日本経済新聞の電子版を購読しているので、そこからいろいろEメールがやってくる。本日やってきたのがこれ。
From: 日経からのお知らせ [mailto:infomaster@mx.nikkei.co.jp]
Sent: Friday, May 6, 2016 7:01 AM
Subject: トランプ大統領 可能性否めない [日経アメリカ通信]
なんかしら、トランプ氏が嫌いな人が多い。米国でも多いが、特に日本で多いように思う。
上のSubject（タイトル）の元になっているのがこの記事：
トランプ大統領 可能性否めない
日本経済新聞 2016年5月5日
http://www.nikkei.com/paper/article/?ng=DGKKZO01956530V00C16A5PE8000
［有料会員限定］の記事なので、引用は極力避けるが、トランプ氏が共和党側の大統領候補と決まった後の記事で「可能性否めない」というのは、もちろん論理としては間違っていないが、なんとも不適切な表現と思える。
＞自由貿易や海外への積極的な関与を進める党エリート層と、生活が苦しく不法移民対策に不満を募らせる党支持基盤の白人労働者層のズレが背景にある。
とのことだが、後者が大量にトランプ氏を押して大統領にするのであれば、正しく民主主義が機能した結果だと言ってよく、肯定的にとらえるべきなのではないだろうか。
何故に、悪いように、悪いようにと書くのだろう…
トランプ氏の暴言は有名で、たとえば日本に絡めてもいろいろ言われているようだ。たとえば…
トランプの暴言に日本は振り回されるな！
冷泉彰彦 ニューズウィーク日本版
2016年03月29日
http://www.newsweekjapan.jp/reizei/2016/03/post-821.php
無料記事だし、少し長めに引用する。
＞問題は安全保障をめぐる「トンチンカン」な発言の数々です。これも、最初の数回はまだ「基礎知識を確認せずに適当に発言しているだけ」という感じだったのですが、そろそろ笑えなくなってきました。
＞－「在日米軍・在韓米軍の駐留費は100％それぞれの国に負担させる」
＞―「日本や韓国が100％負担しないのであれば駐留米軍は撤退する」
＞―「日本・韓国が自主防衛の体制を取るのであれば、両国に核武装を認める」
＞こうなると、許容できる限界を越えています。
（中略）
＞残念ながら、そのコストのすべてを負担するだけの国力を日本と韓国は有していないのです。仮に100％負担であるとか、核武装という話になれば、日本も韓国も防衛コストで国が潰れてしまいます。この両国の財政と経済が崩壊すれば、世界経済も無傷ではすみません。
そういうことなら、たしかに大変なことだ。
が、はたしてそうなのか？
このブログ記事によると：
米軍駐留費用を「日本が全額支払うべき」なのか？
rick08 2016-05-06
http://rick08.hatenablog.com/entry/2016/05/06/070000
＞合計年間102億ドルほどかかります。ざっくり1兆1千億円ほど。
＞うち、米国が負担しているのが55億ドル、日本が負担しているのが57億ドルです。更に、日本は、グアム移転費用など、ときどき追加コストも負担しています。
ということで、全額負担となると、日本にかかる追加費用はざっと6千億円。
これで国が潰れるというのだから、上のニューズウィークの記事は「トンチンカン」な発言のなにものでもない。「基礎知識を確認せずに適当に発言しているだけ」という感じなのは、この記事の著者の方だろう。
財務省のこのページによると：
https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/002.htm
平成28年度一般会計予算は約96.7兆円で、そのうちの防衛費は約5兆円。米軍駐留費全額負担のために、そこに6千億円追加されたとして、5兆円が5.6兆円になるだけ。これで、国が潰れる？！「笑わせるやないけ」と思わず言いたくなる。
国の債務はこんな感じ：
http://ecodb.net/exec/trans_country.php?type=WEO&d=GGXWDG&s=2012&e=2021&c1=JP
この債務負担増で国が潰れるというのなら、まだ説得力がある。この状態でも、潰れないという人もいるくらいのものなのに、6千億円の追加出費で国が潰れるなんて、煽りにもなってない。
何故に、トランプ氏のことになると、わざわざ悪いように、悪いようにと書くのだろう…ま、その方が記事が売れるからだろうが…
ちなみに私の場合は、
トランプはオバマ大統領よりもマトモな人物だ
2016年02月23日 渡辺 龍太
http://agora-web.jp/archives/1670870.html
この記事を以前読んでからというもの、けっこうトランプ氏のファンとなっている。