マムシにもめげず・・ 手作りの、山菜を主とした「松花堂弁当」がおいしかった!!
拉致家族会の有本恵子さんのお父さんとお母さんが神戸からわざわざ、こんな遠い山里の吉野山の、吉水神社までご参拝に来られる。その時、ご一緒にご祈祷や参列される人達が、吉水神社の本殿で拝み、その後「直会・・・なおらい」の食事会をする。20名の昼食のお弁当のことで、妻と意見が違った。宮司としては、いつものすし屋さんで弁当を20個注文して出そうと決めた。でも、妻は「あの・・・山野草とか薬草を「摘み草」して、それを柿の葉すしとで「松花堂弁当」を作って出したいんです」と妻が言い出した・・「うむ・・そんなん・・手間隙かかるで、準備が大変や、だから仕出しの弁当でいこうよ」という・・めったに逆らわない妻が、今回は、頑固に引かない・・・後の片付も大変なのに・・「でも、有本さんに食べてもらうのだから、手ずくりにしたい」と一歩も引かない。「じゃあ・・今から山中に入ろうか」と山での、山菜取りが始まった。わらび、ぜんまい、たらの芽・甘草・うど、のびる、コシアブラの新芽・・・・」食べごろの「シラキ」を私は見つけた・・山の土手を急いで登り、それを採るために木に手をかけて、ぶらさがろうとした!その時である、・・・枝ではなくマムシ(はぶ)の胴体だった・・あっ!と慌てて手を枝から離したら、どっすんと尻餅をついた。びっくりしながら唖然としていると、妻は、「何でこんなところで寝ているの」平然とと笑った。さて、そうして山草の摘草は完了した。当日、有本さんご夫婦とそのご祈祷に参列した人々から努力の甲斐もあり喜んで食べていただけた。妻として拉致家族の方々に自分としてできることを、精一杯したかったんだと気がついたら・・頭が下がった。ありがとう・・ご苦労さんでした・・「手作りの弁当」・・・妻の祈りを聞いた。
「拉致家族のために、自分達のそれぞれが、できることをするんだ」と、いつも叫んでいる。わが、妻として・・有本さん達に心尽くしの「手作り松花堂弁当」を出そうと提案した妻の・・熱い思いに気がついた。そうだ・・すし屋でお弁当を20個取るよりも、自分達で草木を積みもてなすのが・・・本当のもてなしだと暗黙に教えられた・・黙って後片付をしてる後姿に手を合わせた・・・・拉致家族の皆さんに、それぞれがそれぞれの立場でできることをこれからも・・・マムシなど恐がらず頑張って行きたい。