースの世界は、とてもおもしろい一面があります。
これをやっちゃいけないとか、あれをやっちゃいけないとか、
日本の絵本や童話では、大人が道徳観に導いていくお話

が多いのですが、マザーグースの世界では、時に子どもの

残酷な一面を見せてくれることがあります。

その代表例の一つが「誰がこまどりを殺したの?」という唄

です。
その他、人間をパイで包んで焼いたり、考えられないような

唄がありますが、それさえも、大人にはわからない、空想力

にとんだ子どもの不思議な世界を重視した結果で、その中

から道徳というものは、自分で失敗したり、考えたりしながら、

友だちの中で学んでいくものだという考え方です。