病院のおかしな人びと(赤バンド) | 残日録

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 先日、メッセージ性の高いTシャツを着ているのだが反応がないと書きましたが、今日私を担当する若い理学療法士から「CRACってなんですか?」と問われた。
 「今の日本には声高に民族差別をする人たちが野放しにされている。それに対抗する人たちの集団のTシャツです。私は趣旨に賛同し現場にも行っていたのです。気がついてもらえて嬉しいです」
 「こんなTシャツを着ていて怖くないですか?」
 「そりゃ怖い。カウンターの帰りに奴らと鉢合わせしないとも限らないからね。いまは現場に行けないのでこんなTシャツを着てアピールしているつもり」
 てな会話を交わしました。
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 さて、病院の中のおもしろい人たちです。入院患者には、氏名などが書かれたIDバンドが手首に付けられていて、晴れて退院の折に看護師から外してもらうというやすいドラマの道具立てがあります。
 この病院では、一般の患者用の白いバンドと、もう一種赤い(ピンク色)バンドがあります。赤バンドにまつわる話と懲りない人たちのことを書いておきます。

 病院の内外を行き来するには制約があります。
 まずは一人では病室から出られないレベル①、次のレベルは看護師などがついてトイレなどに行ける②、次は杖をついて病棟内を歩ける③、病院内を付き添いありで行き来できる④。病院内を自由に行き来できる⑤、病院外にも付き添いがあれば行ける⑥、そして最後は一人でも外へ⑦。
 ということになるのです。私は⑥のレベルです。

 先日書いたアンパン取引事件のようなことが起こるのです。私が目撃した事件?を二つ。
 一つは70代男性、元々深夜にもお茶を汲むために、覚束ない足でコップを両手に持ち給湯機まだ通うのが日課になっていました。ある早朝、エレベーターホールにこの男性の姿を発見、どこに行くんだろう?と思っていました。その後8時頃に息子さんが現れ「父ちゃん、何をしたんや?どこに行くつもりやったんや。病院から電話で呼び出されたんや」とのこと、若干痴呆の気があったのかも。すぐに病院の名前と電話番号などが書かれた赤バンドをはめられました。

 もう一つは、60代半ばの男性、この男性は④のレベルだったのですが、近所のスーパーにパンを買いに出かけた大胆な行動でした。彼を見かけたのは午後3時過ぎ、車イスに乗って満面の笑みでエレベーターに乗って行きました。リハビリの一環として外出するのかと思っていましたが、そうではなかったようです。車イスを玄関に乗り捨てて、杖を頼りにスーパーでの買い物に成功。パンを片手に帰還したところを御用となりざんざん油を絞られていました。この人も赤バンド。再犯、強制退院とならなければ良いのですが。