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4月20日(金)、東京ドームシティに新しいお化け屋敷「怨霊座敷」がオープンしました。製作は長年(「後楽園ゆうえんち」時代から)同園のお化け屋敷をプロデュースしてきた「オフィスバーン」、そして今回内部の映像演出等に「チームラボ」が協力しており、随所の壁や床に映像投影の演出があります(一部はそれを逆手にとった仕掛けも・・・)。
 
オフィスバーンのお化け屋敷は2008年からパラシュート・ランド(現「レーザートラップ」)で開催されてきたので、(コースター「サンダードルフィン」や温泉「スパラクーア」がある)「ラクーア」エリアにできるのは「13ドアーズ」(2003年~2008年)以来、実に10年ぶりになります(場所は「13ドアーズ」とは異なります、「13ドアーズ」は現「ザ・ダイブ」の所にありました)。

なお、間違えやすいですが、タイトルは「怨霊敷(やしき)」ではなく「怨霊敷(ざしき)」です。
 

○アトラクション設置場所・外観

「ラクーア」エリア、「サンダードルフィン」や観覧車「ビッグ・オー」がある建物の1階(地上階)にあります。たしか以前は「ブッフェ・スタイルのレストラン」があった場所だと思います。
 
入口横にはこのお化け屋敷に出てくる幽霊「夜雨子(ようこ)」。周りには他の?幽霊も群がっていますが、それが意味することは・・・。
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反対側には、これまでオフィスバーンが開催してきたお化け屋敷のポスターが展示。
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建物内に入る前にチケットのチェックがあり、その後に靴を脱いで鍵付きの下駄箱にしまう。その先もちょっと待機列があり、1組ずつ案内されます。
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○ストーリー

詳細なストーリーは公式サイトで確認できます。
 
 
透き通るような白い肌をもった女性「夜雨子(ようこ)」、ある日彼女の婚約者の男から「白粉(おしろい)」を渡された。だがそれを塗り始めた途端、次第に肌がただれ始めた。その白粉は男の浮気相手の女が用意した「蛾の鱗粉」であった。
 
それを知った夜雨子は2人にくってかかったが、男と女は夜雨子を突き飛ばし足蹴りにするうちに、夜雨子は動かなくなった。2人は夜雨子の死体を家の床下に埋めた。
 
それ以来、この家では奇妙な出来事が多発するようになった。やがて2人は家を去ったが、後からここに引っ越してきた人も皆、「足元に何かの気配がする・・・」と言って出て行ってしまい、今この家は誰も住まない「呪われた家」となっている。
 
その呪いを解くため、男と女は再びこの家を訪れた・・・。
 
 

○お化け屋敷の内容

・このお化け屋敷入るお客さんは、上記ストーリーの「夜雨子を殺した婚約者の男」という設定で進みます。なお、カップルで入った場合は設定上「女性は男の浮気相手の女」になる。
 
・最初の部屋で顔写真を撮られ、これは中での演出に使われます。
中盤、下記の「ミッションを行う部屋」にて、部屋にたくさんある写真及び夜雨子が見ているアルバムの写真、全てが最初に撮った写真、つまりお客さんの顔になっている。ただ、若干加工されるため気付きにくいかも。
 
・呪いを解くためのミッションは、夜雨子の肌にパフ(化粧道具)でただれた肌に薬を塗ること。
 
・次の部屋ではストーリーを聞きます。聞いた後「インターホーン」を押して「ただいま」と言い、家の中へ・・・。
 
・今回は各部屋で、音声が流れたり演出があったりして、それを見終わってから進むという流れが多いです。これによって物語の中に深く入り込めると共に、お客の流れをコントロールしているという役目もある(と思う)。
 
・前述のよう壁や床に映像による演出が多用されていますが、映し出されるのは主に「蛾」です。これは婚約者の相手の趣味が「蛾の採取」であることと、夜雨子がつけていたのが「蛾の鱗粉」であり、それが内部の演出に深く関わっています。
 


※以下の画像は2018年7月28日放送の「王様のブランチ」より
序盤に出てくる「夜雨子」の寝室

 

 

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「蛾の標本保管室」と悶え苦しむ夜雨子

 

 

 

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夜雨子の死体を床下に埋める男と女

 

 

 

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・脅かしの演出としては、これまでのオフィスバーンの巧妙な脅かしが随所随所に見られ、ある意味一つの集大成のようになっています。クライマックスの大規模な演出は必見。

