タイトル Mr. クロケット

公開年

2024年

監督

ブランドン・エスピー

脚本

ブランドン・エスピー

制作国

アメリカ

 

出演者

サマー(ジェリカ・ヒントン)子供をクロケットに連れ去られた母親

ミスター・クロケット(エルヴィス・ノラスコ)70年代の子供番組の司会者だが、子供を誘拐した事で警官に殺される

ロンダ(クリストリン・ロイド)彼女も我が子をクロケットに誘拐される。

エディ(アレックス・アロマー・アクポボーム)娘が誘拐されサマーに協力を申し出る

メジャー(エイデン・ギャビン)サマーの息子

ダレン(ジャバリ・ストリブリン)ロンダの息子

本作は最近Fire TV Stickの画面でお勧めにやたら表示されるので、Disney+に再加入したこともあアリ見て見る事にしたもの。事前に一応調べてみると劇場公開されるのではなく、Huluで配信されるホラー映画。Huluのハロウィーンラインナップの一つとして制作されたが、日本ではDisney+やApple.tv等で見る事が出来るというものらしい。プロデューサーのウォーゼン・ブルックスは、2022年の短編映画からインスパイアされ長編化した。この映画は、2024年9月26日にファンタスティック・フェストで初公開された。

日本版のwikiはもちろん英語版のwikiすらないし、映画comにも情報が無いためかなり手探り状態で見たのだが、感想を書くのもそんな状況なのでほぼ情報が無い。従って間違った情報を書いている可能性もあるので、ご容赦いただきたい。

物語のヴィランとなるクロケットは、テレビ画面から現れて子供を誘拐し、その親を殺害して、その子を自分の世界に連れ去るという、まるで「リング」の貞子と「エルム街の悪夢」のフレディを足したようなキャラ。ただし殺す親は毒親というのがミソ。

なおRotten Tomatoesでは批評家は65%。観客は58%。配信されたばかりという事もありレビュー数は少ないが、私の予想ではこの程度で落ち着きそうな気がする。まあ、格別面白くもないが、かといって絶望的につまらなくもないといった感じだ。

映画は90年代のアメリカ。ロンダの家でDV気味の粗暴な夫は、義理の息子ダレンが野菜を食べないのが気に入らず怒鳴りつけるが、そこにダレンが見ていたビデオの番組司会者Mr.クロケットが出現し、義父を惨殺してダレンを連れ去る場面から始まる。90年代にしたのはビデオが使いたかったのだろう。そういえば「リング」もビデオから動画配信になって怖さが無くなった気がするし、あのごついVHSはデッキに挿入するときの動きや音から、妙なおどろおどろしさがある。

舞台は夫を亡くしたばかりのサマーの家に移る。息子で8歳のメジャーは反抗的で、父の葬儀中もずっとゲームをしているが、父を嫌っていたわけでもない様でその後家では、父の事を偲ぶようなセリフもある。なお、葬儀中にロンダが現れ「あいつについて行っては駄目」と警告するお約束展開をはさみ、とにかく反抗期真っ盛りで手を焼くサマーの元にミスター・クロケットの世界」というVHSビデオが到着する。するとビデオにドはまりしておとなしくなるメジャーで、サマーはやれやれと胸をなでおろすが、今度はビデオにはまりすぎてしまい、見る事を禁止する。するとメジャーは怒り狂い、父親の写真や遺品をぶち壊す。それを見たサマーは「あんたの母親を辞める」と、ついつい言ってしまった。するとその夜、テレビが勝手についてあのクロケットのビデオを再生しはじめ、何度消しても繰り返すのでサマーはテレビを壊してしまう。いやその前に、ビデオデッキのコードを抜こうよ。しかし壊れたテレビの中からクロケットが出現し、メジャーを連れ去ってしまうのだった。

なんとしてもメジャーを連れ戻ろうと活動するサマーのもとに、かつて娘が誘拐され取り戻そうとしているエディが接近してくる。彼の情報からロンダが何か掴んでいると踏み、彼女の家に行くが、果たして彼女はクロケットと感応することができ、彼がこちらに来ている時はその場所を知る事が出来た。3人はその場所に行くが、既に父親は殺され子供は連れ去られていたが、サマーとエディがクロケットの世界に行くことが出来た。そこでサマーはメジャーに合う事が出来たが、意外な事実を知ることになる。

最初に書いたとおり、呪いのビデオとテレビから出現するところは「リング」と同じだし、異世界に連れ込まれるところやクロケットのキャラクターは「エルム街の悪夢」そっくり。ただ、フレディ程の残酷さはないし、この世に呪いを残す程の執着も感じないという、なんとも中途半端なキャラクター。一応子供を虐待する親を成敗して、永遠に遊べる世界に連れ猿だけで、別に辛い思いをさせることなくただ遊ばせておくだけなので、その意味ではダーク・ヒーローなのだが、主人公のサマーに関しては言葉の弾み。あれで毒親認定なら世は毒親だらけになるから、彼の基準の幅が大きすぎる。演じているエルヴィス・ノラスコにより、それなりにキャラに魅力が出来ているが、何かチート級の能力がある訳でなく薄っぺらさも同時に出てしまっている。本作はすべてこのMr.クロケットの魅力にかかっている割には、設定が少々ガバ。

ただクロケットの世界に行ってからの、80年代ホラーを思わせるチープなクリーチャーや、原色きつめのセットなどはホラーマニアには刺さるかもしれないし、Disney+にしてはゴアシーンも結構頑張っている。ハロウィンの森にカップルや仲間たちワイワイと突っ込みながら見るには適当な映画だと思う。