東京ジョイポリスのサウンドホラーも、開園以来早いサイクルでいろいろな作品が登場しています。開園当初はオリジナル作品でしたが、1999年「リング」をきっかけにコラボ色が強くなりました。


1997年
「マーダーロッジ」(オリジナル)

山小屋に招かれたゲスト達が、そこに潜む殺人鬼に襲われるストーリー。北海道にある「ルスツリゾート」では2020年現在もこのアトラクションが設置されており体験することができ、また2020年7月23日(木・祝)、東京ジョイポリスでもこのアトラクションが復活しました。(アトラクションの詳細はリンク先を。)

 

なお、一番最初に稼働したのは東京ジョイポリスではなく「新宿ジョイポリス」(1996年10月開園)で、翌年1997年に東京ジョイポリスでも稼働開始されたそうです。


1999年7月
「リング 3Dサウンド」

上記の「マーダーロッジ」をリニューアルし、映画「リング」とのコラボアトラクション。


1999年12月
「リング0 ~貞子~」

映画の最新作公開に合わせたリニューアル。当時ジョイポリスは東京(お台場)以外にも新宿、横浜、大阪梅田、京都、福岡、新潟など全国にあり各所でこの「リング」のアトラクションが設置され、当時全盛期を迎えていたとのこと。

 

2000年7月
「死者の学園祭」

劇中の手塚学園の伝説の悲恋の恋人、ドイツ人のオイガン・メトカフと学園長の娘手塚澄子の亡霊が襲い掛かるストーリー。

※本作は純然たるミステリー作品ですが、このタイトルからホラー作品と誤解されやすくレンタル店でもホラー作品コーナーに置いてあることが多いとのこと。


2000年9月
「五条霊戦記」 ※上記「死者の学園祭」も同時に運営

鬼(遮那王)の怨念を封じた刀を持つある老婆の家で野盗「白河飛礫打ち」の頭・湛塊が現れ、それを蘇らせ、居合わせた観客と共に襲われるストーリー。湛塊役の船木誠勝が声の出演。

※こちらも本作はホラーではなくSF時代劇である。


2001年12月
モーニング娘「心霊写真の謎」、「十三人恐怖の晩餐」

当時人気全盛期であった「モーニング娘」が出演するサウンドホラー。部屋が2つあってストーリーも上記の2種類ありました。13人のメンバーが全員出演しているのでサウンド作品としては会話がわちゃわちゃし過ぎて聞いてて疲れた記憶があります。特に「十三人恐怖の晩餐」は序盤は完全にドラマCDみたいなもので、脅かし演出もモーニング娘がうっかり皿を割る、椅子を動かすみたいな内容。

 

ただし、ストーリー自体はれっきとしたホラーなので、モーニング娘達が一時的に会話から登場しなくなるメイン部分は結構怖かった。


2003年4月
「かごめ唄」

前回に引き続き「モーニング娘」が出演するが、メンバーが各話2人(計4人)に厳選された。これによってメインのホラー演出が濃くなり、恐怖度がパワーアップしている。前回と同じく部屋が2つあってストーリーも「前編」、「後編」に分かれていますが、話自体は独立してました。

 

 

2005年4月、東京ジョイポリスにて「アトラクションから乗客が転落死する事故」が発生し、その日から8月下旬まで休館。再開までに「マーダーロッジ」から続いたこのサウンドホラー施設は廃止され、撤去されました(再開当初は完全に更地の状態だった)。そして同年12月下旬、新たに下記の「生き人形の間」が設置されました。


2005年12月
「お台場 生き人形の間」
前述のよう、新たに作り直されたサウンドホラーアトラクション。メインであるサウンドホラーだけでなく最初にモニターでプレショーを見る、「暗闇の通路を1列になって進む」といった演出もできました。

 

ストーリーは等身大の少女の人形「生き人形」に纏わるもので、儀式に参加したお客さんの誰かを生贄にして人形を形代に亡くなった少女を蘇らせようとするもの。しかし蘇った少女(人形)は不完全で、さらに生き残っているお客さんたちに襲い掛かる…。

 

なお、生き人形(少女)の声は声優の「國府田マリ子」さんが演じていたとのこと。

 

ポスターに「半端ない怖さ!」とあったように、とにかく当時としては最強レベルと思うくらいの音響効果・演出+ギミックが売りでした。グロテスクな演出も容赦なく、注意事項には「過激な描写を含みますので、7歳未満のご利用はご遠慮ください。」とあったほど。

 

翌年2007年7月頃までには、大阪・梅田にあった「梅田ジョイポリス」(2018年5月閉館、跡地は「VR ZONE」になっている)にも「生き人形の間」として導入されました。こちらは「マーダーロッジ」の施設をそのまま利用していたので、一部ギミックが違いや「生き人形」が椅子に座っているのではなく壁に張り付けられているなど、細かい違いを除けば内容は同一。


2011年7月
「生き人形 蒼の間」
本編及び最初のモニター映像も含めて、ストーリーを一新したもの。上記の「生き人形の間」とは別に新たに発見されたという「蒼の間」にて、もう1つの生き人形に纏わるストーリー。流行り病のためこの間に隔離され、亡くなった少女の霊が憑りついた人形が、人間に対して「お医者様ごっこ」という残酷な遊びをする内容(具体的に言うと目をくり抜いてビー玉に変えたり、口をハサミで切り裂くなど)で、前作よりスプラッターな描写がメインでした。

 

同時期に梅田ジョイポリスにも設置され、こちらではこの「蒼の間」と共に上記の前作も「生き人形の間 赫」として2つ同時に稼働していました。


2017年7月
「VR生き人形の間」

上記の初代「生き人形の間」をベース(というよりほぼそのまま)にVR映像にしたもの。詳細は上記リンク先を。


2018年7月
「生き人形の間 赫」
上記のVRが、なぜか僅か1年で終了となり、初代の(サウンドホラー)「生き人形の間」に戻りました。タイトルこそ微妙に違いますが、内容は初代と全く同じです。

 

そして、2019年5月をもって、この「生き人形の間 赫」も終了。2005年から14年も続いた「生き人形の間」シリーズ(?)の歴史に幕を下ろしました。跡地は後述のよう「鬼灯の冷徹」にリニューアルしましたが、アトラクションの装置(中央の生き人形や座席、机、音響設備など)は撤去されて一新されており、こちらの方のツイッターによると2022年現在は開発関連会社の倉庫に保管されているようです。

 


2019年7月
「鬼灯の冷徹 ~立体音響異聞~」

久しぶりのコラボアトラクション。詳細は上記リンク先を参照。なお、上記のようアトラクション装置は前作の「生き人形の間」の物ではなく、前年2018年5月に閉館した大阪「梅田ジョイポリス」にあった設備を使用しているとのことです。

新型コロナウイルスの影響もあり、実質翌年2020年3月1日までと、僅か約7ヵ月の運営になってしまいました。

 

2020年7月

「マーダーロッジ」

ジョイポリス開園24年を迎えた2020年、初代サウンドホラーソフトの復活。