海に来た。
相変わらずハイテンションな吉村を横目に徳井は1人テントの中。
「うわー、冷たー!ねぇ徳ちゃん!こっちおいでよ!」
「暑いから嫌」
「せっかく来たんだから~」
徳井の腕を引っ張る吉村。
「ちょ、俺服のままなんだって、おい!」
ズボンのまま海にドボン。
「おい!」
「どう?徳ちゃん!」
「着替えとか持ってきてないんだけど!どうすんだよこれ!」
「まあ日に当たってれば乾くんじゃない?」
「まあそうか」
何故か納得した徳井。
砂浜に上がる。
すると
「俺も遊び疲れたからそろそろ出よっかな~」
なんて吉村も徳井について行った。
テントの下、男2人。
話すことなんてない。
時々あの子可愛いね、いやいやあっちのほうが、なんてことを話すだけだ。
徳井はなんだかとてもいい気分だった。
久々にまったり、ぼーっとするのもいいかなと思った。
隣の吉村はすーすーと寝息をたてて寝ている。
なんだよ、充電式なんだから寝なくても眠くないはずなのに。
徳井もうとうととし始めたとき。
………………!
銃声が響いた。
悲鳴が上がる。
びっくりして辺りを見渡すが何が起きたのかわからない。
吉村も気づいたのか目をまん丸にしてキョロキョロしていた。
みーつけた。
2人の真後ろで声がした。
とっさに振り向く。
そこには全身黒づくめの男がいた。
「どうもご無沙汰しております村本です」
「あー村本?こいつの製造会社の」
普通返す徳井、しかし吉村はうつむいたまま動かない。
「おいどうしたんだ吉村」
「……」
「なんでここまで村本が来るんだよ…」
吉村が小声で言う。
「あー吉村くん、なんだ、ロボットになったくせに記憶は消えてないのか。不良品だなこれ」
「なんだ今度は俺になんの用事だ!」
声を張り上げる吉村。
「いや?不良品に用事なんてないで?今日は徳井さんに用事がある」
「え、俺?」
すっと徳井に寄る村本。
「…やめろ!」
徳井の肩にかけようとした手を振り払う。
「お前は引っ込んでろ」
はねのけられた吉村。
「え!何これ!?」
徳井は状況を掴めていなかった。
「徳ちゃん!逃げろ!こいつはお前のこともロボットにしようとしてる!早く逃げろ!じゃないとお前も俺みたいになるぞ!?いいのか!?」
「え…」
その時村本は既に銃口を徳井に向けていた。
…!
危ない…!
……………………!