2年間で、
6校の小学校3〜6年25クラスの英語活動を担当しました。
担任や英語専科の先生のアシスタントで担当したり、
メインで授業を担当したり、
子どもたちの成長をたくさんサポートしてきました。
だからこそ、感じたことを記事を言葉にしました。
本気で信じると、変わるんです^^^
新学期が始まり、
子どもたちは、これからの一年、
それぞれの学年で学びます。
大人たちが
目の前にいる子どもたちを
どう捉えるかで
この子どもたちの成長は、
大きく変わります。
今回は、そんな事例をお伝えします。
A先生は、子どもたちのことを『手がかかるなぁ』と、
いつも感じています。
一方、B先生は
『手はかかる子たちだけど、できる』と、
いつも信じています。
どちらの先生も6年生の英語の授業を担当することになりました。
1年を通して、ユニット1~8までを学びます。
1つのユニットにつき、8回授業をおこないます。
そして、各ユニットの最後には、
子どもたちが発表する活動もあります。
【A先生】
英語で発表するなんて、
この子たちにはむずかしすぎると感じています。
なぜなら、算数の分数計算もまだまだ時間がかかる子たちだから…
基本的には、指導案に沿って授業を進めていきます。
歌を歌ったり、チャンツを活用して、英語に親しんでいきます。
歌わない子もいますが、
「むずかしい表現だから、しかたない」と、授業を進めます。
リスニング場面では、
英語はわからない!と感じている子どもたちは、
音声が流れているとき、教科書にお絵かきしたり、
となりの子とコソコソ話をしていたり、、、
隣の子の正解を書き写している場面も見られます。
いよいよ、ユニット1の発表の時間が近づいてきます。
今回は、「自己紹介」
I’m Yoshi.
I'm from Nagoya.
I like dogs.
My birthday is May 8th.
自己紹介カードを見せながら、
この4つの英文をクラスのみんなに伝えていくのです。
A先生が、クラスで発表の流れを伝えると、子どもたちから
「え~、むずかしい!!」
「ムリ~」
と声が上がります。
先生は、
「じゃぁ、カードの裏に書いていいよ」
と提案しました。
人前で発表できることを目標しました。
すると、大半の子どもたちは、
カードの裏に、カタカナで発表するセリフを書いていました。
そして、発表当日は、一人ひとり、みんなの前で発表しました。
しかし、ほとんどの子は、
カードの裏のカタカナを読んでいたのです。
ユニットが進むにつれて、難易度が上がります。
A先生は「この子たちには、まだ難しいかも」と感じます。
1年を通じて、カードの裏にセリフを書いても、
発表ができたらOKにしました。
一方、B先生。
大変だけど、、、子ども達ができることを考えています。
ユニット1の時から、子ども達に伝えつづけます。
「4つのセリフは、発表までに覚えよう」
「歌やチャンツには、発表のセリフがありますので歌えるといいね」
「ムリ~」「むずかしい!!」と、声は上がりますが、
子ども達が積極的に歌えるように、また、飽きないように、
歌のスピードを変えたり、振り付けをしたり、工夫を凝らします。
歌わない子がいると、B先生は、そっと寄り添います。
無理強いはしませんが、
歌えそうなフレーズを一緒に歌うようにします。
できなかったことができるようになった時は、
子ども達と一緒に喜びます。
そのくり返しが、次の活動への積極性につながります。
リスニングの場面では、
「ここは、よ~く聴いてみて」と、
子ども達に集中して聴くことを意識させます。
すると、
「あっ、今 I went to Kyotoって聴こえた!」と、
「英語なんて分からない!」と、授業に消極的だった子どもも
楽しい雰囲気につられて、参加するようになります。
2学期後半頃からは、
発表時には、4文を覚えることが習慣化されてきます。
家庭学習の自学で、タブレットに録音して、
先生に発表練習の様子を提出する子もいました。
6年最後の発表は、
中学での活動や将来の夢の紹介でした。
一人ひとりが、クラスのみんなに向かって英語で話すことができました。
4つの文に加えて、さらに表現した子もいました。
6年の初めには、大文字のアルファベットの判別もできなかったのです。
しかし、卒業時には、
「ABCの歌」を歌いながら、
大文字も小文字も書けるようになっていました。
「あなたは、できる!」
本人以上にその子を信じ続けることで、
可能性はひらかれていきます。