身の程を知る、身の程(丈)をわきまえる・・・


人によると思いますが、私はこの種の言葉にあまりポジティブな印象を持っていませんでした。


「〇〇の分際で生意気な!」というような言葉に繋がるイメージといった感じでしょうか。。。


「自分の成長のためには実力以上の負荷をかけて自分を追い込むべし!」

というパワー系の人たちにとっては、ともすれば「自分の限界」というイメージにつながって消極的な言葉に聞こえることもあるようで、、、




いずれにしても、発展や拡大系ではなく委縮系のイメージを持っていたのですが・・・


そんな言葉のイメージが少し変わったのは、「レモンの木」がきっかけでした。






 

近年、家でいろいろな植物を育てているのですが、素人ながらも少しづつ経験を積んでいくうち、話に聞いていたとおりいろいろと欲が出てくるもので、


観葉植物からスタートして、そのうちに「食べられる実や野菜がなるもの」に手を出し始めます。




そのうちの一つが「レモン」でした。



どうしてレモンだったのかははっきりとは思い出せないのですが、、、


庭の彩の一つとして「黄色」が欲しかったのと、レモンは買うと量のわりにお値段がはるからたくさん実がなったらお得感あるし♬



というような理由だったと思います。特に強い思いや希望があったわけではなく、ノリだけで選んだ感じでした。

(そういえば、ちょうどそのころ同じ題名の曲も流行っていましたので、その影響もあったのかも・・・)






さてさて、とにもかくにもレモンを育てましょう!


と、意気揚々と園芸ショップに出向き、素人ながらも好みの枝ぶりの苗木を購入すべくあれこれ吟味して、庭の雰囲気にあわせた鉢と一緒に選び終わる頃・・・



ショップの店員さんにレモンの木の育て方についてお話を伺うことができました。


そこで衝撃の事実を知ることになります。(なんの知識もない上に、まったく下調べせずに来ていますので。)




 ・レモンは数年たたないと実がならない

 ・実がついたとしても初年度は数個しかならない





「え?・・・そんな時間がかかる上に・・・それっぽっちの実入り!?」




🍋今年の収穫時期にはワッサワッサと実がなって~

🍋おすそ分けとかしなくちゃいけなかったりして~





などと、勝手な想像と期待をしていたせっかちな私は、テンション急降下。



「レモンやめて他のにしようかな・・・」



と思った時、その店員さんが、




「レモンはたくさん花がついたとしても、自分の身体で支えられる分だけを残して他の実を自分で落としていくんです。

最初のうちは身体が細くて体力もないから。。。

 

みのほどをしるってやつですね。」



 「実」と「身」をかけてる・・・上手い!





と、連れて帰る予定のレモンの木をガッチリ両手に抱えながら、もはや引っ込みがつかなかったのもありますが、


その言葉に感銘を受けたこともあって、その年から我が家でレモンを育てることにあいなりました。





時間、かかりました。



毎年、今年も実がならないんだぁ・・・と、あきらめかけていたころ、昨年の晩秋にようやく初めて実をつけてくれました。



育て始めてから5年近い年月が流れていました。




たった3つ・・・でしたが、中身のギッシリ詰まった立派な実たち。



小さな実をつけはじめてから収穫までの間にどんどん大きく成長していくわけですが、日ごとに重量が増していくので、枝がしなって折れてしまうんじゃないかという勢いです。


 

この枝じゃ細すぎない?

支えきれなくて収穫の前に落ちちゃうんじゃないの?



と、見るたびに心配になりました。




けれど、その後も襲い来る大雨や強風、寒波にも負けず、3つともしっかり最後まで細い枝にぶら下がっていてくれました🍋




ゆっくりとではあるけれど、着実に成長してくれた我が家のレモン殿は、


自らの力量を・・・まさに実のほどをちゃんとご存じだったのです。



本当に嬉しくて嬉しくて、大事に大事にいただきました。






身の程を知る・・・

 

自分を大きく見せかけたり、虚勢をはったりせずに、己の力量を正しく把握する。


それは、自分を認めること、ひいては他人を認めることにも繋がるのだと。


委縮系だった言葉のイメージがレモンをきっかけに少し変わりました。



成長のための負荷をかけるにしても今の自らの力量を正しく把握していなければ、見当違いな方向にいきかねません。。





我が家のレモン殿


今年はどんな実をつけてくださるのか(くださらないのか?)


楽しみですドキドキ