こんにちは、呉羽です。



       ある日突然、血液検査の結果、
       クレアチニンの数値が急上昇し、
       慢性腎不全と診断されました。



       腎臓病は、自覚症状はほとんどなく、
       静かに進行して、全く知らないままに、
       重症化する怖い病気です。



       重症化して腎不全となると、
       人工透析の治療を受けることになり、
       生活は一変し、経済的にも、精神的にも
       大打撃を受けます。



       腎臓病の重症化を防ぐ唯一の方法が
       食事療法、特に、塩分制限とタンパク制限です。



       私は、専門医から塩分制限の食事を指示されました。
       一日に5~6gに塩分摂取を抑えなければなりません。



       日本人の平均食塩摂取量は、11.2gですから、
       2分の1程度に食塩を減らさなければなりません。



       慢性腎臓病の進行を抑えるために、
       クレアチニン値を正常値に近づけるために、
       私は自分流に、塩分制限の努力を続けています。
 

その一例をご紹介します。
   
       塩分摂取量を、一日6g、と目標を設定します。
       朝食1g、昼食2g、夜食3g、が目安です。



       まず、朝食です。


       皆さんは、ごはん党ですか?それともパン党ですか?
       ごはんとパンはどちらが塩分含有量は多いでしょうか?


        ごはん茶碗一杯(150g)  塩分0g 熱量 240kcal.
食パン(4枚切り1枚(90g)塩分1.2g 熱量 240kcal.



驚きです!ごはんには塩分が含まれていないそうです。
       同じカロリーでも、塩分は1.2gも違います。



       そこで朝食の献立を考えてみます。


       <和食>            塩分   熱量
            ごはん150g       0g   240kcal.
味噌汁(味噌10g)   1.2g   19kcal.
計          1.2g 219kcal.


<洋食> トースト6枚切り
              1枚(60g)     0.9g 160kcal.
バター 10g      0.2g 75kcal.
              計         1.1g 235kcal.


これで、ごはんの場合もパンの場合も目安の1gに達しました。


       ドリンクには、トマトジュース、野菜ジュースを除いては
       基本的に塩分は含まれていません。


       しかし、かまぼこ、のりの佃煮、漬け物、ハム、ベーコン
       ウインナーソーセージなどを加えると、一気に増えます。


そこで、私はトーストを「無塩パン」に切り替えました。
       副菜として、ハムやたまご焼き、ソーセージなどを加えても
       塩分は1gほどに抑えることができます。


(参考)  かまぼこ  2切れ    0.6g
            のりの佃煮 大さじ1   0.9g
            たくあん  3切れ    1.3g
            ロースハム 薄切1枚  0.5g
            ベーコン  20g1枚   0.4g

            生卵    1個     0.2g
            卵焼き   60g当り   0.7g


       最近では、トマトジュースも無塩のものがあります。
       少し工夫するだけで、毎日の朝食の塩分は1gを維持することが
       可能なのです。




食事療法で大切なことは、まずそれを意識することです。



       あなたは、今、健康であるかもしれません。
       しかし、腎臓に限らず、本人は気づかない間に
       病気は静かに進行しているかもしれません。



       ある程度の年齢に達したら、健康診断を怠らず、
       いろいろな病気の早期発見に留意してください。



       腎臓病の場合は、クレアチン値に注目です。
       標準値内の1.0mg以内ならば、何の気兼ねもなく
       食事をエンジョイしてください。



       しかし、1.0を超え、2.0近くになっていたら、
       自発的に、塩分制限を意識して食事をし、
       半年ごとに血液検査でクレアチンの数値を確認してください。



       そして、2.0を超えたら、迷わず本格的に、
       塩分制限の食事を常に意識して、実行してください。



       あなたが、今すぐ、しなければならないのは、
       あなたの腎臓の状態を把握することです。



       腎臓は、私たちの生命の維持に欠かせない臓器です。
       健康で幸せな老後の生活に欠かせない大切な臓器です。



       少しでも、腎機能に陰りを感じられたら、
       食事療法で腎臓病を克服していきましょう。



       次回は、引き続き、「自分流の塩分制限」について、
       具体的に
紹介して参ります。


       楽しみにお待ちください。
                         (呉羽 知人)