タイトル REC/レック

公開年

2007年

監督

ジャウマ・バラゲロ パコ・プラサ

脚本

ジャウマ・バラゲロ パコ・プラサルイス・A・ベルデホ

主演

マヌエラ・ベラスコ

制作国

スペイン

 

本作は、全編ビデオカメラを用いた主観撮影にPVO方式で撮影された。所謂モキュメンタリーで、アイデアと巧みな撮影で本国スペインでは大ヒット。その後世界中でもヒットを記録した。

本作は世界中で大ヒットし、その後正式な続編4本と、アメリカでのリメイク2本が作られる事になる。

まず、テレビレポーターのアンヘラが、夜勤の消防士に密着取材をしているところから始まる。そうした中、突然の出動のベルが鳴り響きアンヘラ達も消防車に乗り込んで密着取材に。退屈していたアンヘラ達は大喜び。

現場に到着した一行は、先に到着していた警官とともに問題の部屋へ向かう。そこには1人の血塗れの老婆が立ちすくんでいたが、突然警官に襲い掛かる。警官は重傷を負い一同は急いで1階に避難して、警官の応急処置をする。外に出ようとするが、いつの間にかアパートは保健当局によって封鎖され、強制的に隔離されてしまう。そうした中、係官が一人中に入り指示を出すが、ケガ人が急に起き上がり人々に襲い掛かり、アパート内は阿鼻叫喚の地獄絵図と化していく。というのが大まか粗筋。

本作は感染を題材にしているが、「バイオハザード」のように単なるウイルスではなく、悪魔憑きの原因生物由来の感染症として描かれている。その為、続編では研究及び対処には政府ばかりでなく、教皇庁が深く関わっているように描かれる事になるが、この辺りがカトリックが多いスペインらしいと言える。その意味では、ゾンビとエクソシストの結合体と言える。

2年後に作られた第2作目の「REC/レック2」では、特殊部隊と一緒にアパートに侵入したオーウェン博士が実は神父であるという展開になっている。教皇庁が悪魔に取り憑かれた少女トリスターナ・メデイロスをアルベルダ神父に預け、あのアパートの5Fにある、アンヘラが最後に立てこもった部屋で研究していたが、そこで何らかのアクシデントが発生して感染が外部に漏れたというのが一連の事件の真相。少女メデイロスは“悪魔”に感染しておりこの部隊とオーウェン神父の任務は、メデイロスの血液を回収すること。

回収した血液サンプルを元に政府と教皇庁は解毒剤を作る計画だった。と言うもの。

その後2012年に制作された「REC/レック3 ジェネシス」は、それまでと別系列の話で、アパートで惨劇が繰り広げられている同じころ、別の場所での結婚式の最中に感染した参加者が次々と襲い、結婚式が阿鼻叫喚と化すと言うもの。ホラー映画としては水準以上だが、シリーズとしてつながりはないので無理に見る必要はない。

2014年に制作された「REC/レック4 ワールドエンド」が、現在一番新しい映画となっている。

あのアパートの惨劇からアンヘラは救助され、大海原の船に救助に期待しグスマンとともに隔離されている。血液検査の結果、アンヘラは陽性だったのでシリーズのファンは混乱するが、これで終われば映画にならない。研究室で隔離中の感染した猿が脱走。コックを襲う。その後コックは、料理した猿を食卓に出し、次々と感染者が広がってしまう。

そんな中、アンヘラの体内に悪魔が潜んでいることが発覚し、アンヘラを縛ってむりやり摘出手術を試みるが、失敗してアンヘラは脱走してしまう。という内容。一応完結編として十分納得がいくが、それでも続編の余地は残している。ただ、時系列だとまだ1年たっていないが実際には7年も経過している事から、主演のマヌエラ・ベラスコの容貌はかなり変わっていて、お約束と割り切ればいいのだがさすがに難しい気がするが。

今回は「REC/レック」単品というよりも、シリーズを振り返る形でざっくりと書いてみた。このうちPOVは2作目までで、3作目は冒頭の20分余りがPOV.4作目はほぼすべて第3者視点で描かれている。またいわゆるハリウッドリメイクだが、「REC:レック/ザ・クアランティン」は第1作のほぼ完全なリメイク。第2作目の「REC:レック/ザ・クアランティン2 ターミナルの悲劇」は完全に独自路線で、普通のゾンビ映画となっているので、ご覧になる時は注意が必要だ。まあ、一定以上のレベルはクリアしているので、ホラー映画としては十分楽しめる。シリーズに挑戦するなら、1.2.4の順に見るのがいいと思う。そして余裕があるのなら3とハリウッド版に挑まれては如何だろうか。