きよの漫画考察日記1853 うしおととら特別読み切り | きよの漫画考察日記

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我が家の本棚のマンガを1冊づつ考察中。
ちなみに3,000冊近くあります...

ちょっと目線を変えてこんなのやってみます。
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うしおととら 火炎特急「不知火」!
うしおととらの連載が終わって16年、突然描かれた読み切り編です。東北の震災のチャリティー企画だそうでして、内容もちょっと地震で亡くなった人たちへの鎮魂的な雰囲気を感じられるところでもあります。
まぁなぜ今更これをやるかというと…ついにうしとらがアニメ化されたからです。まぁそれについては後述。

お月様

つーわけで16年ぶりの登場。
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うしおと…
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とら!
俺は常々なんでうしとらをアニメ化しねーんだと言ってきましたが、実はアニメ化されなくてよかったなと思ってる部分もあったんです。その理由として「俺が脳内でイメージしてるのと声が全然違うと萎える」というのがあるんですよ。スラムダンクのアニメを初めて見た時にそれでガッカリしちゃったんでね、今年2015年にうしとらがアニメ化されると聞いてまず気になったのはその声です。つーわけで2.3話アニメを観てみましたが、とらの声はアリです。Fate/Zeroの衞宮切嗣と同じ声、もっと分かりやすく言えば24のジャックバウアーの声なんです。だけど潮の声がちょっと俺のイメージとは違ってましたね…

さて今回のゲストキャラ。
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チャコちゃん!
あれから16年も経つとさすがの藤田和日郎の画風も多少変わりますわな。まぁうしとらの頃の藤田和日郎の画風は好き嫌い別れるところもあるでしょうが、今の画風なら老若男女受け入れられるんじゃないでしょーかね。まぁ藤田和日郎ファンがその変化を求めているのかどうかは微妙なとこですが。

そんなチャコちゃんを追い回す男。
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どう見てもロリコン変質者の稲森さん、こう見えてチャコちゃんの同級生なんです…

さてそんなチャコちゃんと出会った潮は「三度ぶつけ」なる遊びをします。
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ルールは多少違いますが、たしかにこんな遊びは小学生時代ありましたね…

がしかーし、どーもボールを避けるのが下手なチャコちゃん。
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おばあちゃんが亡くなり、父親の工場は潰れ、両親は離婚してしまい、不幸を避けられないチャコちゃんはこれから母親の元へ向かうところなんです。

そんなチャコちゃんとボールを避ける特訓をした潮。しかしそこに現れた稲森さんから衝撃発言。
稲森「あの子は本間雅子…チャコちゃんだ…チャコちゃんは…チャコちゃんはもう…」
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チャコちゃんと稲森さんは小学校の同級生、ある日少年時代の稲森さんはチャコちゃんにボールの避け方を教えたんですが…
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そしてチャコちゃんは母親の元へ向かう最中の電車事故で死んじゃってたんです。ホント不幸を避けられない子なんです…

つーわけでそんなチャコちゃんを食おうとする妖怪が…
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火炎特急、不知火!
今子供達に評判の妖怪ウォッチなる番組を昨日初めて見たんですが、こんなの妖怪でもなんでもねーだろとは思ってしまいました。水木しげるの妖怪で育ってきた我々に今の妖怪は受け入れられんわ…

さてそんな不知火に襲われるチャコちゃん、潮の言葉を思い出します。
「…でもさ、チャコちゃん。」
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「当たったフコーをなかったコトにはできないけど、それは…もう終わっちゃったコトなんだよ。」
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震災相手にどーすることもできず命を奪われた人々、原発や津波で家族や生活を奪われた人々に対する藤田和日郎からの懸命のエールでしょうか。「頑張って」とか「負けないで」という言葉は聞き飽きてると思うんですよね、俺も神戸に住んでる頃に震災を経験した時はそーでしたから。こういった応援の言葉は人の心を奮い立たせるものだけど、何度も何度も同じ事を言われ続けるとさすがにウザったく感じるもんなんですよ。だけど政治家やコメンテーターはなかなかこういう事を言えないからね、漫画を通じてこういった言葉を贈るという企画は良いと思います。

つーわけで不知火を倒し、チャコちゃんに自分だけ幸せに生きている事を謝る稲森さんでしたが…
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災害を生き残った人はさ、亡くなった人たちに対して申し訳ないという気持ちになってしまうんですよね。飛行機事故の生還者とかを幸運の乗客だなんて言うこともあるけど、当の本人からすれば感じるのは自身の幸運ではなく申し訳なさなんですよね…

さらに潮も、自分にはいくらでも時間があるからと怠惰に過ごしていた日々を改めなきゃバチが当たると反省しますが…
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つーわけで天国へ旅立っていったチャコちゃん。
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うん、久しぶりのうしとらでしたがまぁいいんじゃないでしょーか。こういう復刻読み切りは得てして総登場キャラクターが脈絡なく顔を出していくだけのストーリーであったりもするんですけどね。うしとらはあくまでも潮ととらの物語だったということを思い出しました…


ちなみに話に挙がったうしとらのアニメ版ですが、2.3話観た結果俺はもう観るのをやめました(笑)つーのもね、無理がありすぎるんです。今のところ神居古潭が終わったところまで進んだそーなんですが、そこまでを17話で片付けたんですよ。もちろん神居古潭までの全ストーリーを17話で収められるわきゃないので、第八章「法力外道」はカット、凶羅は登場せず。第十九章「畜生からくり」も無駄なので当然カット(笑)遠野での戦いが終わった後の香上片山が絡むストーリーも全カットされているので第十三章「おまえは其処で乾いてゆけ」第十四章「鎮魂海峡」第十五章「汝 歪んだ夜よりきたる」第十六章「湖の護り神」第十七章「霧がくる」は全てカットされ、潮は岩手から一気に襟裳岬までワープしちゃうんです。なまはげはともかく香上片山に歩ちゃん、サンピタラカムイや徳野さんやシュムナが登場しないというんじゃ後々ストーリーが薄っぺらくなるんじゃないのかと危惧せずにはいられません。残りは22話らしいですが、こーなってくるとストーリーの本筋に絡まない雪女や山魚、一角や水乃緒、しっぺい太郎あたりは総カットされる気配がプンプンするし、下手すりゃなどかたゆらやサトリやHAMMR機関ですらカットされかねません。そのストーリーってうしとらなのかな?
さらに言えば1つの章がだいたい5~7話で構成されているのにそれを30分で放送するわけなので、見終わった後に俺に残るのは詰め込み感だけなんです。詰めて詰めてギッチギチに詰め込んだなぁという感想で胸いっぱいになっちゃうんですよね。同じようについにアニメ化された作品であるジョジョの奇妙な冒険は原作にかなーり忠実に作られてて詰め込み感は一切感じませんからね、この辺りも残念に感じてしまうわけなんです…
まぁアニメ版うしとらを契機として原作を手にとってみようかと思う新規うしとらファンが増えてくれるのであれば、それはそれで喜ぶべきことなのかもなぁ…