学歴詐称問題で身辺が賑やかな小池百合子氏が三選を目指して東京都知事選挙に出馬の意向だそうだ。
読売新聞が報道したというから、「やっぱりな」と思った。
さて、学歴詐称に関する点について、都民としてどう思うか?
確かに問題ではある。
嘘つき、ごまかしはよくない。
でも、そういう人に騙され続けてきた側もアホなのだ。
そして話題性に飛びつき、メシダネにしてきたメディアもアホなのだ。
ただでさえもなじみのないアラビア語。しかも難関大学といわれるカイロ大学をろくに勉強もせず、なのに留年もせず、しかも首席で卒業したと自称し、マスメディアにちやほやされながらうまく世渡りして都知事になりおおせた小池百合子さん。
そんな小池百合子さんに騙されてき続けた側も悪い。
しかし、その結果、都の内部留保9000億円の我々の税金が溶かされ、エジプトに真実をばらされないよう、その金の一部が流れていくのを止めることもできずに8年間が過ぎようとしている。こっちのほうが大問題だ。
都庁建物壁面にゴジラを映し、プロジェクションマッピングと称する事業に48億円もつぎ込み、電通など「案件」にかかわった事業者には仕事になったかもしれないが、都民には「もっと他に金の使い道があったろう」という声がある。
こうした小池さんの都政をまだまだやらせるつもりなのか? 8年かけて9000億円を溶かして7つの公約はいまだ果たせぬ小池さんに?
エジプトに大事なところを握られている小池さんが都知事でもいいのか?
「それはダメ」と運動されている方たちも少なくない。
元ブレーンだった小島敏郎氏もその一人だ。
私は小島氏の外国人記者クラブでの記者会見と東京の未来を考える会のyoutubeでの配信で二度、小島氏の主張を聞いたが傾聴に値する。
そんな小島氏の周りにはいろいろな分野の人たちが「小池百合子三選阻止」に集結している。
しかし、あの計算高い小池百合子さんが三選を目指して立候補する、ということは、勝算があると本人が見込んでいるからにほかならない。
小池百合子氏は「勝てる」と思っているのだ。それは現在進行形の三井不動産を主体とした東京都の複数の再開発案件にあり、組織票がどーんと自分を三選都知事に押し上げるだろう、と読んでいるからだ。
何しろ都はこうした再開発案件の許認可権を有している。
事業者にしてみれば小池さんに生殺与奪権を握られているわけだ。
つまり、小池都知事が「あら、その案件、認可しないわよ」と示せば三井不動産はじめ事業者は仕事が滞ってしまう。
すると事業者の株主たちは経営陣に「何をしているのだ、減益要因に無力な経営陣は頼りない」と怒る。三井不動産の大株主はほぼ、外資で占められている。外資にとって都民の暮らしなど知ったこっちゃない、というところだろう。
都に再開発が認可されないと天下の三井不動産といえども減益になり、株価も下落してしまう。
そうならないために都の仕事を確保して確実に利益を上げようとしていると思われる。そのためには都の局長クラスの天下りだってどんどん受け入れてきたのだ。
天下り人員は都の人間関係をたどって「こんどこんな案件ありまっせ」と本体に告げる。「よっしゃ、それ頂きや」と本体が営業する。
こうした効果も大きかったのだろう、三井不動産は都の再開発事業を一手に担っている。ほぼ独占しているといっても過言ではない。
神宮外苑前再開発、
築地再開発、
芝公園、
日本橋、
青山都営アパート再開発
日比谷野外音楽堂 周辺大開発
など案件が目白押しである。
「100年に1度」の再開発…東京はどう変わるのか 2024年以降に開業が予定されている大型案件は:東京新聞 TOKYO Web (tokyo-np.co.jp)
など。
不動産に詳しい人から聞いた話だが、三井不動産の分譲マンションはこうした都の再開発などで生じた景観を借景に「いい具合に高級感を醸し出している。まさによく計算されている」という。
こうした効率経営も案件に深く食い込んでいるからだろうと推察する。
小島氏らはこうした都の許認可事業に対し、「環境破壊」「文化遺産の喪失」「都民資産の減退」を憂うわけで、三選に反対し、小池百合子氏が「カイロ大学卒業」と自分の経歴に書けば「詐称」として刑事告発するという。
しかし、それで環境は守られるだろうか。
明治神宮外苑の再開発 伐採開始へ 樹木保全 継続中の議論の状況は | NHK
ところで、学歴詐称に関して小池百合子氏の覚えめでたい千代田区長も伐採系のようだ。
千代田区が抜き打ちでイチョウ並木を大量伐採 深夜の神田警察通り騒然 | 週刊金曜日オンライン (kinyobi.co.jp)
この千代田区長は小池氏のカイロ大学問題の炎上を止めるため奔走したそうだが、その功績が認められたか、小池氏から絶大な支持を得て千代田区長に当選したといわれている。
さて、どうしたら伐採百合子を止められるか? 三選阻止、「環境保全」ができるのか?
