AIPLA Report of the Economic Survey 2007という書物が届いた(無料で勝手に)。
いろいろと興味深いデータが含まれているが、一番わかりやすくて興味深いのはこれだろう。
いずれもMedian(中央値)である。
審査官の給料が一番下。辞めたくなるのは当然、ということなんだと思う。それでも、日本の公務員よりはずっと高いと思うが。
日本の弁理士の年収の中央値がどのくらいのところにあるのか知らないのであるが、おそらく、それに比べて米国パテントアトーニーの年収はぐっと高いということになっているのだと思う。年々水が開くばかりなのではないだろうか。
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このデータをみて、日本人が米国の資格を目指すのもよし、日本人にビジネスチャンスありと見るのもよし。
日本のバブル経済の頃は、米国のことはできるだけ米国人に任せよう、その方が得だ、などと言っていたものだ。それは、少々米国人の値段が高くなっても、まだ真だと思う。なぜなら、特許プラクティスといえども文化の上に成立しているものであり、言語のネーティブ性だけでなく文化のネーティブ性も重要だからだ。
しかし、ここまで米国人の値段が高くなってくると、そうも言っておれなくなるだろう。少々の品質には目をつぶってでも日本人ができるだけやった方がコストパフォーマンスが良いと思える。
そこに、日本人の特許屋としてビジネスチャンスがある。また、日本人の米国資格保持者の活きる道がある。
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1ドル120円換算で、パートナークラスの年収の中央値は約4,000万円。これが高いのか、妥当なのか?
高いようにも思えるけれども、作り出す特許の市場価値からすると日本人と比較してそのくらいでも妥当な気もする。
日本の弁理士の作る特許権は、日本という市場が強くないため、米国に比べて価値が低い。
同じだけ時間をかけ努力しても、出来上がる「製品」の価値は市場価値で決まるのであるからして、日米間でパテントアトーニーの年収に大きな較差があって妥当…と言ってしまうしかないのかも。