徳井はぎゅっと閉じた目を恐る恐る開けてみた。
体は痛くなかった。
どうやら助かったようだ。
目の前には村本がいた。
ふと真下に目をやると吉村が倒れていた。
「おい吉村!」
「いいから不良品なんて置いてどっかいけよ…いいから早くしろ…」
「お前は不良品じゃねぇから!むしろ良い製品だよ!いつも俺の相手してくれるし、ロボットなのに生身の人間と接してるみたいだった」
吉村の目から涙は出なかった。
代わりにうつむいた額から地面に何かの部品が1つ落ちた。
そんなことをしている間にまた村本が銃口を向けてくる。
立ち上がる吉村。
「もうやめろ村本!そんなに俺をロボットにしたいならしてくれ!吉村をこれ以上傷つけるな!」
徳井はただそう言うしかなかった。
「あら、自分よりロボットのほうが大事なの?馬鹿なんですね。」
…!
時が止まった。
おい…!なあ…!
聞いてんのかって…!
ねぇってば!
……………………………!
ねえ吉村…っ!