それには
企業利益に大きな影響をもたらす再開発事業の許認可権を都が持つこと。この構造に今一度注目しなければならない。
企業は都知事変更で事業の不確実性が増すのを嫌う。だから小池百合子氏を組織票で応援するはずだ。
すると小池氏は「どうだ、ホレ見たことか」と三選を果たし、組織票に返礼をするかのように再開発を推進させ、樹木は伐採され続ける。
そもそも再開発に樹木伐採はつきものだ。
建設現場を観たり施主を体験されたなら、業者は作業推進のために「樹木は邪魔」とまず伐採ありきで仕事を進めるのをご存じだろう。
しかし、国民、都民、生活者は人生を共にしてきた樹木の伐採に大きな喪失感を持つ。だから反対するわけだ。
だが、よく考えてみよう。この二つは文脈が全く違う。
国民、都民として何としても伐採をやめさせるなら、やわなことを言ったり、いくら情緒に訴えても効果はない。ロジックがまったく違うからだ。
企業には決算があり、事業計画があり、それを推進しなければ株主に合わせる顔がない。
だから大きな力で遅滞なく推進せざるを得ない。斬られる木がかわいそうだとか学歴詐称疑惑の都知事案件だ、など言っていられない。
ともかく事業を推進しなければ事業体は立ち行かないのだ。
そこに務める従業員はまず会社員として業務命令を推進しなければならないのだ。
「木の伐採はんたーい」と声を聴いても、働くこと最優先なのだ。彼らにも家のローンがあり、子供の教育費だって給料から出していかなければならないのだ。
その相手に立ち向かうには国民、都民はあまりにも情緒的だし無力だ。時間もお金も影響力も持たない。だから戦うなら効率的、効果的に行動しなければならないのだ。
そこで、「どう戦うか?」だ。
一つは国民、都民が問題となる企業の株主になり、「そんな経営はいかがなものですか?」と対話しなければならない。
そして同時に大株主(主に外資)に「あなた方は日本国土の環境や東京の文化を破壊して、生活者に苦痛を味合わせてまでも利益を追求するのですか?」と問わなければならない。
市民運動の一環で企業大株主として活動し大株主へ訴えかけ、外国で日本を愛する人たちに「東京でこのようなことが行われているがどう思うか」と訴求する。それが有効だ。
樹木を守りたい、と情緒に訴えても効果は薄い。
株主として行動するほうが早い。
文化破壊につながりかねない大再開発に反対の個人投資家が団結して株主提案をする。
大株主の外資に訴求する。
そうすれば伐採/百合子や伐採/千代田区長を止められるかもしれない。
三井不動産ら事業体も「東京の歴史、文化を破壊しかねない事業推進者」というレッテルは企業イメージに響く。それは嫌なはずだ。
ちなみになぜ読売新聞が小池三選に挑戦を報じたか。
読売新聞も朝日新聞も三井不動産らの事業体が推進する再開発に組み込まれているため、小池支持なのだと推察する。
企業には決算があり、計画した事業が滞ると減益要因になり、株価、配当に影響が出て株主から「何しているんだ」との圧がかかる。
だから事業遅延は命取り。
小池百合子氏がカイロ大学を出てようが、出ていまいが、若い時からあざとく生きてきた人物評のすこぶる芳しくない怪女であっても、そんなことは事業者にとってどうでもいい。
事業者にとって小池百合子氏は許認可権を持つボタンに過ぎない。
怪女に好きの嫌いのを言っている場合ではないのだ。
国民、都民は伐採百合子を止めたいのであれば、相手は小池百合子ではない。利益最優先の事業体である。環境に対する事業者の行動を止めるならこの仕組みに注目しなければならない。
おそらく、このままいけば、小池百合子氏は再開発事業に絡む事業体の組織票で三選を果たすだろう。
阻止したいのであれば、事業体に株主としてモノ言うべきだ。そっちのほうが効果があるはずだ。
敵は手ごわい大企業だ。
いざとなれば政治献金で現政権をもコントロールする力を持つ。
情緒的な樹木反対感情では吹っ飛ばされる。
企業にパーパス経営を求め続けること。
それしか伐採百合子、伐採千代田区長も止められない。
ちなみに私は不動産会社はこうした問題が深いので投資対象に選ぶことは少ない。