2020年初の「合氣道稽古」に行って来ました。

 

昨年の暮れに初級審査の申し込みが出来るまでになり、

その手続きの用紙が送られてきましたが、

私は審査を受けませんでした。

 

初級の課題は「正座の統一」という実技と、合氣道会の基本理念の暗唱。

暗唱はできます。

 

ちょっとややこしい説明になりますが、ごめんなさい。絵を描いた方が分かりやすいのですが・・・、

実は私は絵を描くのが、絶望的なくらい下手なのです。

美術の成績は本当に恥ずかしいくらい低かったのです(;´д`)トホホ

 

正座の統一には幾つかの規定があります。

まず、まっすぐに立って臍下の一点に精神を集中させます。

次に、左足を折って膝を床に着け、その動きに連動するように右足も折って正座をします。

その時に、最初に立っていた時の爪先の位置に、

左右両膝の先端が来るようにしなければなりません。

前後にずれたりせず、両の膝頭がきれいに横一直線になるように座ります。

 

これは出来るのです。

立っていた時の爪先の位置と、正座をした時の膝の位置がずれずに座れます。

けれど、立ち上がる時がダメなのです。

 

「正座の統一」では、

立ち上がる時、まず両足で膝立ちになり、座る時と逆の動作をします。

右の足裏全面を床に着け、その爪先は左膝の先端と同じ位置にある。

けっして踏み出したり、奥に引っ込んだりしてはならない。

そしてそのまま、お尻を突き出したり、上半身が後ろに傾いだりせずに、

真っ直ぐに立ち上がる・・・。  

 

正しい動作であれば、立ち上がっているときに、突然、背中や胸を押されても、

決して身体が揺らがないのだそうですが、

私は右足に体重をかけて、床に着いた左足を支えにして立とうとしても、綺麗に立てないのです。

右足を一歩前に出せば揺らがずに“立ち上がる”ことは出来るのですが、

爪先の位置を正しいところに置くと、身体が持ち上がらない。

すると、ヨレヨレとしながら立つことになってしまうのです。

 

最初、座ったり立ったりするときに使う太もも前面の筋肉=“大腿四頭筋”が弱いのだろうと思い、

自宅で強くする訓練を続けました。

ご存じのように私は両足に人工股関節を装着しています。

主治医から激しいスクワットはNG、

“スロースクワット”であれば大丈夫との許可を頂いていましたので、

それを続けました。

で、日常の動作の、立ったり座ったりがとても楽になりました。

動きもキビキビしてきました。

けれど、「正座の統一」は、出来ないのです。

 

何故だろう?と、まずその原因を探ろうとしました。

どこがどういけないのか全く分からない状態が続きました。

原因が分からないので、何をどう直してよいのかもわからず、

合氣道をする前にしなければならない準備運動にも、

どういった動きが必要なのか、まったく見当がつきません。

 

ふと、人が途方に暮れる時というのはこういう時なのだろう、と思いました。

原因が分からないので、何から手を付けて良いかわからない。

実際に直さなければならないもの自体、どのようなものかも考えつかない、気づかない…。

頭の中が真っ白、というより、頭の中に何の知識も入っておらず、

カラカラと音もしないほど空洞になっているような感じです。

捉えるものが何一つ見当たらないので、どうしてよいかわからないのです。

 

私はこれまでの自分の経験から、そういう状況に陥った時は、

あれこれ考えず、ただ一つの事を黙々としていくことにしていました。

正座の統一を、何かを考えながらするのではなく、

まぐれ当たりで出来ても出来なくても、

ただ、「正座の統一」の“動作”を繰り返す・・・。

『動作を繰り返す』というただ一点だけを見つめて、繰り返すのです。

何も考えず、先に期待もせず、

つまり、何も求めずに、ただ、ただ、その一つだけを行っていく・・・。

 

