皆さんこんにちは、呉羽知人です

     平成27年6月、定期血液検査の結果、
     突然にクレアチニン値の増加を知らされ、
     慢性腎不全と診断されました。

     それから1年半、腎臓専門医の指導に従い
     塩分制限の食事療法を続けています。
 

  <腎臓とクレアチニン>


     腎臓は私たちの生命の維持に欠かせない重要な臓器、
     体内の老廃物をろ過して尿を作って体外に排出し、
     造血に大切なエリスロポエチンなどを作る
     大切な機能を持っています。


     クレアチニンは、腎臓病診断の指標として使われています。
     血液中に残った老廃物がクレアチニンで、
     その濃度によって腎臓の機能の状態が分かります。

     健康な人のクレアチニンの正常値は
         男性は、0.6mg~1.0mg 
         女性は、0.4mg~0.8mg と言われています。
        
     このときの私の数値は 3.4mg
     全く自覚症状がなく、元気に過ごしているのに、
     数値だけで判断すると、重症度の判定はステージ4です。
     
     これにはびっくり、
     あたかもがんの宣告を受けたようなショックでした。

     クレアチニンの値が8以上になると
     人工透析になる可能性が高くなります。

     いったん悪くなった腎機能は元に戻ることはありません。
     加齢とともに、機能が低下し、
     クレアチニンの値は上昇します。

     慢性腎不全の治療は、1にも2にも食事療法です。
     食事療法を続けることによって、機能低下のスピードを緩め、
     クレアチニンの値を現状に留めることが唯一の治療法です。


      <塩分制限>

 
     食事療法は塩分制限から始まりました。
     1日の塩分摂取量を5~6gに制限しなければなりません。

          日本人の平均食塩摂取量は11.3グラム、
     塩分は、ほとんどの調味料や加工食品に含まれています。
     これを半分程度に制限すれば目標は達成できます。
    
     調味料は、酢やレモン、オリーブオイル、マヨネーズなど
     代替調味料に切り替え、
     魚介類や肉の加工品、練り製品、漬け物など
     塩分を多く含んだ食品を避け
     自分なりに意識して減塩療法を実践しました。

     その結果、1年後の血液検査では、
     クレアチニン値が 3.1mgにまで改善されました。。

     しかし、これはまだ道半ば、
     腎臓病の食事療法には、もう一つの制限が欠かせません。
     それが、タンパク質制限です。


    <タンパク質制限>

 
     タンパク質は、肉や魚など主要な食品に含まれ、
     炭水化物、脂肪と並んで三大栄養素の一つ、
     活動の源である重要なエネルギー源です。

     しかしながら、体内で消化・吸収される過程で
     尿素やクレアチニンなどの老廃物を生じます。

     この老廃物をろ過して尿中に排出するのが腎臓の役目です。
     しかし、腎機能が低下した状態では、この機能が果たせなくなり、
     タンパク質を多くとると腎臓の負担になるのです。

     そこで、腎臓病に対する食事療法では、
     タンパク質の取り過ぎを厳しく制限することになるのです。

     厚労省の栄養摂取状況調査によると、
     私たちは1日平均、70グラムのタンパク質を摂取しています。

     では、どの程度まで制限しなければならないか、
     専門の先生方の研究では,
     標準体重1キログラム当り0.5~0.6グラム以下と言われています。
  
     60キログラムの男性では30グラム~36グラムまで
     タンパク質の摂取を抑えなければなりません。
     有害物質の蓄積を抑制する効果を出すには、
     この程度にしかタンパク質を摂れないことになります。

     これは、なかなか困難なことです。
     私の実感では,塩分制限以上に遙かに厳しい制限に思えます。

     タンパク質はそれ自体が貴重なエネルギー源ですから
     タンパク質を制限した状態でエネルギーを確保しなければなりません。

     タンパク質の含有量は少なくてもカロリーは十分確保できる、
     そのような食品が要求されるようになりました。


   <低タンパク米>

     そこで様々な食品が開発されてきています。
     「低タンパク米」「低タンパクごはん」「低タンパクパン」・・・

     私はこれまで,この種の低タンパク食品は味がまずいのではないか?
     という先入観念があり,遠ざけていましたが、
     管理栄養士の薦めもあり、
     低タンパク・減塩料理の講習会に参加する機会があり、
     そこで初めて「低タンパク米」に出会いました。

