きよの漫画考察日記990 ベルセルク第17巻 | きよの漫画考察日記

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我が家の本棚のマンガを1冊づつ考察中。
ちなみに3,000冊近くあります...

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お月様

さてさて聖鉄鎖騎士団に捕えられたガッツを助けに現れたのはパック。
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このパックのセリフの元ネタが分かる世代はベルセルクなんて読まねーんじゃねえのか?この元ネタはね…
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ズバッと参上、ズバッと解決!さすらいのヒーロー快傑ズバット!
……俺が生まれた1977年の作品です。なんで俺知ってんだろな(笑)それにしてもこのズバットは凄いですよ、ジャンプ力は400m、走った時のスピードはマッハ7ですから(笑)しかもこのズバットスーツを5分以上着続けると大爆発を起こしてしまうという諸刃の剣(笑)昔の特撮は設定が面白いなぁ…

そんなわけでファルネーゼを人質にして逃げ出したガッツ。毎度のことながら夜になると悪霊に襲われます。
ガッツ
「目ェひんむいてよーく見とけよ。置きもん拝んでたんじゃなかなか目にできねえしろもんだぜ。」
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神様への皮肉たっぷりです。ガッツは知っておるわけですよ、神様なんてものはいないってことをね…

つーわけで今回の悪霊は野犬に取り憑いちゃいました。
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犬が可愛らしいのは、それが犬の顔をしとるからなんよね。人間の顔をした犬は不気味以外の何物でもないわ…

当然こんなのに初めてお目にかかるファルネーゼ。
ファルネーゼ「うそよ…こんなものが…」
ガッツ
「いるはずねえか?」
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ガッツ「こんな見せ場で縮こまっててどうする。拝み屋ならせめてセリフの一つでも決めてみろ。」
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どーしようもない時に神に祈る、これは現代に生きる日本人にはピンとこんよな。スポーツでも海外の選手はよく十字を切って神に感謝しとるけども、これもまた日本人にはピンとこない。まぁ世界標準で測れば無神論者だらけの日本の方が不思議な国なんやろけどね…

さぁ人面犬を斬りまくるガッツ!
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「奇跡」という言葉を聞くとなんとなく良い事が起こったかのように感じてしまうけども、奇跡が神の手によるものであるのならばそこには人間にとって災厄となる悪い意味での「奇跡」という概念も考えうるんよね…

さてもちろん逃げ出すファルネーゼ、うまい具合に馬を見つけました。
ファルネーゼ
「命令よお前!私を乗せて走りなさい!早く…!」
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人面犬、人面魚なんてのはいましたが、ついに来ました人面馬(笑)つーかどんな生物であろうが顔の部分を人間に変えてしまえばそれだけで不気味極まりない存在となれるわけですな。

さてこの馬に犯されそうになったファルネーゼを見てガッツが思い出しちゃったのは、同じ様に魔に犯されたキャスカ。当然ブチ切れます!
ガッツ
「キズを庇うようなセコイのは無しだ。腕がもげようが知ったことか。てめえらのくだらねえまねのおかげで久々に目のさめる思いだぜ。思い出したよ久しぶりに、最初の気持ちってやつを。ありがとよ、最悪の気分だ。」
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かっこええセリフ回しです。「夜が明けるまで死に続けろ」なかなか日常生活で使える機会はありません…


そんなわけで悪霊撃退。だけども生き残ってた悪霊がファルネーゼの陰鬱な心の奥底をあばいちゃいます…

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ガッツの肉体を鞭打ちながら興奮してたファルネーゼはドSです。だけども…
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ファルネーゼはドMでもあるんです(笑)
俺はオーソドックスな性癖なのでSMに興味はありませんが、鞭で打たれるか打つか選べと言われたら…もしかすると打たれる方を選ぶかも。だって縛られてる女の子を鞭で打ったりなんかしたら一生罪悪感に悩まされるでしょ…

さて夜が明けてファルネーゼを救出に現れたのはこの重要人物!
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セルピコ!
ガッツ・キャスカ・グリフィスという主役陣を除けば、ベルセルクにおいて最も登場回数が多い「人間」かもしれません。だけどもそれが故に、なんかセルピコはとんでもない死に方をしそうで怖いんよね…