 

 
・距離はかなり長めです。普通に進むと10分くらいはかかると思います。体感的にはもっと長く感じますが。
 
○家の中で起こる事(一部ネタバレ)
・家の中は玄関→夜雨子がいる寝室→蛾の標本が並べられた廊下、そしてその先には苦しむ夜雨子が・・・ と続き、次の部屋では夜雨子が床下へ埋められる場面があります。
 
・夜雨子(の遺体)が埋められた事で、怪奇現象が起こるようになったこの家。廊下ではその現象が再現され、次の部屋では、床下から夜雨子が”蛾のようなオーラを纏って”上がってくる(※伏線①)。
 
・続いての部屋で「夜雨子の肌にパフで薬を塗る」ミッションをします。夜雨子は「ありがとう」と礼を言いますが、次のシーンでは「また騙したな!」とすごい剣幕で・・・。
 
・雨が降る中庭、そして夜雨子が殺されたという寝室。寝室の出口ではあっと驚くことが。
 
・次の廊下では障子があり、そこに映る人影がお客さんと共に歩いていきます。ただ、人影はだんだんと蛾のように群がり・・・(※伏線②)。
 
・次の部屋は「顔中に虫ピンが刺さった死体」があちこちにあるという悍ましい部屋。死体は一斉にこちらを・・・。
 
・最後の部屋は、「巨大な蛾」が(プロジェクターの映像による)小さい蛾たちを纏わらせ、こっちに向かってきます。巨大オブジェクトと華麗な映像に見とれていると・・・。
※公式な発表ではなく個人的な解釈ですが、この巨大な蛾は「夜雨子」そのものと思われます。蛾の鱗粉を塗られて死んだ彼女は怨霊となった後、蛾の化け物として生まれ変わったということなのでしょう。上記のよう、途中の演出がこの最後のシーンの伏線になっています。
 
最後もちょっと油断しない方が良いかも。
 
 


感想を簡潔に述べると、演出が非常に凝っており、音声でお客側に与えられた「夜雨子を裏切って殺した男(と女)」に対する言葉を投げかけられるので、物語に深く入り込めます。表現するなら「演劇」の手法に近いかもしれないです。

 
それに対し、脅かしはオフィスバーンならではの意表を突くものが多くてびっくりするものの、ホラー映画のような嫌な気分に感じさせるものは少なく、今回距離が長い分脅かしのオン・オフがはっきり分かれているので落ち着きを取り戻しやすく、総合的には意外とマイルドな恐怖度です(終盤のアクター出現ラッシュは別として)。なのでお化け屋敷が苦手な人でも入りやすいと思います。
 

○混雑及びアトラクション営業状況

同園の他アトラクションと同様に、平日であれば待ち時間は長くて20分と思われるのでそれ程気にする必要はありませんが、同じお化け屋敷系アトラクションでも回転が悪い部類で列がなかなか進まないので、ストレスがたまりやすいかも。

休日はお昼頃から30〜40分、長いと60分近くになるようなので、スムーズに利用したければ午前中に。

ただし、このお化け屋敷に入るなら絶対に「休日(繁忙期)の方が良い」です。オープン日以降、平日に入る機会がありましたが、その時は一部の仕掛けが動かなく、アクター(お化け)も出なかった時があったので魅力半減って感じでした。お化け屋敷か苦手な方は、逆に平日の方が良いのかも。
 

○その他

・今回はアトラクション宣伝に、丸の内線などでは「週刊誌の中吊り広告」風にポスターが作られました。お化け屋敷のパンフレットも週刊誌「週刊新潮」のパロディになっています。
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・お化け屋敷近く、地下通路入口の向い側に、怨霊座敷ラッピング仕様の自動販売機が設置されています。
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一番左は「つめた~い」ではなく「こわ~い」になっている・・・。
 
 
2018年7月14日(土)~9月24日(日)に夏季特別版として、恐怖演出がパワーアップした「超・怨霊座敷」として開催されています。
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上記の「超·怨霊座敷」終了後、休止期間を経て9月27日(水)より通常の「怨霊座敷」に戻りました。
変更された音声や仕掛けも基本は元通りになっていますが、一部の音声や序盤「夜雨子が埋められるシーン」が客動線側になった(ミラー越しじゃなくなった)、終盤の「謎の影が歩く廊下の演出(映像投影のやり方の変更)」など、超〜から戻されなかった要素もあります。