我が家のお墓は以前住んでいた家のすぐそばにあるのですが、そこに毎年ユキノシタが咲きます。


もう30年近く前ですが、かぜをひき鼻をかんだとき、耳の奥がキーンとして少しづつ痛みが増してきました。「ヤバい、中耳炎!!」

奥歯を力強く抑えると痛みが少し和らぐので「むし歯?」とちょっと心が揺らぎましたが、耳の奥が痛いので、やはり中耳炎だと思い直しました。初めて中耳炎になったのに中耳炎ってわかるものなのですね。


痛みで不安な中、ユキノシタが中耳炎に効くことを思い出しました。まだ夜で外は暗かったので、懐中電灯を持ってすぐ近くのお墓までユキノシタをとりに行きました。

顔を横に傾けて、葉をすりつぶした黒っぽい汁を耳の中に入れるのですが、一人でやっているものだからなかなかうまく入らず、頬に落ちたり目の方に来ようとしたり。やっと耳に入っても、痛い所に届かず途中で止まったり。悪戦苦闘したことばかり覚えていて、ユキノシタが効いたかどうか覚えていませんが、翌日耳鼻科に行きました。耳鼻科では何も言われませんでしたが、耳の中に異様に黒っぽいものがついていて、先生は驚いたでしょうね。


ユキノシタを見るとそんなことを思い出します。