戦争を始めて支持率が上がった2人のトップから我が国の今後について考える | 木村佳子のブログ

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あのけしからぬ奴らをやっつけよう! おー!


そうやって実戦もいとわぬ行動をし、首相、大統領として支持率をアップさせ、その後の経済大変動の要因を作った2人のトップがいます。



一人はマーガレット・サッチャーさん。1979年から1990年までの長期政権。イギリスの首相を務めた女性です。1982年にフォークランド紛争で72日間の戦争を行い、多くの死傷者を出しました。


しかし、アルゼンチンに奪回されそうになった遠くの領有地、フォークランドの死守によって当時は国民から熱狂的に支持されたのです。


その余勢を利用するように1983年にビックバン(金融制度改革)につながる開放政策に着手します。


注目したいのは、ビックバンのお膳立てが整ってから、マーガレット・サッチャー氏が首相に選ばれ、ほどなくフォークランド紛争に介入し、そして金融制度改革に乗り出した点です。


マーガレット・サッチャー氏は財政問題を解決する、という政策目標でインフレ化を推し進めた人でもあります。


その後、イギリスはどうなったでしょうか? ユーロ圏の動向を見極めるポンド使用国。かつて、覇権国家として存在した栄光は過ぎゆくばかりなり、という点で日本とよく似た立ち位置にあるといえるのではないでしょうか


さて、もう一人。

戦争によって大人気を得て、その後、重要な経済の流れを作ったのがアメリカ・ブッシュ大統領です。


「無能なのではないか」と根強い疑念が持たれる中、ブッシュ大統領は大統領就任後、施策らしい施策を行わず、何かを待つように休暇を楽しみます(このあたりのことは「華氏911」に詳しい)


そして起こったのが9.11。

この9.11の根源にはアルカイダがいる! そいつらをやっつける!としてイラク戦争を始め、一時は歴代大統領の中、史上最高の人気を誇ったケネディ・大統領を上回lります。


その後、起こったのが住宅バブルとリーマンショックです。


今、この2人のトップから私たちが学ぶべきことは


表看板と裏看板の関係です。


今後、日本にもイケメン・トップや女性首相が登場して、尖閣問題、許せんぞ! おー!みたいな行動を採ったとき、裏で何が推進されていくのかにも目を向けないと、経済面で影響を受けますよ、ということです。


煽られ、熱狂し、衆愚的な感情に私たちが煽られる可能性に用心したいものです。


やっちまえ、と勢いづき、大切な何かを忘れる。命か命の次に大切なお金か、人間として幸せに平和に暮らす生活。そのどれかを、あるいはすべてを失います。


今、郵政株放出や財政がこんなに悪いのにIMFに5兆円もくれてやるような施策にもどかしいものを感じておられる方は少なくないと思います。

国民の生活に効くよう税金が使われるならともかく、国富が外資に獲られ放題になることほどばかばかしいことはありません。

しかも、それをごまかすために一見、新鮮に見えるトップがすえられる・・・。そんなマヌケ・ゲームを仕掛けられたくありませんよね。


外資もバカではありませんから、すでに10年以上前から、日本国民内部からグローバル化を礼賛するような装置としてのグローバル人材を政府委員等、各所に配置し、彼らや彼女らにオピニオンリーダーとして、声を上げてもらい、民意として開放路線推進を図るように仕向けているようです。


海外との連携は悪いことではありませんし、それを経済的合理性として理解し、利用すればいいと思いますが、日本もかつてのイギリスもそしてイラク戦争を推進したアメリカも、底辺の国民生活が豊かになったかというと、戦争とビッグバンとインフレ政策を推進したイギリスでは物価上昇で国民の生活は豊かになっていませんし、アメリカだって、いまだ景気低迷に苦しんでいるわけです。


人の血を代償にして、の結果にしては国民はひどい目に合っているといわざるを得ません。



マーガレット・サッチャー氏もブッシュ大統領も


あの不埒な奴らをやっつけよう!

国民の敵だ!


という国民の意思決定回路にスイッチを入れるボタンを押しました。


そして、国民が興奮している間に富はどこかに流れていきました。


尖閣問題がそのボタンに利用されることのないように。


新鮮な印象の首相が生まれた時こそ用心しましょう!


もっとも昨今のように外資の言うなりになってしまう首相が長続きするのも困るのですが。


ちなみに突然、解散に打って出る短命だったかつての首相が意外と国民の富を守るため奮戦していたのが歴史秘話のようです。その意味で、評価をし直すべき歴代首相は日本にもたくさんいそうです。


イメージに騙されず、世論工作に乗らず、国民の一人としてしっかり勉強したいものですね。