タイトル AVN エイリアンVSニンジャ

公開年

2011年

監督

千葉誠治

脚本

千葉誠治

主演

三元雅芸

制作国

日本

 

本作は、織田信長による伊賀攻略、所謂「天正伊賀の乱」のさなか、伊賀の郷に不時着したUFOから出現したエイリアンと、伊賀の忍びとの戦いを、きつめのゴア描写で描いたアクション映画。一部には「コメディ映画」としている資料もあるが、本作はバカ映画ではあるがコメディ要素はあまりない。

海外をターゲットにしたレーベル「SUSHI TYPHOON」第1弾として製作され、アメリカでの公開とDVD等の発売を目指し、日本での劇場公開は当初、想定していなかったといわれる。また「SUSHI TYPHOON」は2012年以降新作を作っておらず、現在では日活の傘下となっている。

映画の冒頭はどこかの城に潜入した3人の伊賀の忍び、耶麻汰、陣内、ネズミの3人は、城内が手薄なのをいい事に天守閣を破壊。後を追ってきた警護の忍びを返り討ちにする。その帰りに光る物体が郷の近くに落下するのを目撃。翌日、下人頭の下知を受けた3人は、くのいちのりん等を交え物体の調査に向かう。

本来目立たない事が基本の忍者が、あんな目立つ格好する訳ないだろうという、突っ込みは置いておくとして、装束は戦隊ヒーローものっぽくて笑ってしまう。ただ、肘井ミカのスタイルの良さを強調した格好はgood。

現場に到着すると、そこには他の忍び達の死体(というより肉片)が散乱するという惨状。更に村を襲撃され、一人だけ生き残った少年によると、村人はみんな殺された様だ。

その時謎の刺客の襲撃を受け、一同は地面に引きずり込まれるとバラバラにされ殺される。姿を現した刺客。それは恐竜型のエイリアンだった。何とか脱出の成功した一同は、ネズミを餌にエイリアンにわなを仕掛け、倒すことに成功するかに見えたが、そこにもう1頭が出現。更に死んだと思ったものも生き返り一同を襲撃する。

激しい死闘の中、陣内が連れ去られ耶麻汰とりん、そして少年が救出に向かう。しかしそこにはエイリアンに操られる陣内たちが、3人に襲い掛かってくる。というのが大まかな粗筋。

最初から最後まで、エイリアンと忍者を戦わせる事に特化した、B級テイスト溢れるバカ映画で、それ以上でもそれ以下でもない。忍者の描写も海外向けを想定しているだけあって、あちらのコアなマニアに特化した描写。山中など郊外でのロケが中心で、かなり低予算でできている。一説によると60万ドルというので、1億円もかかっていないのは確実だろう。

本来ならそのぶっ飛んだ設定もあって、箸にも棒にもかからないとして忘れ去られる宿命だが、それじゃあつまらないかと言えばそんな事もなく、意外と面白く最後まで見る事が出来た。それもこれも最後までアクションに特化しているからだ。冒頭の追っ手の忍者を返り討ちにするところから、中盤のゴア描写満載の出血大サービスの戦い。そしてゾンビ忍者との戦いやラスボス戦まで、手変え品変えのアクションが繰り出され、飽きることなく最後まで見る事が出来る。

主演の三元雅芸はスタントマン出身だけに、ハードなアクションも吹替なしでこなし、高い身体能力を見せつけている。そしてヒロインの肘井ミカも意外な事にパワー系のアクションが中心。そしてアクションだけでなく、体にぴったりしたスーツを生かしセクシーさも堪能できる。いちいち決めポーズをするところなど、かなり笑えるし、中盤までは彼女を愛でる映画といっても過言ではない。ちなみに肘井は英語が得意な事を生かして、アメリカのアクション映画にも出演していて「ニンジャ」と、続編の「ニンジャ・アベンジャーズ」ではヒロインを演じている。いずれもB級アクション映画だが、かなり人気があるらしく彼女には英語版のwikiがある。

と、褒めておいてなんだが、どちらかと言えば、グロ寄りの戦隊ヒーロー映画といった感じで、まとも?な映画をご所望の方には決して向くものではない。特にお馬鹿で緩そうな雰囲気に惹かれて手を出したら、かなり凄惨なグロ描写にドン引きする事は確実。カッコいいイケメンとセクシーな美女がエイリアンと血しぶきが舞い、肉片が踊るような戦いを繰り広げる映画でも大丈夫というからは絶対に見るべき。