TPPと中国の2020年宇宙ステーション計画~アメリカの虎の尾を踏んだ中国 | 木村佳子のブログ

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人の領域を侵す時、ものすごい反発があるのは人の世の常。

侵すからには覚悟をもって踏み込むべきで、勝負する力がない時や争いごとを避けたい場合はなるべく人と競合しないように細心の注意をする必要があります。


しかし、あえて踏み込む場合は踏み込む側に相当な自信がある、とみなすべきでしょう。

今日、アメリカのオバマ大統領は踏み込んできた相手である中国にオーストラリアで宣戦布告とも言うべき演説をしました。


これからはもう、イラクでもない、アフガニスタンでもない、アメリカが狙いを定めるのは太平洋アジア地域で、もっとはっきり言えば、狙いは中国だよ、と受け止められる強烈な内容でした。


オバマ大統領が何故、ホワイトハウスからではなく、わざわざオーストラリアの地を選んで中国に宣戦布告とも受け取れる演説をしたのか?


それは中国の2020年宇宙ステーション計画に大きな脅威を感じているからでしょう。

産経ニュースが中国の宇宙ステーション建設に向けた実験成功

を伝えています。


この件に関して、中国に施設を貸したオーストラリアはアメリカに連絡するのを怠ったようです。

それを報道しているウォールストリートジャーナル


アメリカがテロ組織壊滅に力を入れている間に、アメリカのお家芸である宇宙分野において「まだまだ未熟」と下に見ていた中国が着々と力をつけ、日本よりもすぐれた開発をしているらしい。あろうことか宇宙ステーション建設にも着々と踏み込んでいる・・・。


しかも、TPPで仲間に引き入れたはずのオーストラリアで何を勝手なことをしてくれているんだ・・・。アメリカにして見れば中国の2020年宇宙ステーション計画しかり、オーストラリアの無連絡しかり、

顔に泥を塗られたような気分でしょう。


まあ、ここまで放置していたアメリカもアメリカで、

今頃、そんなに怒るなら、もっと早くから手当てしていればよかったのに、と思いますが、さあ、これで日本はもうTPPの枠組みからは外れられなくなりました。

弱体化傾向を見せる(?)アメリカの巻き返しに地勢的に中国に近い日本は外せません。

そのアメリカに「今から東アジア共同体にウエイトを置く道を取る」と言いきれるほどの度胸も戦略性もi日本にあるとは思えません。


両大国のあらゆる事態を想定して、遅まきながら今からでも大急ぎでリスク管理する必要があります。万一、太平洋で何かあった時、またぞろ、派兵するのしないので国内で紛糾するのは目に見えています。しかし、もはや緊急事態に紛糾で逃げを打つごまかし姿勢は通用しないでしょう。


それとも今から東洋のスイスになる道を探しますか。


さあ、どうする?