生い立ち#14 人生が変わった日 

 

 

 

次に目が覚めたとき、

わたしは病室にいました。

 

 

「よっちゃん?手術終わったよ」

 

 

母が手を握ってくれていました。

 

痛みは全くありませんでした。

けど何か違和感がありました。

 

すごく重い布団を乗せられてると思ったわたしは

母にこう言いました。

 

 

「おかあさん、布団が重いよ」

 

 

けど母は悲しそうにわたしをなでてくれるだけ。

 

 

「タオルケット1枚だけしかかけてないんだよ」

 

 

そう言われても意味が分からなかった。

だってこんなに重いのに。

重いから全然足が動かないんだよ。

 

わたしは言いながら手術中に目が覚めたことを思い出しました。

 

あのとき、足を触れてるのに分からなかった。

 

そう気づいたときから、わたしの記憶はそこで途切れています。

そこから何日かの記憶だけ、ごっそり抜けているのです。

 

手術中に脊髄を触ってしまい、損傷を受けてしまったことで、

お腹から下の感覚が全くなくなりました。

排泄感覚も失ってしまい、

その日からわたしは自己導尿や摘便が必要になりました。

 

 

数日後、何かの拍子にわたしの足が動いたことがありました。

それを見て母はとても喜んで先生に言いましたが

それは痙性というものだと教えてもらいました。

 

自分の意思で動かしているものではなく、

筋肉の反射や緊張で勝手に動くものでした。

 

 

記憶はほとんどありませんが、

母はわたしの前では一切泣いてなかったし、

わたしも母の前で泣くことは絶対にありませんでした。

わたしに隠れて泣いていることを知っていたから。

 

わたしが泣いたら母はもっと悲しんで、

自分のことを責めると思ったから、

わたしはあえて明るく過ごしました。

 

わたしの人生が変わった日。

それは2001年10月5日。

忘れもしない、歩けなくなった日。

 

この日からわたしは自分のことが

嫌いになる日々が始まりました。

 

 

 

つづく

 

 

 

 

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少し暗い話が続きます。笑

当時はこんな気持ちだったんだなって思いながら

読んでいただけると幸いです!

 

 

 

手術する前の写真。

いきいき活動(当時大阪市がやっていた放課後の学童事業)での

お友達みんなと撮った写真です。

 

 

ではでは

またね〜バイバイニコニコ