一か月ほど、ほぼ毎日黙々と練習していてやっと、

身体にどのような変化が起きるかが分かって来ました。

痛みが出ます。

立ち上がる時にまず痛みが出るのが、大腿四頭筋の太いところではなく、膝のお皿に近い部分。

つまり、太ももの筋肉が細くなっているところ。

次に痛みが出るのが、太ももの正面の付け根のところと、内ももの付け根。

両方とも、直線の痛みです。

そして、それを我慢しながら練習を続けると、

最後に、右側の腰に、強い痛みが溜まって行きます。

 

で、やはり、と思いました。

 

私の病気は“特発性大腿骨頭壊死症”といもので、

それが悪化して、変形性股関節症になりました。

とくに右足が“重症”で、軟骨が腐ってしまった結果潰れてしまい、

太ももの付け根の硬い骨が骨盤の内側の骨を削ってしまっていました。

そして、外れないようにストッパーの役を果たしている骨の先端が、

欠けていたという物でした。

 

出て来る痛みの順序は、この病気が悪化していくときと、ほぼ同じ・・・。

 

私の障害は目には見えません。

担当してくださった理学療法士の方も、術後一年目に再会したときに、

「健常者とまったく変わりなく見える。誰も気づかない!」

とおっしゃったほどでした。(うれしかった!)

ですから、私の状態をご存じで無い方は「足腰の弱い人だなぁ」という印象を持たれるでしょう。

とても自然な反応だと思います。

私も普段、障害らしきものを自分自身で感じることが全く無いので、

ごく普通の人と同じく、ごく普通に歩くことが出来ます。

日常生活で苦になることもありません。幸せです。

 

で、またまた思いました。

『まず、正座の統一をするにあたっての弱点が見えてきた、

ということは、

これは“途方に暮れていた”ところから一歩前進したということかもしれない。

弱点が分かったのだから、その弱点を、今度は試行錯誤しながら少しずつ何かで補い、

強化していけば良い』

そう考えました。

 

たとえ経験がたくさんあるからとはいえ、途方に暮れることは誰でもあると思います。

途方に暮れていて、ただ一つの事だけに集中して、

なるべく何も考えずにいようと心掛けていても、

心が晴れ晴れとすることはなかなかありません。

どこか、重たい感覚が付き纏っているものです。

 

が、弱点が分かり、そこを矯正して行けば良いのだという“気づき”に至ると、

重たい感覚は消え、何となくウキウキしてきます。

 

「正座の統一」はまだまったく出来ませんし、

出来ていないという現実は何も変わっていないのですが、

出来ていないことよりも、

もしかしたら“発見できたかな?”と思えることが、

晴れ晴れとした気持ちにさせてくれます。

途方に暮れていた場所から、脱出することができました!

 

そして、スロースクワットと少し繋がりのある、自分の体に合った動きを取り入れようという考えに至りました。

今、スロースクワットらしき動作のバリエーションを、

自分の体に問いかけながら工夫し、いろいろと試しています。

面白いです!

身体って、ほんと、面白い!

 

で、もっともっと嬉しいことに、そのことを、親友の一人、美容師の“美由紀さん”に話しました!

美由紀さんは先日また、私の髪形を作りに来てくれました。

 

美由紀さんは、私には掛け替えのない存在です。

美由紀さんは、阿吽の呼吸で、私の心の内を全部理解してくれました。

私が捉えていることと美由紀さんが捉えたことが、まったくだぶらずにぴったりと合ったのです! 

勇気百倍、ウキウキ気分超増大、

なのです。

私の父母は、美由紀さんを自分の子供のように想っていました。

父母の目は、鋭く、正確でした。やはり親は、凄い!

美由紀さんは凄い! ( ^ω^)・・・

 

次は、その時の、美由紀さんとのお話にしますね。

 

今日は外国ドラマの吹き替えをしてきました。

前回ブログに書いた作品です。

スタジオには懐かしい顔ぶれが並んでいました。初めての方々もいました。

皆、若くて溌剌としています 😄

もう中年になっている懐かしい顔も、今日は、若人(ワコウド)のように見えました・・・?

 

(ムムム もしかして、お正月休みで、疲れが取れただけ、なのかな???)

 

“毒舌”でした、ごめんなさい 🙇