名探偵コナン ハロウィンの花嫁(2022年) 監督 満仲勧 声の出演 高山みなみ

佐藤刑事と高木刑事の結婚式が執り行われていたが、そこに暴漢が乱入。実はこれは訓練だったが、佐藤を守ろうとした高木がケガを負った事から、佐藤には松田刑事が殉職してしまった際に見えた死神のイメージが、高木に重なる。一方、同じころ、その連続爆破事件の犯人が脱獄。安室徹が、同期である松田を葬った因縁の相手でもある相手を追い詰めるが、そこへ突然現れた謎の人物によって首輪型の爆弾をつけられてしまう。安室と会ったコナンは、今は亡き警察学校時代の同期メンバー達と、正体不明の爆弾犯「プラーミャ」との間で起こった過去の事件の話を聞くが……。

ロシア人テロリストの話だけに、ロシアのウクライナ侵攻と公開の時期が重なったため、一時は危ぶまれたが無事に公開される運びとなった。
今回の特徴として所謂「警察学校組」と呼ばれる諸伏景光、松田陣平、伊達航、萩原研二ら降谷零の同期4人が物語の中心となっている。もう一つの特徴としてこれまでの様々な、ネタ回収が行われている。例えると「事件が多い米花町」「麻酔がきかないおっちゃん」「佐藤、高木両刑事の結婚」等。特に佐藤、高木刑事の結婚はさんざん予告編でも流れただけに確定と思われたが、実はネタだったというのは肩透かし。とはいえ、これからも二人のラブコメが見られるのは嬉しい限りだが、後が使えているだけに?そろそろ一組ぐらい片付いてもいいのではないか?
今回は佐藤刑事にスポットが当たり、かつオリジナルのメインキャラが二人とも女性だったせいか、ヒロインの蘭姉ちゃんと哀ちゃんの活躍は控えめ。おっちゃんが最初の方で、哀ちゃんを助けるため怪我をして入院することになり、そのおかげで蘭姉ちゃんは、後半はほぼ病院でおっちゃん御看病についていたから、コナンに重大なヒントを出すことになるシーンを除き、後半の出番はほぼなし。おかげでおなじみの「ら~~~ん」は今回なかった。そういえば今回は爆発も控えめだったなあ。廃ビルが一つ吹っ飛んだぐらいだったし…。
キャラが増えすぎたせいで、それぞれ見せ場を用意しなくてはいけないことから、構成が雑になっているし、渋谷の爆発回避方なんて無理がありすぎる。ただ「細かいことは気にするな」という精神で見れば見ごたえはあるし、今回出番少ないと思っていた安室さんが、最後の最後で人間やめてる活躍を見せてくれるのは、ファンにとってうれしいポイント。それにみんなの心が一つになる、一番いいところで「君がいれば」が久々に流れたことも含めて満足いく作りとなっている。やっぱり名曲だなあ。監督!時々でいいからこれからも流してください。
今回見えないところで一番活躍したのは風見裕也だと思う。だって、安室さんの命を救ったわけだし。なのに画面では全く描かれないのは、気の毒なところ。やはり公安は報われない仕事だな。