ジャパン・ハンドラーといえば安倍晋三氏が2012年12月、自民党総理総裁に就任後、「サンキュー 安倍は戻ってきました! 皆さん、日本で儲けてください」と演説した政策シンクタンク戦略国際問題研究所(CSIS)の面々がまず浮かびます。
サンキュー アーミテージさん
サンキュー ジョセフ・ナイさん
サンキュー マイケル・グリーンさん
安倍さんは講演会場に集う面々に謝意を述べ、これから日本はまた投資が報われる国になります。儲けてください、といった内容の演説をされました。
その時に名前を呼ばれた一人が今日の表題にあるマイケル・グリーン氏です。
その彼の発言が7日朝、報道番組で取り上げられていました。内容は「岸田氏にバイデン氏が尖閣、沖縄、台湾周辺海域の安全に備えるために防衛費を増強の上、備えなければならない」というもの。
岸田氏の8日の初めての所信表明前に
マイケル・グリーン氏がわざわざ発言したのは
「岸田さん、あなたは何をなすべきなのか、わかってますよね」という念押しの意味合いがあると推察します。
岸田氏の所信表明内容にジャパン・ハンドラーと呼ばれる面々が「それなら、日米同盟相手国として付き合える」と納得したら、しつこく続く株安と悪い円安に歯止めがかかり、やれやれの株価反発があるでしょう。
というのも、彼らの意向をマーケットトレーダーは
円安の進行
⇒その弱い円で高値の原油を仕込み続ければ、企業コスト上昇、業績悪化
⇒輸入物価上昇でインフレ懸念、弱い円防止に金利引き上げが意識され、それだけで、流通国債の利回りが急上昇し、債券価格の急落という「暴落条件を察知したソフトウエアのシステミック発動」で株価急落という悪いスパイラルを見越して行動します。
すると思わぬ株安が実現してしまうのです。
そうしたトリガーを引かないように8日、岸田氏は所信表明をしなければなりません。
日米同盟を注視しているステークホルダーらの納得感を得られなければ株価急落、麻生太郎92代内閣コースが考えられますから、岸田さんはそうならないように彼らの納得を勝ち取らなければならないわけです。
麻生太郎内閣コースの動画も作りましたのでお時間があればご覧くださいね。
岸田氏がシステミックリスクを避けられたかどうかは
例えば、アメリカが石油備蓄を放出し、石油価格上昇に歯止めをかけ
それによって行き過ぎた円安スピードを緩め、
流通国債利回りの低下で金利上昇懸念が遠のく
といった逆スパイラルで売り方の株価買戻しで株価反発というコースがあるかどうかを注視していればいいですね。
ということを踏まえて次の更新までのドル円見通しは
●ドル円上値抵抗
111.719
●ドル円均衡
111.186-110.920
●ドル円 下値支持
110.809
と想定しました。では、引き続き、このテーマ、注目していきたいと思います。
※参考
■ジョセフ・サミュエル・ナイ・ジュニア(Joseph Samuel Nye Jr.、1937年1月19日 - )
アメリカ合衆国の国際政治学者。ハーバード大学特別功労教授。アメリカ民主党政権でしばしば政府高官を務め、ジャパン・ハンドラーとしても知られる
■岸田氏所信表明の内容
事前に漏れてきた内容