つーわけでここまでがベルセルク断罪篇「縛鎖の章」ここから始まるのが断罪篇第3章「生誕祭の章」!そう、ついに生誕を迎えるわけですよ…

さてさて2年ぶりに帰ってきたガッツ、しかし置いてきたキャスカが行方不明になっちゃってました。もちろん怒るガッツでしたがそれを嗜めるのはゴドー。
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ゴドー「憎しみってやつあな、悲しみに面と向かって腰を据えらんねえやつが逃げ込む場所だ。」
これは深いな…悲しみから逃げ込む先が憎しみ、たしかにそーかも。でも憎しみに逃げ出すのは人の性よな。憎しみに逃げ出さずに悲しみを受け止める、それができるのは聖人だけでしょ…

さぁもちろん反論するガッツ。
ガッツ「あんたにゃわからねえよ…こんなぬくぬくしたところで…思い残すことも無さそうに逝こうとしてるあんたにはわかりっこねえ…!」
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ガッツ「死んだ…!一人残らず!何の脈絡も無く…唐突に!理不尽に…!虫けらのように!何も…分からないまま…!みんな若かった…生きてりゃ何かやれたはずだ…なのに一瞬で…オレにとっては…かけ替えの無い…」
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ゴドー「…肝心な時になるとおめえは一人を選んじまう。戦に頼んじまう。おめえは一本の…抜き身の戦場刀だ。無数の刃毀れと血でぬめり錆びかけの、致命的な亀裂の入っちまった折れかけの剣だ。」
まぁ人間は1人だけの方が気楽にはなれますわな。もちろん人間はコミュニティーに属さなければ生きてはいけない生き物やけども、それが楽な生き方なのかは別問題。自分の感情を御さずに生きていくのであれば、孤独の方が全然楽なんよね…

さて2年ぶりにあったリッケルト、思いのほか逞しくなってました。
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「健やかな強さ」なんかいい響きの言葉ですな…

つーわけで悩むガッツ。ガッツ自身分かってはいるんです。自分の中にあるグリフィスへの憎悪、それは絶対に消えないと。そのドス黒い炎で身を焼くしかないと。でも…
ガッツ「けどよ、だけどよ…オレを焼いているのはこの黒い炎だけじゃねえ。」
ガッツには鷹の団員との思い出が、そして何よりもキャスカとの思い出が残っとるんですよ…
ガッツ
「あの日々のかがり火は、まだ胸を焦がしてる。」

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ガッツ「…なんてこった、オレは…また繰り返しちまったっていうのか…?」
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ガッツ「…いや…まだだ…まだかがり火は消えちゃいねえ…まだだ!まだ遅くねえ!今度こそ…!」
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少年期のガッツは生きるために剣を取りました。グリフィスに出会いグリフィスの夢に己の剣を捧げていた時期もありましたが、触以降は復讐のためだけに剣をふるってきたんです。だけどもここからのガッツは「護る」ために剣をふるうんです!
…ここからのガッツの葛藤が面白いんよね…

さてさて寿命が近いゴドー、リッケルトにエリカを託します。
ゴドー「生まれてこの方鉄のことしか知らねえオレを、ずいぶんとまあ人間らしくしてくれたよ。」
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男の死に方の問題です。女は家族に見守られながら眠るように死ぬがいーさ、だけども男は死の瞬間まであがいて、彷徨って、何かを求めて、そして一人朽ち果てるってのがいいのかもね…

さてガッツのことを折れかけた剣だと酷評したゴドー、最後にガッツの剣を鍛え直します。
ゴドー「いい剣てのはたとえ錆びついてなまくらになっても、その芯には決して錆びつかないいい鉄を残すもんだ。その鉄こそ最高の鉄、たとえ亀裂が入ろうが…」
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剣のことを言っているんではありません、これはガッツという男のことを言っておるんですな。ベルセルクは安易に読み進めちゃうと、セリフや心理描写の裏に隠された意味に気付けない事があるので要注意です。


そんなこんなでついにこの男が登場します。この生誕祭の章の敵ボスであるこの司祭様です!
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モズグス!
言葉の響きは似てますが「もずく酢」ではありません(笑)