     「低タンパク米」はタンパク質含有量を50%以下に抑えた加工食品で
      いろいろな食品メーカーが開発しています。

     私が試食したのは、ドクターミールが販売している「Be+米」という製品で、
     タンパク質の含有量は,通常の12.5分の1の米粒です。

     お米と全く同じ形状で,洗米済みになっていますので
     炊飯器に入れる際に定量の水を加えてスイッチを入れるだけです。

     「早炊きのほうがおいしくおめしあがりいただきます」
     と説明書きには書いてありますが、私の経験では普通炊きで
     水の量を調節する方が美味しくできあがると思います。
 
     注意しなければならないのは,時間がたつとすぐ堅くなるので
     温かい間に早めに食べると,普通のお米に負けないおいしさです。
 
     炊飯後180グラムの低タンパクごはんのタンパク質は0.36グラムですが、
     エネルギーは普通のお米と同じ約300キロカロリーを確保することができます。

     通常のごはんから低タンパク米に替えることによって、
     肉や魚から摂るタンパク質を多く摂取できるという計算です。

     肉や魚だけでも、30グラムというのは思ったより少量です。
     これを守るのはほんとに大変です。
 油断するとすぐにオーバーします。

     タンパク質は、生きて行くのに不可欠な栄養成分で,
     必要量は必ず確保しなければなりませんが、
     摂り過ぎは腎臓に弊害をもたらすことになります。

     その人の症状によって、タンパク質の許容量は異なりますので
     栄養士の先生の指導を受けて、
     辛抱強く継続することが大切と思われます。
 

  <食事療法マニュアル>

 
     私はこの1年半、3か月ごとの血液検査を確認しながら
    病気がこれ以上進まないように最善の注意を払い
    その経過をブログにまとめてきました。

    「料理は栄養と味、おいしい料理で病気も治す!」
      
    をモットーに、自己流の食事療法を実践してきました。
    この挑戦の過程から得た知識や経験を皆さんと共有したい、
    そういう思いで下記のマニュアルを作成しました。

    「簡単にわかる腎臓食事療法マニュアル」
      第1章  慢性腎臓病の恐怖~人口透析回避へ
           1.クレアチニンとは?
           2.知らない間に進行する完成腎臓病
           3.eGFR(推定糸球体濾過量)による重症度の把握
           4.人口透析は避けたい未来
      第2章  塩分制限の食事療法
           1.塩分と腎臓
           2.我が家の簡略減塩食事法
      第3章  タンパク質制限の食事療法
           1.タンパク質の取り過ぎは要注意!
           2.タンパク質制限とエネルギー制限
      第4章  カリウムとリン
           1.カリウム制限について
           2.リン制限について
 
      このマニュアルには、特典として、
      ベテラン管理栄養士の先生による書き下ろし小論、
      「老後のよりよい生活のための食事のポイント」
      を掲載しております。
 
      ご関心のある方、ご家族に心配のある方、
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      このマニュアルには、ベテラン管理栄養士による
      「シニアのための食事療法質疑応答」のサービスも付けております。
      読者の皆様からのメールによるご質問に直接、
      管理栄養士からお答えするサービスです。
 
      ご関心ある方は、ぜひ下記をクリックして
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       ただ、このマニュアルを提供できるのは
      先着15名様限定とさせていただきます。
      管理栄養士との質疑応答サービスは、対応できる人数に
      限りがありますので、できるだけ早く手続きををお願いします。
 
 
 
 
 
      「食生活の改善による健康の維持」
         これが私たちのテーマです。
      健康で幸せなシニアライフのための
      手軽で効果の高い食事療法に取り組んでいきたい。
 
      そんな思いで、管理栄養士の協力を得ながら、
      成人のための、シニアのための、食事療法について
      わかりやすい説明を続けていきたいと考えています。

      少しでも皆様のお役に立てればうれしく思います。。

                    (呉羽 知人)