私の住む集合住宅では、一年の任期、

つまり持ち回りで、管理組合の理事が交代します。

入居者も随分と変わり、建ったばかりの頃からずっと住んでいる入居者の方々は

もう、70歳代~80歳代と高齢化し、

途中から入居なさった若い世代の方々も、40歳代~50歳代になっています。

10年ほど前までは皆、順番に理事になっていましたが、

高齢を理由に辞退なさる方も増え、また賃貸の部屋もあることから、

理事になる間隔が短くなってきています。

私は2015年に理事をしていますので、

皆が元気だったら10年後だろう (⋈◍>◡<◍)。✧♡、

と思っていたそのお役目が、今年1月からになってしまいました。

理事長と副理事長の方は人生の先輩である男性の方々に担当してもらっています。

私はというと、

思うところがあって

「防災担当理事」に立候補し、すんなりと決まりました。

 

この集合住宅。

一般的にマンションというのですが、

私の感覚では「マンション」というと何となく気恥ずかしいので、

建築物としての総称となっている「集合住宅」と呼ばせてもらいますね。

(消防法では「共同住宅」とされているようですが…)

 

阪神淡路大震災が起きたのは1995年の1月。

その時も、地震の怖さを思い知らされましたが、

やはり東日本大震災が起きてからが、

地震の怖さがより一層現実味を増してきたような気がします。

 

昨年の12月にNHKで、

首都直下型地震を取り上げたドラマと地震に関する番組が連続で放送されましたが、

それを見ながら、

自分は果たして何ができるのだろうかと、

以前にも増して考えるようになりました。

非常食や飲料水、簡易トイレ等々はすでに用意してありますし、

カセットコンロも、予備のボンベを一本使ったら補充するようにしています。

また、浴槽には常に水を張り、

万が一の断水時でもトイレの処理に困らないようにしています。

また家具には耐震用の器具をしっかりと取り付けてありますが、

逃げるときはどうだろうと、不安。

 

避難場所はハザードマップをみて理解しているつもりですが、

決められたその場所まで辿り着けるのだろうか・・・とか、

そこへの道が使えなかったらどう逃げたら良いのか・・・とか、

この集合住宅の中で助けを求めている人がいたら

どのように助けてあげたらよいのか等々・・・、

緊急時の取るべき行動が分かりません。

自分は何も知らないのだと、情けなくなりました。

 

そこで、持ち回りの理事になることが分かった昨年の12月、

防災担当の理事になろうと密かに決め、

そして、その担当になりました。

 

1月末に初理事会が開かれました。

築40年を過ぎているこの集合住宅も、

耐震性を考えると建て直しが必要であるとの事で、

それには莫大な金額が必要になります。

一軒の負担額が相当額になり、皆、頭を抱えています。

 

1970年代後半から乱立し始めたマンション(集合住宅)では、

今、建て替えの問題で、

区分所有者の方々が大きく揺れているところがたくさんあると耳にします。

 

集合住宅はとても便利ですが(一軒家よりとっても温かい!)、

ここに住み始めた当初は建て替えなど予想もしていませんでした。

そのままここでの生活が続くのだと思い、

建物が老朽化することなど考えもしませんでした。

どうしたらよいか、悩んでいます。

皆、頭を抱えています。

私はこの町が好きなので、ここにずっと住んでいたいと思っていますが・・・。

 

この先どうなっていくか全く見当がつきませんが、

幸か不幸か今年理事になり、

「防災担当理事」になったので、

まずは防火・防災について学ぼうと思いました。

これからの30年の間に、

およそ70%の確率で来るかもれしれない首都直下型地震を想定して

防災についての知識を少しでも得ようと考えました。

 

そして防火・防災管理講習の受講申請をし、2日間、続けて講習を受けて来ました。

朝9時から、途中1時間の昼休みを入れて、夕方5時までの講習です。

(ですので、私の最愛の恋人「ピジュ」の面倒が見られません。

動物病院のホテルに預け、講習が終ってすぐに引き取りに行きました。

ピジュちゃん、怒っていました、ごめんね、ピジュ…)

 

こんなに長い講習を受けるのは何年ぶりか・・・。

たぶん大学生以来です。

(ああ、過ぎ去った年月が重い・・・、とは思っていません。(* ̄▽ ̄)フフフッ♪ 

み~んな、年取るの、年を取らない人はいないの。

先に生まれたか、後に生まれたか、ただその違いだけなのね。

嘆いている人が居たら、嘆く必要などないのですよ、

と言いたいナ・・・)

 

教材はA4判の大きさの教本3冊。

3冊まとめて、厚さ5センチ以上あります。

あまりの重さゆえに、

歩いている足がアスファルトの道にズブズブと嵌り込んでいきそうで、

また、その重さゆえに歯を食いしばって歩いているうちに、

どういうわけか腹が立ってきたので、

家に帰り、腹立ちまぎれ重さを量ってみたら、

なんと、3.5キロもありました。

3.5キロなんて、中学生の時の鞄ですら、

教科書全部入れても3キロにしかならなかったのにイ…。   

 

2日間の講習を受け、その最後に理解度をチェックするテストがあり、

クリアすると「修了証」が頂けます。

今回2日間の受講生の数は300人近く。

そして全員が修了証を頂くことが出来ました。

もちろん、私も!

 

けれどこれだけでは役目を果たしているとは言えないのだそうです。

防火・防災管理者は(私です・・・)、

まず、消防計画を作成して、所轄の消防署に提出しなければなりません。

そしてそれに基づいた訓練等を、居住者も交えて行わなければなりません。

“消防計画書通りに訓練等が行われていな~い!”と、

消防署に判断されてしまった場合は、

私が罰せられるのだそうです、罰金!です。

(ここに住んでいる方々、訓練に参加してくれるかしら・・・、心配)

 

理事は一年の任期ですが、

予測される首都直下型地震や、

火災等々に見舞われたとき、

率先して動けるようにしたい!

でも、講習だけでは勉強不足!

教材を読み込み(何か月掛かるかしら???)、

分からないことがあれば

直接消防署に行って質問もできるというので消防署に行き(絶対に行っちゃうんだナ)、

何かの折には人のために動けるようにしておかないと・・・、

と考えています。

 

私が何故そう思うようになったかというと、

やはり東日本大震災の時の経験からです。

この建物はどうにか持ちこたえ、

外壁の壊れた部分もその後の大規模修繕工事でちゃんと直していますが、

予測される首都直下型地震は規模が尋常ではないといわれています。

どうなるかわかりません。

同じ階の方々もこの集合住宅が建ったばかりの時からの顔見知りで、

逃げなければならないとき、知らん顔は出来ません。

皆、良い方たちですので、

もし私が動けるのであれば、すこしでもお役に立ちたい、

と思っています。(母もお世話になりましたから)

 

さて、

明日から来週の頭までの仕事が一段落した時点で、

今、机の上にドッカと置かれてある、

あのA4サイズの分厚い教本を3冊、

読み込まなければ!

 

覚えられるかな? 

私も60代なのですものね、あまり自信はありません。

でも、何度も何度も読み込んでいけば、

嫌でも覚えるだろうと、

捨て身の覚悟で

臨みます!

 

(ちょっとオーバーでした。

 ああ、外見はこの程度でいいから、

 記憶力だけ、10代に戻りた~い・・・)