きよの漫画考察日記2323 月光条例第6巻 | きよの漫画考察日記

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我が家の本棚のマンガを1冊づつ考察中。
ちなみに3,000冊近くあります...


オッドアイ猫

さて月光条例第12条はこのおとぎ話。



この内容はグリム童話版の赤ずきんですが、グリム童話版以前の赤ずきんのストーリーってのは赤ずきんが狼に食べられて終わりだそうです。え、それって物語として成立してる?

さて執拗に神林を殺そうとする赤ずきん、理由を尋ねる月光。これも一概に間違いとはいえない面もあるかとは思いますけどね、機械的に処理していくべき仕事や状況もあるでしょう。忙しい時のコンビニのレジなんて、挨拶とかいいから機械的にやる事だけやれよと思ってしまうもんなぁ…

さて50年前、本の中にいた赤ずきん。


本の中の世界、実在したら楽しそうです。こういった世界があるわけないと立証するのはまず不可能ですからね、それならあってもおかしくないなと信じれる子供のような大人になりたいもんですね…

しかしそんなかよちゃんの家に遊び半分で火を付けたのが神林。



赤ずきんの闇の部分をここまで引き出した漫画家は他にいないでしょう。万人から可愛いと認識されているキャラクターほど、堕ちた時のギャップが輝くんだなぁ…

しかし反省はしている神林。
まぁ公訴時効は近年縮小気味ですからね、そのうち民事上の消滅時効の是非も議論されてくるんじゃないですか。時効制度というものはそもそもの制度意義がはっきりしないところもありますからね、いったい誰のための制度なのか今一度考えてみるのもいいのかもしれません。

しかし実は生きていたかよちゃん、神林と結婚してました。
いやいや、これはダメでしょ。神林はかよちゃんに火傷を負わせて、その火事の犯人が自分だと告げずにかよちゃんと結婚したって事でしょ。そんな自分勝手は許されませんって。しかもこんな老人になってから「あの火事は俺がやった」なんてカミングアウトされたってもはやかよちゃん的にも許さざるをえないでしょう。それなら墓の下まで持っていくべきです。

さて赤ずきんに聞こえてきたのはかよちゃんの泣き声。


そうなんですよね、世の中どんなに灯りが溢れていようとも太陽の光だけは間違えたりしません。藤田和日郎、相変わらず表現が上手い。

つーわけでかよちゃんが生きていることを知った赤ずきん。

上手く前フリを挟み込んできます。この赤ずきんのささやかな願いが叶わないというのがポイントなんですよねぇ…

つーわけでかよちゃんに再開した赤ずきん。






不覚にもね、目頭が熱くなってしまいます。月光条例を読んだことがない人に対して俺は「赤ずきんまででいいから読んでみ?」と勧めてますからね。この赤ずきん編は月光条例において一番面白いところじゃないかなぁ…

そして家事の中からかよちゃんの孫のかほちゃんを救出した赤ずきん。




うん、完璧です。ストーリーが完璧です。漫画の全体としてストーリーを完璧に仕上げるのははっきり言って無理だと思うんですよ、ドラゴンボールにしたってスラムダンクにしたって週刊連載という仕組みの中でやっている以上完璧にはいきません。ただ藤田和日郎の漫画はうしとらにしてもからくりにしても月光条例にしても章ごとに細分化されていますからね、その中に時折完璧なストーリーが入ってくるんですよ。うしとらだと第二十章「追撃の交差」からくりだと明治時代のフランシーヌ人形のくだり、そして月光条例ではこの赤ずきんですかね、完璧だと評価できるのは…

そんなこんなで帰っていった赤ずきん。
シンデレラにしても赤ずきんにしても、月光条例の良いところはおとぎ話が改変されるという点です。それが如実に現れるのがこの後出てくる「フランダースの犬」ですね…


第13条「入道雲」
工藤さんと上手くいかず落ち込むイリヤ。
なぜか登場しているのはからくりサーカスに登場した懸糸傀儡のアンラッキーですな。これを見過ごすようでは藤田和日郎ファンとしてはまだまだです。

つーわけでツクヨミを辞めようとする工藤さん。
甲乙丙丁というのも法律系の文書くらいでしか見かける機会がなくなったとは思いますが、これは十干といいます。甲・乙・丙・丁・戊くらいまではまぁ見かけるんですが、その後も己・庚・辛・壬・癸と続きます。まぁホント法律系文書でしか見かけませんからね、覚えなくてもいい知識かもな…

説十干は、甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸まぁ見かけたことのある人は多いとは思いますが、


さてここできき耳ずきん事件の時の女の子が再登場。助けてくれた月光の事だけはおぼろげに覚えてました。
一発キャラでしたが、ここから準レギュラーへと昇格していきます。この子の成り上がりもまさにタイミングですね…

そして工藤さんの前に月光登場。


工藤さんも月光にオチましたね❤️まぁ藤田漫画の主人公がモテモテなのは今に始まったことではありませんからね。潮もモテたし鳴海もモテたんだから当然月光もモテモテです。