[神楽] 

「世界に誇れる」日本の文化遺産です。
「出雲神楽・石見神楽・芸北神楽に伊勢神楽・高千穂の夜神楽」等は、全世界が感動する。すばらしい最高の有形文化財です。



<神 楽>

神楽は、神座(かむくら・かみくら)が語源であると伝えられている。神が宿る場所で、舞楽を神に奉納し五穀豊穣や無病息災を祈る神事でもあった。岩戸隠れの「天照大御神」のために「アメノウズメ」が神がかりして舞ったのが起源とも伝えられている。
神楽のもともとの形は「猿女君」の舞う鎮魂・魂振りの儀が大きく影響している。

神楽には、御神楽(宮中)や里神楽に分けられ、「巫女神楽」出雲神楽」「伊勢神楽」「獅子神楽」などを総称して「神楽」という。



<神 話>

神話は、「古事記」「日本書紀」や「風土記」を元に語り伝えられてきた。[高天原の神々]を中心とした物語である。・・「親が子」に、「子が孫」に口移しで、「伝承」してきた「大切な文化遺産」です。

「親は子」に「子は孫」に「神話」を語りながら、人間としての正しい生き方や「勇気」と「慈しみ」「謙虚」を教え諭してきたのである。
寺子屋や学校が教えたのではない・・親が子に子が孫に「寝物語」に語り継いできたのである。最近の親は・・子に神話を話しているだろうか?・・・・否である。子供が危ない!日本が危ない!

最近、肉親同士の殺し合いが目立つ・・神話が語られていれば防げた事件のように思えて仕方がない。
神話を失ってはいけない・・「親」が「子」に伝えなければ日本は滅んでいく。



日本神話「八俣の大蛇}(やまたのおろち)



<やまたのおろち>の話

「高天原」(たかまがはら)を追われた「須佐之男命」(スサノオのミコト)は、出雲の国(島根県)の「肥の河」の上流、「鳥髪」(とりがみ)という地にたどりついた。箸がその川を流れていたので、必ずその川上には、人が住んでいると思い、尋ね探して上って行くと。

美しい娘を囲み、すすり泣いている老夫婦に出会った。須佐之男は、「あなた達はどうしたんですか?どうして泣いているのですか?何かお困りですか?」とやさしく聞いた。

すると、老夫婦は、悲しげに話し出しました。「私は、足名椎(アシナツチ)と申します、そばにいるのは、私の妻の手名椎(テナツチ)でございます。この娘は、私達の可愛い大事な子の、櫛名田比売(クシナダヒメ)でございます。」と答えた。

「この地には昔から、真っ赤な腹をした・・八つの頭と八つの尾を持ち、おまけに身体に檜や杉が生えている、恐ろしい大蛇(おろち)がいます」村人は、昔から「八俣の大蛇」に毎年、娘を飲み込まれ、食べられています。

「私達には、八人の娘がいますが、毎年食べられているのです、今年は、この娘が食べられるので泣いていたところです。」とおじいさんは嘆きました。

その話を聞き、須佐之男命は「私は、天照大御神(あまてらすおおみかみ)の弟の須佐之男です。今、高天原から降りてきたところです。私が助けてあげましょう」と言った。

須佐之男命は、大蛇退治のために、一計を案じた。「おじいさん、とても強いどぶろくの酒はありませんか?」と聞いた。おじいさんは、樽に入った酒を出してきた。「それではその酒を、村の周囲、八ケ所に置いていて下さい。」と命じました。

こうしてしばらく待つと、大蛇は、ほうずきのような目を真っ赤にし、血にただれた腹をしてやって来た。八ケ所の酒を全部飲み干し・・ぐでん ぐでんに酔っ払った「八俣の大蛇」は、しばらくすると寝込んでしまった。

須佐之男命は、昏睡しきった大蛇を、「十拳の剣」(とつかのつるぎ)で大蛇をズタズタにコッパミジンに切り裂いた。
大蛇の血の色で、肥の川は真っ赤に染まった。(今でも鉄分を含んだような茶色の川がある)

須佐之男命が大蛇の尾を切っていると、「カチン!」と何かの刃物に当たった」。尾から立派な太刀が出てきた。後に天照大御神献上した「アメノムラクモのつるぎ」である。

出雲の国の英雄となった須佐之男命は、この勇気ある須佐之男命に惚れた、櫛名田比売は相思相愛となり、二人はめでたく結婚した。そして、二人は、島根県の須我に住んだという。
この須佐之男命の6代の孫が「大国主神」(おおくにぬしのみこと)である。そして国譲りの神話へといざなう・・・・・



今こそ「神話」を語り継ぎましょう。神話を忘れた民族は、「荒廃」するという。
神話を語る中で、人間として「正しい生き方」や「弱い者を助けようとする勇気」を教え導く事も大切です。




この八俣の大蛇の話は、神話として語り継がれてきたが、この島根地方から流れる八つの河川の氾濫にも関係し、勇気のある男が、この毎年水害に苦しむ村人を、堤防を築き守りその地の英雄になり、住みついたとも伝承される。また、この地域から蹉跌を発掘し鉄鋼業へ移行したとも言う、「太刀の発見」とも関わるとも伝えられている。神話からいろいろな昔話がうまれ・・出雲や芸備地方は神秘的である。