消防署に着いてから20分程度が過ぎただろうか?爆発音と
共に100m先で砲撃と銃撃戦が始まった!
レスキュー隊員からは『アッラーフ・アクバル』の言葉が出た。
この意味は『アッラーは偉大なり』味方の自由シリア軍の攻撃
によりアサド政府軍のビルを攻撃したのだ。味方の攻撃だった
ので良かった。その後数分で、銃撃は止み戦闘に巻き込まれる
心配は無くなった。
その後早速、最前線の視察に向かう事にした。数時間視察して
いると無線で連絡が入り、空爆の爆心地にレスキュー隊が
向かったとの事で、僕達も行く事にした。
爆心地には既にレスキュー隊員達が、倒壊したビルで救助を
していた。何処から来たのか他国のジャーナリストも居る。
しばらくするとジャーナリストからアジア人が珍しいので、
インタビューしたいと言ってきた。僕は少し考え断った。
既に僕が来てる事が、ネットでニュースになっているらしく、
更にテレビに流れたらアサド政権の暗殺リストに入ってしまう。
(※この時点で、次回シリア入国からは危険と感じている。)
今回の爆撃で倒壊したビルには、子供が3人生き埋めになって
いる。大きな倒壊したブロックが山になっており、生存は
難しいだろう。
この部屋の中にある階段が爆撃での倒壊が免れ一部残っており
僕は2階へ向かうと、3階の部屋から政府軍側の街が見渡せる。
現場に居たジャーナリストが『狙撃兵が居るから早く降りろ!』
と言われ下りる事にした。分かっていたが政府側が見たい!
(写真:外で待機する僕の護衛)
この後、数か所の空爆爆心地に向かう。やはり同じような光景。
どのぐらいの市民が亡くなっているのか想像がつかないほどだ。
最前線ではいつ撃たれるか気が気ではなかった。防弾ベストを
付けると現地ではかなり浮いてしまう。やはり持っている装備が
シリアには無い物ばかりだからだ。これはある意味ベストを
着てしまうと、撃ってくださいと宣伝しているみたいになる。
(写真:途中変なジュースを飲んだ!エナジードリンクと
書いてある。炭酸飲料でした。味は、まぁ美味しいよぉ♪)
(これは度々飲む。)
僕と護衛は食事をする為、最前線に近い(名前:アブダミ)の
住居に向かった。途中、僕の護衛が携帯の電波状況が悪いと
言ってここで5分ぐらい待っててくれと言って、何処かに
行ってしまった。この間安全な人気の無い路地に車を止めた
のだが、兵士や市民が通る。
この時はとても落ち着かない。小銃を足元に置き戦闘に備えた。
10分ぐらいすると護衛が戻り、住居に向かった。僕は待機中、
戦闘に巻き込まれなくて良かったと思った。
住居に着くと(名前:アブダミ)の家族が居た。その中に
イスラム教の衣装ブルカをまとった女性が2人居た。一人は
親戚の奥さまでもう一人が20代後半の女性。この日、僕はこの
20代の女性に一目惚れされてしまう。
僕は海外に行くと惚れられる事はよくある事なのだが、まさか
イスラムの女性に気に入られると思いもよらなかった。皆
(結婚と言う意味で)彼女と僕をくっつかせようとする。
僕的には何とも思わないがイスラムの女性でも綺麗な方は居る。
これも想定がの事。この国に来て想定外の事がホント多い。
下記の写真は子供と散歩中、政府軍に狙撃をされて怪我をした
と言うのだ。アサド政府軍は無差別に市民を殺している。
僕は色々な外国に行ったが、その中でもシリアの料理はとても
美味しい♪外国では珍しい。野菜中心でヘルシー。トマトが
美味しくて毎日食べる。食事中戦闘機の音や空爆の音が絶えず
聞こえてくる。戦争が日常的のようだ。
僕は少しここの住居で休んだ後に、自由シリア軍最前線の兵舎
に行く事になった。
※シリア内戦視察 第8話 (兵舎での夜)に続く
はるな