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見にきんさいや~「三次人形」を・・

広島県の三次の「三次人形」は、芸備・芸北の宝じゃけぇ~、いつまでも残してつかあさいや。

「三次人形は、一家に一つ、無いと・・いけんのじゃけぇ~」

宮司は、「三次人形」を最初に見たときに都会には、もう失われた「土の素朴な匂い」を感じた。

土人形として、田舎くささがたまらなく良いと感じた。

近代化された社会から取り残された、手作りの味に「日本のふるさと」があった。

「頑固なまでに守り抜いた、日本の文化」があった・・造り手の温もりがそこにあった。


≪三次人形の歴史≫

約400年の時をわたり継承されてきた三次人形
 三次人形は、江戸時代の前半期、芸州三次藩主の浅野長治公が、江戸浅草の人形師であった森喜三郎を連れ帰り、我が国の歴史上の勇者や伝説上の人物の土人形を作らせたのが始まりといわれ、家臣が一子をもうけるたびに、お祝い物として、この土人形を贈ったといわれています。
 粘土を原材料として焼成し、鮮やかな彩りと磨きだされた顔が特徴の気品ある人形です。
 この伝統は約400年に近い間継承され、愛玩されるとともに、人形自体にもいろいろと研究改良が続けられ、別名「光人形」と呼ばれるほど、ますます独特の艶をもった美しく気品のある人形になってきました。

   4月3日の子供の節句にはこれを飾り、子供の成長を願う親心、また、子供自身のの夢を温かく見守る人形として人々の生活に溶け込み、地元からは「でこ人形」の愛称でも呼ばれ、節句の時期に「でこ市」が開催されると、子供に人形をねだられた親子連れが三次城下を散策する姿がみられたようです。
 忠臣蔵で有名な播州赤穂藩主浅野長矩公の正室阿久里姫(後の遥泉院)は三次藩主長治公の息女であり、山紫水明の地三次の里に幼少期を過ごした阿久里姫も三次人形に囲まれて育ったのであろうという歴史のロマンを感じさせる郷土玩具です。


≪三次人形の特色 ≫
 三次人形は様々な形で作られ、これまで多くの人々に愛されてきました。その様式を大別すれば、天神・女物・武者物・その他の4種類となります。
 【天 神】備後三次には、学問を愛する気風が強く、特に菅原道真をあがめ、人形として大切にしてきました。梅鉢紋を散らした気品のある容姿は、座像・立像・牛乗り・松負い・梅持ちの形体があり、独特の光り艶は絶品の輝きをみせます。
 【女 物】女物と称される一連の人形は、菊・牡丹・桜・扇・羽子板・琵琶(びわ)・瓢箪(ひょうたん)など、日本を象徴するものを抱えており、誕生した女児が美しく優しく成長することを願う気 持ちが込められているものです。
 【武者物】男児の雄々しい成長を願って、武者物が作られています。歴史上の英雄と讃えられていた加藤清正や源義経、中国の三国志に登場する関羽や張飛、力自慢の角力取陣幕などの像があります。

 【その他】医療技術がつたない当時、健康への願いを人形に託し、病除け・厄除け・魔除けのための真っ赤な達磨(だるま)とか、家業繁栄を願う七福神・恵 比須・大黒・招き猫・福助をはじめとした縁起物の12支の動物像なども作られました。
 これらの人形は美しい色あいが特に大切にされています。独特のニカワ彩色を施すため、絵付け作業は12月から2月までの寒中期間に限られていて、一つひとつが工芸師の手によって丹念に彩色されていきます。したがって、年間生産できる数量も限られており、大量生産方式の現代においても特筆すべき郷土玩具であると讃えられています。

 
≪暮らしの中の三次人形≫

 三次市の北東部にある双三郡君田村櫃田(ふたみぐん・きみたそん・ひつた)には、通称「番神(ばんじん)さん」と呼 ばれている祠が古くから祭られています。ほかの祠と違って、ぬいぐるみやキャラクター人形、三次人形などが所狭しと並べられています。
 この番神さんには、子供の健やかな成長を願う親が、子供が誕生すると「名前・生年月日」を三次人形などの人形に書き込んで祈願奉納されるものです。特に子供の病気や夜泣きにご利益があるとされ、医療の不十分な時代には、近郷近在から赤ん坊を背負い、履き替えの草履(ぞうり)を携えた母親の参拝する姿が絶えなかったようです。願いが叶う と、お礼にと、また三次人形を持って参っていたといわれています。備えつけられた帳面から、今まで数多くの人が参拝していた様子がうかがわれます。
 三次人形には、子供の健やかな成長を願い、セチの神(田の神)を迎えるという意味が込められており、「何十年ぶりにデコ櫃から出ていただきました。」とか「三次人形の裏書きを見て、戦死した息子を思い出しました。」などの言葉も寄せられ、この三次人形が単なる飾り物だけでなく、もっと大切な命ある宝物として、暮らしのなかに生き続けていたということがわかります。


 ≪三次人形ができるまで≫
1、・菊練り
 粘土に含まれる空気を押し出し、粘土の質を一定に整える作業です。その後型造りに使用します。

 
2、・型押し
 板状にした粘土を人形型に入れ、厚み(3mm~5mm)が一定になるよう、型の凹凸に指先の神経を集中して貼り付けていく作業です。

 
3、・整 体
 人形型から型押しした粘土(人形の形をしたもの)を、それぞれ(前型・後型)取り出し、 前後合わせて人形の形に整えていく作業です。

 
4、 ・乾 燥
 整体した人形を自然乾燥(天日干し)します。これは天候状態により、1週間から2週間行います。

 
5、・焼 成
 乾燥した人形を窯に入れ、800℃から1000℃になるよう熱管理を行う中、8~10時間かけて焼成します。素焼きともいいます。

 
6、・色付け(彩色)
 素焼きした人形に、泥絵具で5色から18色にわたる彩色を施していき、ニカワで艶をつけていく、根気と時間を要する作業です。特に顔の筆入れは人形の品格を表すもので、全神経を傾注した作業が求められ、作業場はピーンと張り詰めた環境となります。


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