こんばんは 吉村龍泉です。

 

筮前の審事とは、易の言葉ですが、

 

占い全般に云えることだと思います。

 

 

まず、

 

「どうしましたか?」 と

 

医者の問診のように、

 

 

占う前に、

 

お客様(ご相談者)の身分や地位、

 

立場、職業、事情、原因、

 

今までの成行きなど、

 

具体的な事情を伺ったうえで、

 

占い判断するということです。

 

 

『黙って座れば、ピタリと当たる。』

 

ではいけないということです。

 

 

昔、

 

『ダマッテスワレバ言わずとも知る。

 

これ神のお告げ也。』

 

広告を出した

 

有名な占い師がいました。

 

 

とある夏の夕方、

 

35歳から36歳位の紳士が

 

訪ねて来ました。

 

例の「神のお告げ」の広告を

 

見て来たのか、

 

占い師の顔を直視したまま

 

一言も発しません。

 

占い師が生年月日を訊ねると、

 

ちょっと首を傾げてからカピバラ

 

しぶしぶ答えました。

 

その占い師のクセで

 

九星暦を手で捧げるように持ち、

 

「あなたは何年の何星で、

性質はコレコレで、酒と女が好きで、

財布の中にどれだけお金が

入っているのかさえ知らない。」

 

若い紳士は相変わらず、

 

占い師の顔を見つめているだけ、

 

占い師はまるで祝詞(のりと)でも

 

あげる時のように、

 

ドンドン運命判断を続けていきます。

 

「去年は他人のことで、

つまらない損害があった。

一昨年はちょっと商売以外のことに

手を出して失敗があった・・・・・

 

紳士の顔には、イライラ感( ゚Д゚)・:、ゴルァ

 

見えはじめて来たました。

 

しかし、占い師は

 

一向に平気でしゃべり(鑑定)を

 

やめません。

 

とうとう、

 

若い紳士はたまりかねて、

 

「すいませんが、僕は、

そんなことを訊きに

来たのではありません。」

とピシャリと一言。

 

 

思わず、

 

占い師は目をパチクリさせ、

 

判断をやめました。

 

 

紳士は話を続け、

 

「先日、僕の妻が逃げたのです。

戻ってくるのか戻ってこないのか? 

またどこにいるのか?

それを訊かせて欲しいのです。」

 

と言いました。

 

 

たまたま、

 

その占い師の所に立ち寄っていた

 

占い師 田畑大有先生が、

 

隣の間でこの模様を見聞いてしまい、

 

心の中で思わず、

 

「ざまあみろ・・・・・」

 

呟いてしまった

 

というお話です。

 

 

筮前の審事は、重要ですね。 

 

肝に銘じなければ !!

 

 

でも、ここぞという時や

 

「俺が何しているか?

あててみろ。」 と

 

云われた時は、

 

『黙って座れば、ピタリと当たる。』

 

ありですがね。