『被災者対応』と『被害拡大防止』を担う二人のリーダーを首相は任命するべし | 知財業界で仕事スル

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知財業界の片隅で特許事務所経営を担当する弁理士のブログ。

最近は、仕事に直結することをあまり書かなくなってしまいました。

本人は、関連していると思って書いている場合がほとんどなんですが…

指揮官が1人必要…東日本大震災対処でNY市長
(2011年4月3日 読売新聞)
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http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20110402-OYT1T00814.htm
>2001年の米同時テロの際、ニューヨークで陣頭指揮を執ったルドルフ・ジュリアーニ前市長(66)は1日、読売新聞と会見し、東日本大震災への対処について、「指揮官が1人必要だ。すべての指令はその人が出し、情報も1か所に集まるべきだ」と述べ、国家的危機を乗り切る強力な指導力が重要だとの考えを強調した。

短く、容易に見過ごされてしまうような記事だが、大変重要な意見が書かれていると私は思う。

リーダーシップの欠落が、大震災後の事態を悪化させているのは間違いない。原発の専門家ではないし、現場の現状に関してもまったく無知な私であるが、現在進行中の原発の困難な状況の原因のマジョリティは“人災”だと思う。

確かに、最初に問題を引き起こしたのは大自然であり、人間側が引き起こしたものではないことは間違いない。しかし、大自然が引き起こした問題をいつまでも解決できず、むしろ悪化させ続けている状態は、究極の原因が大自然だったとしても、その後の対応がまずかったという意味で人災と言ってよいと思う。

ちょっと前には、日本が経済的打撃を受け、しかもいつまでもそこから立ち直れないことをアメリカの(リーマンショック)の所為に日本はし続けてきた。今回は、日本がいつまでもおろおろし続け事態が悪化し続けていることを大自然の所為にし続けられるのだ。いずれも、“他人”の所為にできることをいいことに、責任が自らにかからないようにしながら混沌状態をいつまでも続けているという意味で類似している。


大災害のような状況下では、何をやろうが必ずマイナス面は出現する。その問題を認識しつつ、大局的にみて正しい判断を下し実行していく強靭な精神を持ったリーダーが必要である。

私からみて、現首相も東電社長も、みなさん、マイナス面を切り捨てることができない人々ばかりだと思う。そのため、決断がなされない。

私には、指揮官について「首相でもいい」とは思えない。こんな風に書くのは申し訳ないけれども、現首相には荷が重過ぎる。
本来、一国の首相たるもの、細かいことは横において、大きな視点、長期の展望にたった決断をし、それを下のものに実行させていく度量が必要なはず。しかし、残念ながら日本では、そのようなパーソナリティを持った人は、日本国民(有権者のみならず政治家群も含む)から評価されず、首相にはなれない構造になっている。

とは言っても、民主主義国家であるから、首相の権限を無視するわけにはいかない。このような大災害下にあってリーダーシップを発揮できる人材を、首相が任命する形で決め、その人に全権を委ねる形に早くもっていった方がよいと思う。まだ間に合うと思う。

ジュリアーニ氏の「私なら、『被災者対応』と『(放射能汚染などの)被害拡大防止』を担う二つの指揮系統を作る」考え方はシンプルで優れた考え方だと思う。首相により二名の責任者(リーダー)の任命が早急に行われることを望む。